ムラサキシキブ(紫式部)はクマツヅラ科の落葉低木で、湿り気のある雑木林を好み、京都を囲む里山でよくみかける植物である。漢名は紫の実の様子から「紫珠」という。学名はCallicarpa japonica(カリカルパ・ヤポニカ)。「日本の美しい果実」という意味だ。さらにいえば、花言葉は「愛され上手」、「聡明な女性」。学名からこれだけ褒められている植物を、ほかには思いつかない。
高いものならば、3メートルほどにも生長するだろうか。6月ごろに淡い紫色の花を咲かせ、秋には小粒の実がたわわに実る。実はやや赤みを含んだ渋い紫色で、この色が紫式部という、日本の伝統色になっている。江戸期以前は「ムラサキシキミ(紫重実)」と呼ばれていた。紫色の実の群がるような美しさが、源氏物語の作者である紫式部を連想させるので、江戸時代になってから「ムラサキシキブ」と呼ばれるようになったそうである。
紫といえば、京都を象徴する色でもある。「日に映じて、山は紫に、澄んだ水は清くはっきりと見えること。」(『日本国語大辞典』)を意味する山紫水明ということばが、京都の紫色の由来となっている。最近では、Jリーグの京都パープルサンガのチームカラーが紫(パープル)であり、名称の一方の「サンガ」には、サンスクリット語の「群れ」という意味と、美しい「山河」という音と意味が重ねられている。サッカーチームといえども案外、古典的な意味からネーミングされたわけである。
ムラサキシキブ(上)を見つけたものの、まだ色が紫になっていなかった。そのため、庭木に多く、ほぼ同じ色になるコムラサキ(下)を一緒に掲載する。コムラサキは、ムラサキシキブより枝も葉も小ぶりで、葉先の半分ほどしかギザギザがないところで見分けている。
高いものならば、3メートルほどにも生長するだろうか。6月ごろに淡い紫色の花を咲かせ、秋には小粒の実がたわわに実る。実はやや赤みを含んだ渋い紫色で、この色が紫式部という、日本の伝統色になっている。江戸期以前は「ムラサキシキミ(紫重実)」と呼ばれていた。紫色の実の群がるような美しさが、源氏物語の作者である紫式部を連想させるので、江戸時代になってから「ムラサキシキブ」と呼ばれるようになったそうである。
紫といえば、京都を象徴する色でもある。「日に映じて、山は紫に、澄んだ水は清くはっきりと見えること。」(『日本国語大辞典』)を意味する山紫水明ということばが、京都の紫色の由来となっている。最近では、Jリーグの京都パープルサンガのチームカラーが紫(パープル)であり、名称の一方の「サンガ」には、サンスクリット語の「群れ」という意味と、美しい「山河」という音と意味が重ねられている。サッカーチームといえども案外、古典的な意味からネーミングされたわけである。
ムラサキシキブ(上)を見つけたものの、まだ色が紫になっていなかった。そのため、庭木に多く、ほぼ同じ色になるコムラサキ(下)を一緒に掲載する。コムラサキは、ムラサキシキブより枝も葉も小ぶりで、葉先の半分ほどしかギザギザがないところで見分けている。