「Special（＝スペシャル）」や「Superior（＝優れた）」の「S」ではない。おもにチェーン系飲食店ばかりを選り好んで喫茶や食事や飲酒を済ます人たちのことを指す。

　「S」の意味は、「Safety（＝セーフティ）」だとも「スターバックスコーヒー（あるいはサンマルクカフェ）」だとも言われているが、いずれにせよ「自分だけのとっておきのお店を探すのが面倒臭い→大手がバックについているお店なら味の当たり外れが少ない」という、基本的には“味”に対する興味が薄い、低リスクな店選びを信条とする人種に多いとされている。

　「それって、全然グルメじゃないじゃん！」との指摘もささやかれるが、こういう人たちはこういう人たちなりに、吉野家と松屋の牛丼の違いを訥々（とつとつ）と語ったり、「どこどこ駅前にあるマックはポテトがホカホカ」だとか、「どこどこ駅に二つあるスタバは西口より東口のほうが香りが高い」だとか、それなりのウンチクを語ったりするのがやっかいだ。

　最近のチェーン系飲食店は、オール禁煙が主流になりつつあるので、S級グルメは嫌煙家が比較的多かったりする。愛煙家にとって、「とっておきのお店」は、もはや「心おきなく煙草が吸えるお店」なのである。

【類似語】　埼玉S級グルメ