浄土宗の大本山、百万遍知恩寺(左京区)は、法然上人の住んだ賀茂の河原屋に起源をもち、数珠繰りの発祥地としても有名な寺である。毎月15日は恒例の手作り市が、広い境内を利用して催されている。昔から「門前、市をなす」と言うが、京都は縁日でも有名な土地柄である。なかでも、南の東寺の「弘法さん(毎月21日)」、西の北野の「天神さん(毎月25日)」がよく知られている。では東はどこかといえば、ここ知恩寺の「手作り市」と言って間違いない。
知恩寺手作り市が始まってから、まもなく30年になるそうだ。まだ歴史が長くはないものの、手作り市としては草分けであり、全国的にも知恩寺が発祥地と言われている。もとは京大に隣接する立地を生かし、付近の古書店が催していた文化の日の古本市が基盤になっている。だから、知恩寺の「手作り市」の発案者は、古書店組合のプロデューサーである。
現在は毎月400店舗を超える出展者が集まり、応募はその倍以上にのぼる。手作りでつくられたもの以外を販売してはいけないルールで、一般的な縁日やフリーマーケットで見られるような仕入れた食品や骨董品などを売ることはできない。その分、自家焙煎の珈琲、食材からこだわった飲み物や菓子に食べ物をはじめ、陶芸、木工品、洋服、アクセサリーなどがごった返すように集まり、独特の面白みが醸し出されている。
京都市内には物づくりを生業とした人や、芸術系の学生が多いうえ、周辺の山村には歴史的に京都を消費地としてきた生産地がたくさんある。そんな地の利が質のよい手づくり品の集まる土壌をつくっている。市内には手作り市から生まれた人気店がいくつもあって、開業を志す人の登竜門のような存在にもなっている。
知恩寺手作り市が始まってから、まもなく30年になるそうだ。まだ歴史が長くはないものの、手作り市としては草分けであり、全国的にも知恩寺が発祥地と言われている。もとは京大に隣接する立地を生かし、付近の古書店が催していた文化の日の古本市が基盤になっている。だから、知恩寺の「手作り市」の発案者は、古書店組合のプロデューサーである。
現在は毎月400店舗を超える出展者が集まり、応募はその倍以上にのぼる。手作りでつくられたもの以外を販売してはいけないルールで、一般的な縁日やフリーマーケットで見られるような仕入れた食品や骨董品などを売ることはできない。その分、自家焙煎の珈琲、食材からこだわった飲み物や菓子に食べ物をはじめ、陶芸、木工品、洋服、アクセサリーなどがごった返すように集まり、独特の面白みが醸し出されている。
京都市内には物づくりを生業とした人や、芸術系の学生が多いうえ、周辺の山村には歴史的に京都を消費地としてきた生産地がたくさんある。そんな地の利が質のよい手づくり品の集まる土壌をつくっている。市内には手作り市から生まれた人気店がいくつもあって、開業を志す人の登竜門のような存在にもなっている。