ツイッターやブログなど、SNSにアップする写真で、メインの被写体とは別の「真の自慢ポイント」を写り込ませる行為のことを指す。肘やら膝やらの「関節」を自慢することではない。

 クルマの中から撮った東京タワーの写メに、さりげなくフェラーリやカウンタックなんかのエンブレムなどを写り込ませたり、ディナーの料理写真に、さりげなく美女っぽい(発信者が女性なら美男っぽい)同伴者を写り込ませたりするのが常套であるらしい。

 博報堂『ブランドデザイン若者研究所』のリーダー・原田曜平氏は「現在のソーシャルな関係性の場では、個人の中に『自慢はしたい』が『あからさまに目立ちたくはない』といった心理が強く働く」ことが“間接自慢現象”の原因だと語っているが、こういう回りくどい自慢の仕方をされたら、単に“嫌な奴度”が際立つだけで、それなら「オレの愛車フェラーリ!」「オレの彼女むっちゃキレイっしょ!」……と堂々自慢していただいたほうが、まだ第三者としては気持ちが良いと思うのは、はたして筆者だけであろうか?

 そもそもSNSとは、突き詰めると「誰でも気軽に俺(私)自慢できるパーソナルなメディア」であることが最大の特性なのだから、そこはむしろ開き直るべき。「このクルマ、もしかしてフェラーリ?」だとか「お隣の美人サンは、もしかして彼女サン?」だとかのコメントを間接強要するような、ヘンな気の使わせ方を閲覧者にさせるのは、お願いだからやめていただきたい!
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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