本書は、ものの名称から数え方を引くことができる、これまでにない画期的な辞典です。
箪笥は「1棹(ひとさお)」、鱈子は「1腹(ひとはら)」、蚊帳は「1張(ひとは)り」、蔵は「1戸前(いっとまえ)」など、日本語にはほかの言語にはない数多くの数え方があります。
本書では、日常的に数える対象となる名詞項目約4,600語について、それらを数える際、どのような助数詞や助数詞と同じ働きをする名詞を用いるかを示しました。ただ数え方を示すだけでなく、
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「箸」は2本で「1膳」と数えるが、同じ箸でも「菜箸」や「火箸」は「1膳」とは数えません。中身の入った段ボール箱は「個」で数えますが、折り畳んだ段ボール箱は「枚」で数えます。 |
など、さまざまな視点から、数え方のポイントを解説しました。
さらに、助数詞や助数詞と同じ働きをする名詞など約600語について、それらが持つ意味、および用法を解説しました。これまでの国語辞典にはない、ひと味違う解説が特徴です。
例: |
「『度』は、『回』よりも用法が狭い」(小コラム)
「度」の前に「第」「全」「計」を置くことができません。
○「全10回ドラマ」 ×「全10度ドラマ」 |
また、助数詞の前にくる数詞が、漢語数詞・和語数詞・英語数詞のいずれであるのかをひと目で分かるように表示しています。
「なぜイカやカニは『一杯』と数えるのか?」など、数え方にまつわるユニークなコラムも満載。日本語の"数え方文化"を通して、日本語表現の豊かさ、奥深さ、味わい深さを充分にお楽しみください。