2014年に日本を訪れた外国人旅行者が前年比29.4%増の約1341万人と2年連続で最高を更新した。太田昭宏国土交通大臣が1月20日に発表した。大きな伸びを示した背景には、円安で日本への旅行や買い物に割安感が出ていることに加え、観光ビザの免除・緩和や消費税免税品目の対象拡大があるという。政府は、15年は1500万人を突破すると見込んでいる。

 国・地域別で見るとベスト3は(1)台湾283万人(28.0%増)(2)韓国276万人(12.2%増)(3)中国241万人(83.3%増)の順。尖閣諸島をめぐる対立で落ち込んだ中国が大きく回復したことがわかる。

 政府は東京オリンピックが開催される2020年に2000万人の訪日客を目標に掲げており、太田大臣は「目標の達成が現実味を帯びてきた」と胸を張る。

 ただ、そのためには地方の観光地への誘致が課題だ。いわゆる東京、箱根・富士山、京都、大阪といった「ゴールデンルート」に訪日客の旅行先が偏っているとの指摘が少なくない。第二、第三のゴールデンルートの開発が必要なのは言うまでもない。例えば北陸新幹線の金沢延伸(2015年3月)で交通利便が増した長野~北陸ルートなどはどうか。

 訪日客誘致に向け、宿泊施設の整備、外国語対応のできる人材の育成など、やっておくべき施策もあるようだ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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