一般の女性にとって、日本酒は決して気軽に呑むものでなく、「通好み」になってしまっている。じつは、海外では和食のブームに後押しされて存在感を増しているのだが、国内では販売不振が続く。そこで、名古屋市の酒類卸会社の若い女性社員らが、愛知淑徳大学の学生たちと連携して市場の活性化に乗り出した。日本酒好きな20代のオピニオンリーダーたち、「おちょこガール」の誕生である。
男性っぽさをともなう「ポン酒」のイメージを払拭するためか、若い世代全体を巻き込むのではなく、女子限定の活動になっている。この点、「山ガール」ブームが男性の登山愛好家たちとあまり関係しないこととリンクする。女性は基本的に女性だけの世界で楽しんでいるほうがカルチャーとしての発展が期待できるように思える。たとえば、日本酒と合う料理やスイーツの探求などは、男性では考えもつかぬ味わいの地平を切り拓く可能性があるだろう。