中国の習近平国家主席が2013年に提唱した巨大経済構想。(1)中国~欧州を結ぶ陸ルート(一帯)(2)インド洋やアフリカ東岸、アラビア半島沿岸部などを経て地中海に至る海上ルート(一路)──の二つからなる。
2017年5月に北京で開かれた国際協力サミットフォーラムには、ルートの沿線国を中心に130か国の代表が参加、「一帯一路」に関する協力文書を交わした国・組織が、68に達したという。
構想の柱は、沿線国の社会インフラ(道路や港湾、鉄道、エネルギー施設など)を中国の支援で整備することだ。その資金は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)と中国政府が拠出して設立した「シルクロード基金」が担う。
構想の狙いは、国際社会での中国の影響力を強め、米国主導の国際秩序に対抗することではないか。世界地図を見ると、ルートからは米国や日本がすっぽり抜け落ちていることがわかる。構想は、かつて東西をつないだ貿易ルート「シルクロード」をモデルにしたというが、政治的思惑が見え隠れしている。そのため、第2次大戦後、旧ソ連を中心とした共産主義勢力に対抗する形で米国主導で実施されたマーシャル・プラン(欧州復興計画)になぞらえる向きもある。
沿線国には中国マネーで社会インフラの整備ができることに期待感がある。だが、中国の政治的な思惑が出過ぎると逆に反発する声も出てきそうだ。
2017年5月に北京で開かれた国際協力サミットフォーラムには、ルートの沿線国を中心に130か国の代表が参加、「一帯一路」に関する協力文書を交わした国・組織が、68に達したという。
構想の柱は、沿線国の社会インフラ(道路や港湾、鉄道、エネルギー施設など)を中国の支援で整備することだ。その資金は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)と中国政府が拠出して設立した「シルクロード基金」が担う。
構想の狙いは、国際社会での中国の影響力を強め、米国主導の国際秩序に対抗することではないか。世界地図を見ると、ルートからは米国や日本がすっぽり抜け落ちていることがわかる。構想は、かつて東西をつないだ貿易ルート「シルクロード」をモデルにしたというが、政治的思惑が見え隠れしている。そのため、第2次大戦後、旧ソ連を中心とした共産主義勢力に対抗する形で米国主導で実施されたマーシャル・プラン(欧州復興計画)になぞらえる向きもある。
沿線国には中国マネーで社会インフラの整備ができることに期待感がある。だが、中国の政治的な思惑が出過ぎると逆に反発する声も出てきそうだ。