めおとだき(夫婦炊き)は、お揚げとお焼きを、だし、醤油、砂糖で甘辛く炊き合わせた、古くからのおばんざいの一つである。お揚げとは油揚げのことで、お焼きは焼き豆腐のこと。豆腐からつくられた種類違いの材料を合わせて調理される料理なので、「めおとだき」と呼ばれている。
昔の京都の人は「おかずに困ったら、めおとだき」と、よく言っていたそうだ。なんでもない普段のおばんざいなのだが、京都ではおとふやさん(豆腐屋)で、炭火で焼いた焼き豆腐を買えるところがあるので、ちょっとした贅沢が自宅でも味わえる。
また、「めおとだき」は食材同士の相性に優れた「であいもん」の代表としても好まれている。以前、祇園の平野屋本家(東山区)で、名物の「いもぼう」をいただいたとき、棒鱈(ぼうだら)と海老芋を最初からだしで一緒に炊き合わせており、この調理法を「めおとだき」と呼んでいる、という話を聞いた。それぞれ癖の強い食材なので、別々に煮てから盛り合わせるのが常識であろうが、「いもぼう」の場合、芋の灰汁(あく)が棒鱈を柔らかくし、芋と煮ることで棒鱈は煮崩れしにくくなるのだという。
最近はいろいろな食材を組み合わせ、「めおとだき」と献立に記している店をよく見かけるが、さて、歴史に育まれた「夫婦」の絆に勝る料理があるものだろうか。
昔の京都の人は「おかずに困ったら、めおとだき」と、よく言っていたそうだ。なんでもない普段のおばんざいなのだが、京都ではおとふやさん(豆腐屋)で、炭火で焼いた焼き豆腐を買えるところがあるので、ちょっとした贅沢が自宅でも味わえる。
また、「めおとだき」は食材同士の相性に優れた「であいもん」の代表としても好まれている。以前、祇園の平野屋本家(東山区)で、名物の「いもぼう」をいただいたとき、棒鱈(ぼうだら)と海老芋を最初からだしで一緒に炊き合わせており、この調理法を「めおとだき」と呼んでいる、という話を聞いた。それぞれ癖の強い食材なので、別々に煮てから盛り合わせるのが常識であろうが、「いもぼう」の場合、芋の灰汁(あく)が棒鱈を柔らかくし、芋と煮ることで棒鱈は煮崩れしにくくなるのだという。
最近はいろいろな食材を組み合わせ、「めおとだき」と献立に記している店をよく見かけるが、さて、歴史に育まれた「夫婦」の絆に勝る料理があるものだろうか。