総務省が敬老の日にちなんで発表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は約3296万人で、総人口に占める割合は25.9%(2014年9月15日現在推計)。前年と比べると、111万人も増加した。高齢化率の高まりとともに、深刻な状況になっているのが高齢者の交通事故だ。
警察庁の交通事故統計では、2014年1月末の交通事故死亡者数は355人で、そのうちの54.6%が65歳以上の高齢者だ。人口10万人あたりの死亡者数も、全年齢層の平均が0.28人なのに対して、65歳以上は0.63人で、他の年齢層に比べると高い割合を示している。事故の状態別では、歩行中が圧倒的に多いが、その次に多いのが車の運転中の事故だ。運転の操作ミス、一時停止をし忘れる、通行区分違反が、高齢ドライバーの死亡事故の特徴と言われている。
こうした高齢ドライバーによる交通事故を防ぐために、警視庁や各県警では、運転に自信がなくなったり、家族から運転をすることを心配されたりしている高齢者に対して、免許証を自主的に返納し、車の運転から引退することを勧めている。
だが、運転免許証がなくなると、車の運転ができなくなるだけではない。免許証は、銀行や証券会社の口座開設をしたり、さまざまな施設の会員になったりするときに、身分証明書としての役割も果たしているため、自主返納したくないという人もいる。
そこで、警視庁や各県警では、有効期限内に運転免許を返納した人に対して、過去の運転経歴を証明し、身分証明書の代わりになる「運転経歴証明書」を交付している。申請先は、運転免許試験場や免許更新センター、各警察署で、期限は自主返納した日から5年以内。発行手数料は1000円となっている。
この運転経歴証明書を見せると、自主返納サポート協議会に加盟している金融機関、ホテル、娯楽施設などで、料金の割引などのサービスを受けることができる。 「もう車は乗らないけれど、身分証明書はもっておきたい」という人は、自主返納したあとで運転経歴証明書を発行してもらうといいだろう。
しかし、地方などでバスや電車など公共の交通機関が少ない地域は、車がなければ日々の買い物や医療機関の受診もままならなくなってしまう。かわりに運転してくれる家族が同居していればいいが、核家族化が進んだ現代ではそれも難しい。
運転免許証の自主返納によって、交通事故を減らせても、それが高齢者の孤立化につながり、うつや認知症などを発症させてしまっては本末転倒だ。
自主返納を勧めたいなら、運転経歴証明書の発行だけではなく、同時に高齢者の足を確保するための公共の交通手段を、自治体などと協力しながら提供していく必要もある。
警察庁の交通事故統計では、2014年1月末の交通事故死亡者数は355人で、そのうちの54.6%が65歳以上の高齢者だ。人口10万人あたりの死亡者数も、全年齢層の平均が0.28人なのに対して、65歳以上は0.63人で、他の年齢層に比べると高い割合を示している。事故の状態別では、歩行中が圧倒的に多いが、その次に多いのが車の運転中の事故だ。運転の操作ミス、一時停止をし忘れる、通行区分違反が、高齢ドライバーの死亡事故の特徴と言われている。
こうした高齢ドライバーによる交通事故を防ぐために、警視庁や各県警では、運転に自信がなくなったり、家族から運転をすることを心配されたりしている高齢者に対して、免許証を自主的に返納し、車の運転から引退することを勧めている。
だが、運転免許証がなくなると、車の運転ができなくなるだけではない。免許証は、銀行や証券会社の口座開設をしたり、さまざまな施設の会員になったりするときに、身分証明書としての役割も果たしているため、自主返納したくないという人もいる。
そこで、警視庁や各県警では、有効期限内に運転免許を返納した人に対して、過去の運転経歴を証明し、身分証明書の代わりになる「運転経歴証明書」を交付している。申請先は、運転免許試験場や免許更新センター、各警察署で、期限は自主返納した日から5年以内。発行手数料は1000円となっている。
この運転経歴証明書を見せると、自主返納サポート協議会に加盟している金融機関、ホテル、娯楽施設などで、料金の割引などのサービスを受けることができる。 「もう車は乗らないけれど、身分証明書はもっておきたい」という人は、自主返納したあとで運転経歴証明書を発行してもらうといいだろう。
しかし、地方などでバスや電車など公共の交通機関が少ない地域は、車がなければ日々の買い物や医療機関の受診もままならなくなってしまう。かわりに運転してくれる家族が同居していればいいが、核家族化が進んだ現代ではそれも難しい。
運転免許証の自主返納によって、交通事故を減らせても、それが高齢者の孤立化につながり、うつや認知症などを発症させてしまっては本末転倒だ。
自主返納を勧めたいなら、運転経歴証明書の発行だけではなく、同時に高齢者の足を確保するための公共の交通手段を、自治体などと協力しながら提供していく必要もある。