日本をはじめとする先進諸国に蔓延する、近年の「なんでもかんでもダイエット!」的な風潮のアンチテーゼとして、昨今なかば無理矢理気味にもてはやされているのが、ややポッチャリ型の女子。

 たとえば、女性向けビューティ雑誌『VoCE』(講談社)で、「ポッチャリとボンキュッボンの中間型=ポニョ」として特集・推奨されたり、モテ(たい)系20代女性向けファッション雑誌『CanCam』(小学館)誌面で、「ぷに子」として、あえてモデルに起用したり……と、発信側の全身全霊をかけた苦心・工夫を経て、さまざまなネーミングに枝分かれしている。

 だが最近は、これらのすべてに共通する「ややポッチャリ型」の「やや」がなくなった「単なるポッチャリ型→小太り」な女子までもが「自然なまんまのアタシが一番!」と開き直りはじめてきた感が否めず、どちらかと言えば否定的なニュアンスで、そういう“油断脂肪”をとらえた反動のタームが「プヨ」ではないか、と筆者はにらんでいる。

 いずれにせよ、個人の主観にかなりの部分が委ねられる“基準”であり、デブ専の御仁から見れば、「体重100kg=ややぽっちゃり」「体重120kg=小太り」だったりもするので、我々がとやかく言う問題ではないようだ。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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