「必要は発明の母」。使い古されたこの言葉は、いまなおヒット商品を生み出す源泉である。2013年6月、大阪市に本社を置く「愛眼(あいがん)」が発売したお風呂用のメガネ「FORゆ」は、熱に強く、金属をまったく使っていないため、さびることがない。これまで浴室でぼんやりした視界を強いられていた人にうれしい商品だ。流行情報誌でもよく採り上げられるヒットとなり、さっそく他社でも追随する動きが出ている。
日本人は世界の中で特に入浴習慣を好み、これほど湯舟に浸かる時間が長い民族は珍しいという。ゆえに、浴室で読書やテレビを楽しむ文化も生まれた。我が家を離れた旅先でも、温泉つきの旅館に泊まるのは定番。このような多様な風呂の楽しみ方がある一方で、これまで「よく見える」ことはないがしろにされてきたといっていい。ヒットとは、灯台もと暗しというか、案外、みずからの国民性をとらえ直したところに生まれるものに違いない。
日本人は世界の中で特に入浴習慣を好み、これほど湯舟に浸かる時間が長い民族は珍しいという。ゆえに、浴室で読書やテレビを楽しむ文化も生まれた。我が家を離れた旅先でも、温泉つきの旅館に泊まるのは定番。このような多様な風呂の楽しみ方がある一方で、これまで「よく見える」ことはないがしろにされてきたといっていい。ヒットとは、灯台もと暗しというか、案外、みずからの国民性をとらえ直したところに生まれるものに違いない。