「ブラック企業」ならぬ「ブラックバイト」は、2013年、中京大教授の大内裕和(おおうち・ひろかず)氏が提唱した言葉である。過酷な長時間労働でがんじがらめにしたり、正社員に任せるような高度すぎる仕事内容だったり。とにかく「バイト」の域を逸脱している。学生だというのに、試験前ですら休みを許さない事例も多いとか。
では、なぜそこまでしてきついバイトを続けるのか? 背景には、学費の支払いにも事欠くような経済事情がある。かつてのアルバイトは、学業をおろそかにし、小遣い稼ぎに「うつつを抜かす」といった文脈でよく語られたものだが、昨今は当てはまらぬことも多い。親に最低限の仕送りの余裕しかないのである。多くの経営者たち、特にバブル期を過ごした輩には、自分が若いころよりもいまの学生が苦労している認識がない。
さらに、いわゆる「フリーター」が増加している現況では、そもそものバイトの選択肢が限られている。あまりに厳しすぎるバイトでも、「次」が見つけられるかどうかの不安から辞められない……という声もあるのだ。2013年9月、法政大学の学生らが「首都圏学生ユニオン」を設立した。バイト先との交渉などを助ける「労働組合」である。学生を取り巻く労働環境が、この数年で激変したことの現れと言える。
では、なぜそこまでしてきついバイトを続けるのか? 背景には、学費の支払いにも事欠くような経済事情がある。かつてのアルバイトは、学業をおろそかにし、小遣い稼ぎに「うつつを抜かす」といった文脈でよく語られたものだが、昨今は当てはまらぬことも多い。親に最低限の仕送りの余裕しかないのである。多くの経営者たち、特にバブル期を過ごした輩には、自分が若いころよりもいまの学生が苦労している認識がない。
さらに、いわゆる「フリーター」が増加している現況では、そもそものバイトの選択肢が限られている。あまりに厳しすぎるバイトでも、「次」が見つけられるかどうかの不安から辞められない……という声もあるのだ。2013年9月、法政大学の学生らが「首都圏学生ユニオン」を設立した。バイト先との交渉などを助ける「労働組合」である。学生を取り巻く労働環境が、この数年で激変したことの現れと言える。