「忍者ゆかりの地」であることは、自治体にとって望外の価値を持つ財産だったようだ。いま、忍者をキーワードとした地域のPR活動が盛んになっている。

 愛知県は今年、観光客に向けたPR集団「徳川家康と服部半蔵忍者隊」の新規メンバーを募集。この企画は、「役所から月給をもらう忍者」になれると、海外のネットニュースでも話題になったそうだ。結果、初の外国人メンバーが誕生している。忍者をPRに駆り出すことは、昨今の経済戦略で注視される、外国人観光客の獲得に有効と考えられている。

 伊賀流忍者観光推進協議会は昨年、英語ナレーションによる映像を作成。本物の手裏剣や鎖鎌を使った迫力あるアクションが展開され、動画サイトでの再生回数もまずまずといったところだ。さらに、伊賀忍者を輩出した三重県、甲賀忍者を輩出した滋賀県などが発起人となって、「日本忍者協議会」も設立された。これまで各地域ごとに広報活動を行なっていた忍者のネットワークが誕生することで、新たな展開も生まれそうだ。協議会の存在は、外国人が閲覧する日本総合情報サイト「All About Japan」でも紹介されている。「NINJA」は、さらに世界の人気者となるのだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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