人は、本を読むことで他者の暮らしを追体験し、自分の経験だけでは知りえなかったことを知る。
「生きている図書館」は、紙やウェブの本ではなく、「今、ここで生きている人」を貸し出して、直接対話することで、他者の人生を追体験し、偏見や差別をなくしていこうという試み。2000年に、デンマークのコペンハーゲンで開かれたロックフェスで、非暴力を訴える若者たちが企画したのが始まり。
障害のある人、ホームレス、異教徒、難民、LGBT(性的少数者)など、マイノリティーと言われる人々を「生きている本」として招き、参加者は希望する「本=人」を借りて、少人数で30分程度対話をする。
実際に話を聞くことで、ただ見ているだけではわからないマイノリティーの苦労や思いを知り、誤解や偏見の解消につなげるのが目的だ。
「生きている本」である人々も、さまざまな質問がくることを理解しているため、参加者は日常では「こんなこと聞いても大丈夫かな」と尻込みしてしまうことも、躊躇なく聞くことができる。直接踏み込んだ話ができるため、マイノリティーの深い理解につながるのだ。
その後、この試みは世界に広がり、市民団体や学生などが中心となり、70か国以上で開催されるに至っている。
日本では、2008年12月に、東京大学先端科学技術研究センター内にあるリビング・ライブラリー・ジャパンが、はじめて「生きている図書館」を開催。その後、この試みは全国に広がり、市民にも「生きている図書館」を開放する大学などが増えてきている。
どんな思いを抱えているのか。どんな苦労があったのか。
人は、自ら経験しなければ、本当のところはわからない。彼らの人生をすべて理解することなどは不可能だ。
だが、直接対話をし、当事者と触れ合うことで、これからの社会をよりよいものにする方法を一緒に考えることはできるはずだ。
日本では、国籍の違う人や貧困のなかにある人など、社会的少数者へのヘイトスピーチが大きな問題となっているが、根源には他者への無理解がある。こうした無理解をなくすためには、対話が必要だ。
人々が多様性を認め合い、社会的少数者を包摂してともに生きていくために、「生きている図書館」のさらなる広がりを期待したい。
「生きている図書館」は、紙やウェブの本ではなく、「今、ここで生きている人」を貸し出して、直接対話することで、他者の人生を追体験し、偏見や差別をなくしていこうという試み。2000年に、デンマークのコペンハーゲンで開かれたロックフェスで、非暴力を訴える若者たちが企画したのが始まり。
障害のある人、ホームレス、異教徒、難民、LGBT(性的少数者)など、マイノリティーと言われる人々を「生きている本」として招き、参加者は希望する「本=人」を借りて、少人数で30分程度対話をする。
実際に話を聞くことで、ただ見ているだけではわからないマイノリティーの苦労や思いを知り、誤解や偏見の解消につなげるのが目的だ。
「生きている本」である人々も、さまざまな質問がくることを理解しているため、参加者は日常では「こんなこと聞いても大丈夫かな」と尻込みしてしまうことも、躊躇なく聞くことができる。直接踏み込んだ話ができるため、マイノリティーの深い理解につながるのだ。
その後、この試みは世界に広がり、市民団体や学生などが中心となり、70か国以上で開催されるに至っている。
日本では、2008年12月に、東京大学先端科学技術研究センター内にあるリビング・ライブラリー・ジャパンが、はじめて「生きている図書館」を開催。その後、この試みは全国に広がり、市民にも「生きている図書館」を開放する大学などが増えてきている。
どんな思いを抱えているのか。どんな苦労があったのか。
人は、自ら経験しなければ、本当のところはわからない。彼らの人生をすべて理解することなどは不可能だ。
だが、直接対話をし、当事者と触れ合うことで、これからの社会をよりよいものにする方法を一緒に考えることはできるはずだ。
日本では、国籍の違う人や貧困のなかにある人など、社会的少数者へのヘイトスピーチが大きな問題となっているが、根源には他者への無理解がある。こうした無理解をなくすためには、対話が必要だ。
人々が多様性を認め合い、社会的少数者を包摂してともに生きていくために、「生きている図書館」のさらなる広がりを期待したい。