今年の4月1日に、カルビーから“新商品”として発表されたポテトチップスのこと。世界最笑のワライダケから摂れる成分「ワライガトマランゴ」が配合されており、「食べたら笑いが止まらなくなる?」らしい──

 カルビー側の弁だと、当初は架空の商品としてエイプリルフールのネタにすぎなかったのが、話題として盛り上がったこと、商品化の要望が多かったことから、本物の商品として発売する流れになったのだそう(※ただし「ワライガトマランゴ」は配合されていない)。

 4月18日から早くも全国のコンビニの棚に並ぶという迅速な動きをなぞるかぎり、エイプリルフールの“ウソ”はアドバルーン的な役割で、ある程度“本当の発売”を想定した上での凝ったプロモーション活動だったのでは……と、つい穿った見方もしてしまうが、少なくともこのデマによって筆者が迷惑を被ったわけでもなく、それなりの結果も出しているのだから、「企業努力の一環」として片付けてもよいクラスの“可愛い情報操作”だと言えよう。

 しかし、“企業レベルでつくエイプリルフールのウソ”は年々エスカレート、すなわち「巧妙で大がかり」となってきており、その「今年もやっちゃいました」的な悪ノリ感が少々鼻につき出し、またGoo○leのように“実害”を及ぼしはじめてきているのもまた事実。ネット上に氾濫する有象無象の情報の真贋を見極めることが至難となりつつある昨今、もはやエイプリルフールはホワイトデーに匹敵するくらい“要らない日”だと筆者個人は思うのだが、いかがだろう?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
ジャパンナレッジとは

ジャパンナレッジは約1700冊以上(総額750万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題のインターネット辞書・事典サイト。
日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。

ジャパンナレッジ Personal についてもっと詳しく見る