日本が輝いていた高度経済成長期、中卒などの若い労働者たちは「金の卵」と呼ばれた。新時代のスキルを担っていく、貴重な存在だったのである。そして現在、労働の現場には、ミドル層のいわば「いぶし銀」のベテランたちを積極的に活用しようという動きがあるらしい。このような人材登用の動きを、「金の卵」ならぬ「銀の卵」から、「銀たま採用」と呼ぶ。一般には転職は「35歳が限界」といわれるが、希望的観測によればこれが変わる可能性がある。
現在、大企業が「余った人材」を切り捨てる情けないニュースが目立つが、一方では働き手の不足に苦しむ業界(たとえば介護分野やITなど)も多く、アンバランスな状態になっている。人材がうまく流れれば、労働市場の現況もだいぶ改善されるであろう。多くの企業が求めているのは、かつて「金の卵」に期待されたハード面のスキルよりも、社会人として積み重ねたソフト面の経験だ。特に若い企業では、旧来の企業のような交渉能力を持つ人材が育っていない場合がある。企業の急激な成長と、社員のコミュニケーションスキルの向上を比例させるのは容易でなく、そこに外部からベテランを採用する余地があるわけである。
現在、大企業が「余った人材」を切り捨てる情けないニュースが目立つが、一方では働き手の不足に苦しむ業界(たとえば介護分野やITなど)も多く、アンバランスな状態になっている。人材がうまく流れれば、労働市場の現況もだいぶ改善されるであろう。多くの企業が求めているのは、かつて「金の卵」に期待されたハード面のスキルよりも、社会人として積み重ねたソフト面の経験だ。特に若い企業では、旧来の企業のような交渉能力を持つ人材が育っていない場合がある。企業の急激な成長と、社員のコミュニケーションスキルの向上を比例させるのは容易でなく、そこに外部からベテランを採用する余地があるわけである。