この辞典は、
新時代の漢和辞典に対する要請と期待にこたえることを念じるとともに、特に次の諸点に留意して編集した。
親字約1万5500(旧字・異体字を含む)(※Web版では約1万1500)、熟語約6万4000(※Web版では約5万5700)という数は、優に一般中辞典を
さらに加えて熟語においても、
◎国語古典、および日常の生活漢語、
◎人名・地名・書名、その他学習に関連の深い事項、
◎中国基本語彙、等を精密周到に収録した。
〈第八版で特筆すべき点〉
なお、第七版に引き続き、
これらは、時代の求めに応じての必然的配慮にほかならない。
辞書利用の技術と習慣を身につけることは、学習の興味を喚起し、学力の向上を図るうえの不可欠の条件とされているが、その点、漢和辞典の場合には文字、語句の検索の面などでとかくの障害をまぬかれえないうらみがある。
この辞典では、特にここに思いをいたし、形式・内容両面ともに入念な工夫と配慮を施した。
次に掲げる諸配慮も、すべて同じ趣旨に沿ってのものである。
◎各親字の韻、漢音・呉音・唐音・慣用音の別、字音表記の新旧別、新旧字体の表示
◎現行教科書中の有名句の多数採用
◎引用句に対する口語訳の多用
◎出典の明示
◎新旧かなづかいの対照的表示
◎訓の送りがなの表示
◎逆引熟語
◎簡潔明瞭な解説
◎利用度の高い付録(「漢字について」「同訓異義要覧」「漢語の基本的な組み立て」等)
この辞典完成のためには中国語学の権威、藤堂明保博士をはじめ、頼惟勤・志村和久・鈴木三省・大坂茂雄・江連隆・高木重信・金子泰三・八丸吉昭・福地滋子・伊藤恒之・児玉啓子・樋口靖の諸氏、その他多くの方々の親身のご協力を仰いだ。
なお、第八版の刊行にあたっては、高橋均監修のもと、内山直樹・浦山きか・大橋賢一・陶山知穂・田中理恵・根政子・樋口泰裕・増野弘幸・松村茂樹・渡辺大の各氏に、執筆、見直し等の面でひとかたならぬお力添えを賜った。