おもに若者が用いる言葉で、「神がかっている状態」を意味する。会話をより簡潔化するため、SNSなどで「神がかっている」という単語を使う際3文字打つ手間を省くために“自然省略”され、生まれた造語かと推測される。

 最近では、大型連勝を果たした、しかもその間に2連続サヨナラ弾を放った鈴木誠也外野手が所属する『広島東洋カープ』の代名詞的扱い(※名詞ではなく動詞だが)となりつつあるが、「神」の文字をチーム名の中に擁する我が『阪神タイガース』に、この「神ってる」が適用されないのが、なんとなく淋しいかぎりである。このままだと、あらゆる勝負事で全然勝てない状態のことを「(阪)神(がか)って(い)る」とされてしまうのでは……といった一抹の不安さえよぎってしょうがない。

 それにしても、「ネ申(ねもうす)」だとか「神セブン」だとか……AKB48がブレイクし始めたころからの、やたら神様が安売りされる傾向を苦々しく感じるのは、はたして筆者だけであろうか? たとえ、多くの日本人が特定の宗教にのめりこむ慣習を持たないにしても、さすがにこれじゃあ、あまりに神様のありがたみがなさすぎだと思うのだが? 
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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