トランプ政権の発足を受け、今後の日米の通商関係について話し合う枠組みとして設置された。

 日米それぞれの責任者は、麻生太郎副総理・財務大臣とペンス副大統領。2017年4月18日に初会合が開かれ、「貿易・投資ルール作り」「経済・構造政策分野での協力」「インフラ整備など分野別の協力」の3分野について協議していくことを確認した。

 日米経済対話を巡っては日米両国の思惑にズレがある。

 日本としては、日米の経済摩擦を避けるべく、「ウィン・ウィンの協調関係」(安倍晋三総理)を構築したいところ。一方の米国は日米の自由貿易協定の交渉に持ち込むことを狙う。実際、ペンス氏は初会合の記者会見で「日米も2国間の交渉に至るかもしれない」と強調した。

 そのため、今後は摩擦は避けられそうにない。とくに貿易分野だ。

 アメリカはトランプ大統領が掲げる「アメリカ第一主義」の旗の下、米国の利益を追求する構えを鮮明にしている。アメリカは莫大な対日貿易赤字を抱えており、その是正が大きな政策課題になっている。具体的には日本に対し、農産物の市場開放や自動車の輸入受け入れの拡大を迫る可能性がある。

 1980~90年代。日本はアメリカとの間の貿易摩擦で譲歩を重ねた経緯がある。確かに当時は関税障壁、非関税障壁が存在した。しかし、現在は日米双方とも経済構造は当時と比べて変わってきている。

 「トランプ政権が昔のままの理解で日本に譲歩を求めようとしたらそれは、勘違いだ」(財務省関係者)。

 日米経済対話の中で果たして日本は、アメリカの要求をかわすことができるだろうか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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