▶ 人名項目収録の選定基準は、心理学に直接関連する人名を中心とし、18世紀以前の哲学者・神学者、日本人などは原則として含めない。ただし、元良勇次郎と松本亦太郎のみ例外とした。存命中の人物は、評価の確立という観点を加味し、1945年以前の出生を原則とした。
▶ 没年は2020年時点の情報に基づいて記載した。
▶ 人名項目見出しでは、姓名のすべてを表記していない場合がある。もともと貴族の領地等を表す姓に付随するvon, van, deなどについて、姓に含めるかどうかはわが国での慣用的表記とした。
▶ 詳しい経歴(出生地、学歴、職歴)を記載することを重視した。例えば、高等教育が整備されておらず女性への門戸が狭い時代の特性、ユダヤ系研究者(「ユダヤ人」の語は用いない)のナチスからの逃避、第一次および第二次世界大戦時の軍関係の勤務状況など、活躍した時代の相を理解できるようにした。
▶ 出生地については、アメリカ合衆国は国名を略し、州名を記載した。ニューヨークやロンドンなど知名度の高い都市ないし主都は国名および州名を略した。現在の国名の表記は、外務省の表記を基本とするが、原則として政体(王国、共和国など)は省略した。歴史上存在した国は、オーストリア
▶ 出生地と活躍地を示す一覧図は、本文画面の付録欄にある「図表・動画コンテンツ一覧」の小分類【人名】から参照できる。
▶ 外国の教育機関と研究機関の表記には定訳がないものが多い。フランスの「高等師範学校」と訳されることがある機関は、「エコール・ノルマル・シュペリウール」とした。アメリカの「ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ」は、現在名の「ニュースクール大学」に統一した。複数のキャンパスがある大学は、分校名を記した。
▶ 学位の表記は、国や時代により異なるので、学部は「卒業」、修士課程は「修士号」、博士課程は「博士号」と統一表記した。医学系の medical doctor は、学部卒業か博士課程修了か、国や時代によってその位置づけが異なるが、確認できる範囲で「MD」と記した。
▶ 学位以上に教授資格(フランスのアグレガシオン、ドイツのハビリタチオン)が重要な時代があり、その取得年をわかる限り記入した。
▶ 大学における職階の表記は、以下のように訳した。
(英国)lecturer:講師、reader:示さない、professor:教授。
(アメリカ)instructor:助手、assistant professor:助教授、associate professor:准教授、professor:教授。
▶ アメリカ心理学会など学会の会長職等は、創設時の会長など特別な場合を除き、記載しない。
▶ 著書の表記は、訳本のタイトルの表記に従う場合と、原典の忠実な訳にする場合とがある。