北海道新幹線(新青森―新函館北斗間、149キロ)が2016年3月26日、開業した。

 新青森で東北新幹線と接続し、東京―新函館北斗間は最速の「はやぶさ」号で4時間2分で結ばれる。「はやぶさ」は東京―新函館北斗間を1日10往復、繁忙期は臨時列車を含めて13往復まで増強する。気になる運賃は普通車指定席(通常期)で東京―新函館北斗間で2万2690円。同じく仙台―新函館北斗間が1万7310円。

 これで我が国の新幹線は南の九州・鹿児島から北の北海道・函館までつながった。1973年の新幹線整備計画決定から43年。北海道新幹線は2005年5月に着工し、これまで約5500億円の総工費をかけた。2030年度末には札幌までの開業を予定している。

 北海道新幹線の開業により、経済面ではとくに東北と北海道がビジネス、観光などで交流促進が進みそうだ。とくに東北の中心地・仙台との間の経済効果に期待が大きい。

 ただ、懸念もある。北海道新幹線は運行本数が少なく寒冷地を走るため雪対策など維持費もかかる。そのため、年約50億円の赤字が見込まれているのだ。運営するJR北海道はもともと赤字体質で今後、不採算路線の廃止などさらなる経営合理化を迫られる可能性がある。古都・金沢、能登半島、加賀温泉郷など北陸新幹線には有力な観光資源があるが、北海道新幹線もそれに匹敵するものを開発しなければならないだろう。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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