若者に圧倒的な支持を受けているテレビ朝日系(AbemaTVでも配信)の『フリースタイルダンジョン』。「即興によるラップバトル」というスタイルの知名度を、一気に高めた番組である。その場で絶妙に韻を踏みつつリリック(歌詞)を紡ぐ、門外漢からすれば「高等技術」を、ニッポン人がやっている。エミネム主演の映画『8 Mile(エイトマイル)』の世界が、我が国でも根付いていたのか、という新鮮な驚きが、一般視聴者にはあったはずである。
だが、そもそも地上波放送でのフリースタイルは、非常にリスクが高いといえよう。相手を「ディスる」(編集部注:disrespectに由来したスラング。言葉遊びを交えながら相手をけなす行為をさす)ことが認められているラップでは、放送禁止用語が乱れ飛ぶ。倫理のストッパーをはずすことはアリなのだ。それをテレビだからといってあらかじめ制限するのは、いかにも不粋。これに対処すべく番組が発明したのが、「コンプラ」である。
コンプラとは「コンプライアンス」の略で、企業が社会的責任として法や倫理を遵守することを意味する。本来は正しいことなのだが、テレビ界においては、コンプライアンスにがんじがらめの現況が問題視されることも多い。おもしろいと思っても過激なことができない、窮屈だという現場の悩みだ。
『フリースタイルダンジョン』でのコンプラは、リリックの字幕が流れる際に、「まずい」言葉を隠すために使われる。そのためには、通常テレビで使われるように単に「××」などのマークでもいい。だが、あえてコンプラと示すことで、批評精神、あるいは反抗心のようなものが表現されるわけだ。ちなみに正しい英語の略語としてコンプラと表現することはないらしく、「変な略にしている」のも、おそらくコンプライアンスのディスりにつながっているのだろう。
だが、そもそも地上波放送でのフリースタイルは、非常にリスクが高いといえよう。相手を「ディスる」(編集部注:disrespectに由来したスラング。言葉遊びを交えながら相手をけなす行為をさす)ことが認められているラップでは、放送禁止用語が乱れ飛ぶ。倫理のストッパーをはずすことはアリなのだ。それをテレビだからといってあらかじめ制限するのは、いかにも不粋。これに対処すべく番組が発明したのが、「コンプラ」である。
コンプラとは「コンプライアンス」の略で、企業が社会的責任として法や倫理を遵守することを意味する。本来は正しいことなのだが、テレビ界においては、コンプライアンスにがんじがらめの現況が問題視されることも多い。おもしろいと思っても過激なことができない、窮屈だという現場の悩みだ。
『フリースタイルダンジョン』でのコンプラは、リリックの字幕が流れる際に、「まずい」言葉を隠すために使われる。そのためには、通常テレビで使われるように単に「××」などのマークでもいい。だが、あえてコンプラと示すことで、批評精神、あるいは反抗心のようなものが表現されるわけだ。ちなみに正しい英語の略語としてコンプラと表現することはないらしく、「変な略にしている」のも、おそらくコンプライアンスのディスりにつながっているのだろう。