1:タレントほか著名人が自著を出版する際に、本人が語った内容を文章にまとめ直す作業をプロ、いわゆるゴーストライターに委ねた場合、その役割分担のさまを、かつて「現代のベートーベン」として一世を風靡した佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏にちなんで「サムラゴル」と呼ぶ。

[使用例](ゴーストライターが新規の書籍編集部に営業をかけているときに)「お笑い芸人の○○○○の小説も元日本代表のサッカー選手の××××の自叙伝も、全部私がサムラゴリました」

2:部下の手柄を全部持っていって、あたかも「すべて自分がやりました」と言わんばかりに、上や周囲に吹聴する直属の上司のことを揶揄の意を込め、かつて「現代のベートーベン」として一世を風靡した佐村河内守氏にちなんでこう呼ぶ。

3:愛人としていただく金銭の額面が、あやふやになって口論が始まり、挙げ句の果てには「女房に訴えられたらお前も同罪だぞ!」と開き直る男のことを、女性側が罵りの意も込め、かつて「現代のベートーベン」として一世を風靡した佐村河内守氏にちなんでこう呼ぶ。通は「サムラゴル」を「サムル」と略し、さらには「サムイ(=寒い)」と韻を踏んだりもする。

[使用例]「あのオヤジ、マンション代全額払ってくれなかったり生活費よこさなかったりで最近サムリまくりなんですけどー。かなりサムクない?」

   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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