「おんせん県おおいた」の看板をひっさげ、アグレッシブな情報発信を続けている大分県。2013年から毎年ユニークなテレビCMを製作し、全国的な話題となっているが、昨年発表の第3弾がとんでもなかった。県内の有名な温泉11か所を舞台に繰り広げられるシンクロナイズドスイミング、名付けて「シンフロ」である。

 風呂ではお行儀よくすべきでは、実際にマネする者が現れては困る、といった反応も各所であっただろうが、そうした声も黙らせてしまうほど「本気」の映像である。演者は、シドニー五輪やアトランタ五輪でメダルを獲得した藤井来夏(ふじいらいか)氏のチーム「RAIKA ENTERTAINMENT」のメンバー。とり天やかぼすといった名産品が振り付けのモチーフとなっているらしい(のだが、どの部分がそうなのか実際に見ても難しかった……)。ちなみに、BGMは大分県出身の滝廉太郎の『花』をアレンジしたもので、湯に入る際の音など、県内各所で録音されたご当地サウンドが取り込まれている。

 公式サイトでは、CMで使われた部分以外も見どころ満載の2分33秒のフルバージョンの動画を見ることができる。一昨年は11億円以上の経済効果が発表された「おんせん県」CM。今回も成果が期待できそうである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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