とあるツイッターユーザーが今年5月末に投稿した写真から端を発した問題のこと。某病院にある、患者や見舞客が利用できるトイレ個室内のトイレットペーパーホルダー上あたりに掲示されていた貼り紙で、「患者さんへお願い トイレットペーパーを三角折にしないでください」という文言に続き、「用を足した後の手を洗う前に、トイレットペーパーを折ると、便中や尿中(感染している場合)の細菌などの微生物が付着し、細菌感染する可能性が高くなることがあります」と書かれていた……のだそう。病気の影響で「免疫力が落ちている人が多い」のが理由だという。ちなみに、投稿者は写真とともに「三角折りしたら清楚だと思ってる女子達に言い聞かせたい」と皮肉をきかせた言葉も添えており、このツイートは2万3000以上リツイートされるなど、大きな注目を集めているらしい。

 「折ってくれた気持ちはいただきつつも、この部分はやぶりとってしまってます」「これ思ってたやつや...他の人がベタベタ触ったペーパー使いたくないよなぁ当たり前だよなぁ?」……ほか、“三角折り”を内心では清潔感に欠けると感じていたユーザーもけっこう多いよう。まあ、病院でのこの「警告」は100%納得できる。が、「他の人がベタベタ触ったペーパー使いたくないよなぁ?」なんてことは、正直一度も筆者は考えたことがなかった。

 最近こそ、駅の公衆トイレとかもそこそこキレイに清掃されていたりもするけれど、二昔くらい前の公衆トイレの個室は、どこもかしこも糞尿やゲロまみれで、ここで用を足すのは一種の度胸試し的要素さえただよっていた。しかし、そういう劣悪な環境下で事を済ませるタフな精神力も、ときには必要なのでは……? あまりに清潔に慣れすぎてしまうのも健常者の場合、かえって免疫力が落ちてしまうような気もしなくはないのだが、いかがだろう?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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