(インフルエンザトハナニカ)
クロード・アヌーン 著/小野克彦 訳
スペイン風邪やAホンコン型といった呼び名で世界的に蔓延してきた病、インフルエンザ(流行性感冒)。本書は、インフルエンザ研究の成果のもと、歴史を検証しつつ、その傾向と対策をわかりやすく解説。インフルエンザウイルスのすべてを明かし、さらなる大流行を予測もする、現代人の必読書。
(タラソテラピー ウミカラウマレタシゼンリョウホウ)
J=B.ルノーディ 著/日下部喜代子 訳
若い女性のあいだで、効果的な美容・健康法として熱い視線を集めているタラソテラピー(海洋療法)。本書は海水や海藻、海泥のもつ身体的効果を歴史の実例から読み取り、科学的根拠を提示することによって、その独自の療法にはじめて学問的な位置づけを与えようとする、果敢なこころみ。
(ホウシャセンイガクカラガゾウイガクヘ)
フランソワ・オベール、ジャン=ピエール・レシー 著/細野 眞、細野真理子 訳
人体内部を透視するための医療技術は、X線、超音波、CTスキャンと進化が続き、病院にもデジタル化の波が押し寄せている。本書はレントゲンが端緒を開いて以来、たえず最先端技術と結びつくことで、放射線医学から画像医学へと変遷をとげてきた医療技術のすべてを、多くの図版を交えて解説する。
(エイズケンキュウノレキシ)
ベルナール・セイトル 著/塚田 隆 訳
人類を悩ませ続ける後天性免疫不全症候群――エイズは、どこまで解明されているのか? 本書は、HIVウイルス発見にいたるまでの経過やエイズ試薬の特許権をめぐる争いなど歴史的事項のほか、さらには精神面でのケアの問題までをも詳述する。薬害エイズ問題を考えるための基本文献。
(ウチュウセイブツガクヘノショウタイ)
F・ロラン、F・ロラン=セルソー、J・シュネデール 著/唐牛幸子 訳
宇宙におけるあらゆる形態の生命の科学的なリサーチを紹介すべく、地球上における生命の起源と進化を踏まえたうえで、太陽系内の天体から遥かな銀河系にまで、地球外生命の存在を探る。
(ジカンセイブツガクトハナニカ)
アラン・レンベール 著/松岡芳隆、松岡慶子 訳
「生物の時間構造とその変動について研究する学問」の実際を、豊富な実験レポートをもとにしつつ、基礎から応用まで、紹介してゆく。「体内時計」の謎に迫る、画期的ガイドブック。
【編集者よりひとこと】小児喘息の発作は、どうして、夜間に起きるのか? リウマチ様関節炎の関節痛とこわばりは、どうして、朝、目が覚める頃に起きるのか? 心筋梗塞は、どうして、午前10時頃に多発するのか? ……など、ヒトの「からだ」が病んでしまうときのバイオリズムについてなされる、時間生物学的な説明には、なるほどなあ、と感心することしきり。そのほか、本書には、海外旅行時のジェットラグ(時差ボケ)の原因や、「夏期長期休暇有害説」など、知っておきたい話題がもりだくさんです。
(ロボットノシンセイキ)
シリル・フィエヴェ 著/本多 力 訳
ホンダのアシモ、ソニーのアイボ、レゴ社のマインドストーム……。家庭内はもちろん、SF映画やアニメ、産業や軍事でも活躍するロボットの開発について、世界的な視野から詳解する。
(カクユウゴウエネルギーニュウモン)
ジョセフ・ヴァイス 著/本多 力 訳
太陽で起きている現象を地球上で再現する巨大プロジェクト――ITER(国際熱核融合実験炉)が、実現しようとしている。期待されている核融合発電を、原理からわかりやすく解説。
(ゴウセイドラッグ)
ミシェル・オートフイユ、ダン・ヴェレア 著/奥田 潤、奥田陸子 訳
自然界にはありえない化合物でできた、新種の麻薬――合成ドラッグをもとに、ドラッグ・デザイナーによって開発された新しい向精神薬の影響や問題点を、中毒の歴史とともに詳解。ドナルド・ダック、ピーター・パン、ポケモン──これらは、フランスにおけるドラッグのストリート・ネームである。今や日本でも第三次覚醒剤乱用期を迎え、若年層への浸透が問題となっている。本書は、まず麻薬中毒の歴史や社会背景を解説し、ヘロイン・コカイン・LSDなどの古典的麻薬と、それらの中毒治療のために開発された合成麻薬の作用を概観していく。そして、MDMA(エクスタシー)に代表される、自然界にはありえない化合物で作られた新合成ドラッグの作用、使用形態、依存性について詳解していく。スポーツにおけるドーピング薬の種類と作用にも触れている。ドラッグ・デザイナーによって次々と「新薬」が開発されている状況や流通経路、関連する法律などから向精神薬の将来を展望し、乱用防止への道を探る。フランスにおけるストリート・ネーム一覧と化学構造式付き。
(プリオンビョウトハナニカ)
ピエール=マリ・ジェド 著/桃木暁子 訳
狂牛病騒動で知られるようになった、死の感染症─プリオン病は、ウイルスとも細菌とも違う病原体から発症する。しかも、その病原体は、遺伝物質をもたないにもかかわらず増殖し、高熱・放射線・超音波にも耐え、免疫の防御反応をまったく引き起こさないという! 本書は、伝達(感染)経路の研究や動物実験などから導きだされた推論をもとに、ヒトやネコにまで海綿状脳症を引き起こすプリオン蛋白質の変性のメカニズムを詳しく解説していく。くわえて、BSEがもたらした経済的・政治的影響、教訓、科学と社会のあり方の問題にまで言及している。日本における初の変異型ヤコブ病患者が確認される一方で、米国産牛肉の輸入再開にむけての協議も進められつつある昨今、冷静な判断のための時宜を得た解説書である。