政府の成長戦略の一つ。2014年度全都道府県にそれぞれ導入された。正式には「農地中間管理機構」という。小規模農家から農地を借り上げ、まとめて大規模農家や企業などに貸し出す。

 農業を巡っては、2016年中にもTPP(環太平洋経済連携協定)の発効が見込まれており、農地集積バンクはTPP対策の側面もある。安倍政権は「農地集積バンクを活用し、大規模農家や企業に農地を集約すれば、農業生産性が増し、国際競争力も強化できる」と期待を寄せる。

 もっとも、導入初年度である2014年度の貸し出し実績は面積にして2.4万ヘクタールと目標(15万ヘクタール)の16%にとどまっている。2015年度については、8万ヘクタールと大幅に伸びる見通しだが、それでも目標の半分を超えた程度だ。

 導入を後押しするため、政府は2016年度から貸し出した農家の固定資産税を半分に減らすとともに、遊休農地への課税を現行の約1.8倍に強化する方針だ。

 「攻めの農業」がキャッチフレーズの安倍政権だが、そうした税制的な施策とともに、意欲を持って農業に携わる人材を育成する施策も必要ではないか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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