2015年度の税制改正で創設が決定したジュニアNISA。実際に利用できるようになるのは2016年4月からだが、銀行や証券会社ではすでに口座獲得のためのキャンペーン合戦が始まっている。
NISA(ニーサ)は、イギリスのISA(イーサ、個人用貯蓄口座)を参考に、日本で2014年1月にスタートした少額投資非課税制度。
通常、株式や投資信託などの利益には20%の税金がかかるが、NISA口座で運用している投資商品に関しては非課税になる。利用できるのは日本で暮らす20歳以上の人で、投資上限額は年間100万円まで。制度が使えるのは2023年までの10年間だが、非課税になるのは投資した年から最長5年間だ。
たとえば、100万円で買った株が値上がりして1000万円になった場合、本来なら180万円(利益900万円×20%)の税金がかかる。しかし、NISA口座を利用すれば、1円も税金を納めなくてよいので、口座開設をした人もいるだろう。
だが、実際に利用しているのは中高年がほとんどで、20~30代の利用者は10%程度だ。そこで、投資の裾野を若者にも広げて、高齢者に偏在している金融資産を若年層に移転させるために、2016年度から「ジュニアNISA」がスタートすることになった。
子どもや孫名義のNISA口座に、親や祖父母などが運用資金を拠出することで、高齢世帯から若者世帯への資産移転が進むことが期待されている。
ジュニアNISAの概要は次の通り。
対象年齢:0~19歳
年間投資上限額:80万円
非課税投資総額:最大400万円(80万円×5年間)
対象商品:上場株式、公募投資信託など
投資期間:2023年まで
非課税期間:投資した年から最長5年
運用管理:親権者が代理運用し、18歳まで払い出し不可
大人のNISAは、期間中の売却など払い出しに制限はないが、ジュニアNISAは親権者が簡単にお金を引き出すことを防止するために、原則的に18歳までは払い出せないようになっている。払い出し制限期間中に、途中でお金を引き出すと非課税優遇は受けられないので注意が必要だ。
また、親や祖父母が、子どもや孫のNISA口座にお金を拠出した場合は、暦年贈与の範囲内でカウントされる(単年度での非課税枠110万円を超えた贈与分に贈与税が課税される)。その他の贈与や相続との兼ね合いも考えて、総合的に判断して利用するようにしたい。
この改正に合わせて、大人のNISAの投資上限額も2016年から年間120万円に引き上げられるため、金融機関の口座獲得キャンペーンはますます激化しそうだ。
だが、いくら非課税枠があるからといって、NISA口座で運用するものは投資商品だ。市場の動向によっては、大幅に値下がりする可能性もある。
子どもの教育資金を貯めるのが目的なら、ほかにも預貯金、こども保険(学資保険)などもある。NISAを利用する前にはリスクについても調べた上で、その他の金融商品と比較しながら上手に活用するようにしたい。
NISA(ニーサ)は、イギリスのISA(イーサ、個人用貯蓄口座)を参考に、日本で2014年1月にスタートした少額投資非課税制度。
通常、株式や投資信託などの利益には20%の税金がかかるが、NISA口座で運用している投資商品に関しては非課税になる。利用できるのは日本で暮らす20歳以上の人で、投資上限額は年間100万円まで。制度が使えるのは2023年までの10年間だが、非課税になるのは投資した年から最長5年間だ。
たとえば、100万円で買った株が値上がりして1000万円になった場合、本来なら180万円(利益900万円×20%)の税金がかかる。しかし、NISA口座を利用すれば、1円も税金を納めなくてよいので、口座開設をした人もいるだろう。
だが、実際に利用しているのは中高年がほとんどで、20~30代の利用者は10%程度だ。そこで、投資の裾野を若者にも広げて、高齢者に偏在している金融資産を若年層に移転させるために、2016年度から「ジュニアNISA」がスタートすることになった。
子どもや孫名義のNISA口座に、親や祖父母などが運用資金を拠出することで、高齢世帯から若者世帯への資産移転が進むことが期待されている。
ジュニアNISAの概要は次の通り。
対象年齢:0~19歳
年間投資上限額:80万円
非課税投資総額:最大400万円(80万円×5年間)
対象商品:上場株式、公募投資信託など
投資期間:2023年まで
非課税期間:投資した年から最長5年
運用管理:親権者が代理運用し、18歳まで払い出し不可
大人のNISAは、期間中の売却など払い出しに制限はないが、ジュニアNISAは親権者が簡単にお金を引き出すことを防止するために、原則的に18歳までは払い出せないようになっている。払い出し制限期間中に、途中でお金を引き出すと非課税優遇は受けられないので注意が必要だ。
また、親や祖父母が、子どもや孫のNISA口座にお金を拠出した場合は、暦年贈与の範囲内でカウントされる(単年度での非課税枠110万円を超えた贈与分に贈与税が課税される)。その他の贈与や相続との兼ね合いも考えて、総合的に判断して利用するようにしたい。
この改正に合わせて、大人のNISAの投資上限額も2016年から年間120万円に引き上げられるため、金融機関の口座獲得キャンペーンはますます激化しそうだ。
だが、いくら非課税枠があるからといって、NISA口座で運用するものは投資商品だ。市場の動向によっては、大幅に値下がりする可能性もある。
子どもの教育資金を貯めるのが目的なら、ほかにも預貯金、こども保険(学資保険)などもある。NISAを利用する前にはリスクについても調べた上で、その他の金融商品と比較しながら上手に活用するようにしたい。