「たつこ姫伝説」で有名な秋田県の田沢湖には、かつてクニマスという固有種がいた。温泉水を含んだ川の水が注いだため、水が酸性となってしまい、戦前に絶滅の憂き目に遭っている。ところが2010年、富士五湖の一つ・西湖(さいこ)で約70年ぶりに生息が確認された。かつて田沢湖から移入された卵が生き残っていたのである。あの「さかなクン」が発見のきっかけになったことは、当時大きな話題となった。
田沢湖がある仙北(せんぼく)市では、野生のクニマスの復活を目指し、「死の湖」の汚名を返上すべく水を中和する作業が進められている。だが、いまだ多くの魚が棲めない状態で、実現はまだ先の話となりそうだ。一方で再発見の年から始まった「クニマス里帰りプロジェクト」も進んでいる。7月に「田沢湖クニマス未来館」という施設が開館するが、ここに山梨県水産技術センターで人工飼育されているクニマスのうち10匹が輸送されたのだ。漁の資料などとともに、大型水槽で展示される予定になっている。やがて本当の意味で、クニマスが湖に里帰りを果たす日を期待したい。
田沢湖がある仙北(せんぼく)市では、野生のクニマスの復活を目指し、「死の湖」の汚名を返上すべく水を中和する作業が進められている。だが、いまだ多くの魚が棲めない状態で、実現はまだ先の話となりそうだ。一方で再発見の年から始まった「クニマス里帰りプロジェクト」も進んでいる。7月に「田沢湖クニマス未来館」という施設が開館するが、ここに山梨県水産技術センターで人工飼育されているクニマスのうち10匹が輸送されたのだ。漁の資料などとともに、大型水槽で展示される予定になっている。やがて本当の意味で、クニマスが湖に里帰りを果たす日を期待したい。