ジャパンナレッジは約1500冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 言語
  6. >
  7. 文字・書
  8. >
  9. 書状・手紙
  10. >
  11. 書状

書状

ジャパンナレッジで閲覧できる『書状』の国史大辞典のサンプルページ

国史大辞典

書状
しょじょう
書状とは手紙のことであって、用件・意志・感情などを書き記して相手方に伝える私的な文書のことである。書簡・書翰・書札・尺牘(せきとく)・消息(しょうそく・しょうそこ)・消息文などと呼ばれる。これらのうち漢文体のものを尺牘といい、仮名書きのものを消息ということが多い。奈良時代の書状は啓(けい)あるいは状といわれ、その差出書・充書・日付・本文の書出し・書止めの書き方によって相田二郎は十四の書式に分類する(『日本の古文書』上)。古代のわが国の公文書は、公式令(くしきりょう)にのっとった公式様(くしきよう)文書であるが、この啓・状は公式令にもとづいたものではなく、中国の六朝以来、個人間の往復文書として通用していた啓・状に起源を有するものである。平安時代の初期ころまでは、これら啓・状のほか『風信帖』『久隔帖』といった尺牘もみられ、まだ書札の書式は固定せず多様なものがあった。しかし平安時代の中期以降になると、これらの書札もわが国独自の発展をとげ、初行から本文を書き始め、本文が終るとその次行に日付を書き、日付の下に差出書、さらに日付の左上部に充所を書き、最後に封を加えるという書式が一般化する。それとともに書体・文体も整備され、文体は純漢文体から「侍」「給」などの言葉を交えた和風漢文体となり、さらに平安時代の末期ころまでには、「候」を用いた文体が成立、また書止め文言も「恐々謹言」などに規格化され、日本的な書札が完成する。それとともにこれら直状の書札に対して、侍臣・右筆などが高位の人の意を奉って出す奉書もみられるようになり、直状・奉書を合わせて書札様(しょさつよう)文書という。これらははじめは私的な用件にのみ用いられていたが、やがて奉書は院宣・綸旨・令旨・御教書(みぎょうしょ)として公文書の補助的な役割もするようになる。さらに鎌倉時代中期以降は、それが公証公験(くげん)として最高の権威を有する公文書となる。これが第一段階の書札様文書の公文書化(奉書の公文書化)であるが、直状は奉書に比べると、より私的な性格が強く書状に近いが、これとても公的な重要な内容のものもすくなくない。かかる書札様文書の展開に伴って、平安時代の末期から、その書式・書礼・故実などを規定した書札礼が作られ、その集大成として弘安八年(一二八五)には、亀山上皇の命により『弘安礼節』が撰定される。これらの公文書は証拠書類として長く保存されるべきものであるが、一方、私的な文書としての書状は、用件が終れば多くは破棄され、比較的残りにくいものである。したがって私的な内容を有する書状の多くは、完全な一通の文書の形ではなく、日記・記録あるいは聖教の紙背文書として今日に伝えられており、文書として完全な形で残っているのは、書状とはいえまったく私的な通交に関するものはすくなく、なんらかの形で公的な意味をもつか、あるいはまた保存すべき意義を有するものである。以上は漢字で書かれた男性の書状であるが、これに対して女性は仮名書きの消息を用いた。平安時代の中ごろまでに仮名が発明され、それを女性が用いるようになると、仮名書きの話し言葉(和文体)による消息の成立をみる。これは仮名消息・女消息といわれ、広く書状のことも消息というのに対して、狭義の消息である。そして平安時代の末ころからは、漢字の書状と仮名の消息が相互に入り交じって、多彩な書状を形作るのである。一方、武家社会では、鎌倉時代には下文・下知状の下文様文書が主要な公的文書として用いられたが、室町時代には御判(ごはん)御教書以下の書札様文書が中心となる。御判御教書は室町幕府におけるもっとも権威ある文書であるが、本来は自筆で書くべき直状を右筆に書かせ、将軍が花押のみを加えたものであって、第二段階の書札様文書の公文書化(直状の公文書化)ということができる。それとともに、より書状に近い将軍御内書(守護の場合は内書)も用いられ、さらに戦国時代になると、各地の戦国大名はほとんど書状形式の文書で領国支配を行うようになる。そしてこれらは多くの場合に書状と呼ばれているが、実際には戦国大名の発給文書では公私の区別をつけがたいものが多く、このような文書にいかなる文書名を付すかは今後の課題といわなければならない。戦国大名の文書だけではなく、広く書状形式の文書の公私の性格を区別するには、年紀(付年号・干支を含む)がはじめから付されているか否か、実名(自署)だけか、それに花押・印章を加えているかどうかということが一つの基準になるが、これも必ずしも絶対的なものではない。→消息(しょうそく)
[参考文献]
魚澄惣五郎『手紙の歴史』、小松茂美『手紙』、同『手紙の歴史』(『岩波新書』青九七七)、中村直勝『日本古文書学』中、日本歴史学会編『概説古文書学』古代・中世編、伊木寿一「書状の変遷」(『(岩波講座)日本文学』所収)、永島福太郎「書状・消息」(『日本古文書学講座』四所収)
(上島 有)
上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


書状の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 11350
検索コンテンツ
1. 書状
世界大百科事典
→手紙
2. しょ‐じょう[‥ジャウ]【書状】
日本国語大辞典
うな意味の書状(ショジャウ)が二三度来た」(2)折紙に書かれた略式の訴状。*沙汰未練書〔14C初〕「書状とは折紙に書小申状也。〈訴状と書状書様各別也〉」(3)「
3. しょじょう【書状】
数え方の辞典
▲通、▲枚 ⇒手紙
4. しょじょう【書状】
国史大辞典
これは仮名消息・女消息といわれ、広く書状のことも消息というのに対して、狭義の消息である。そして平安時代の末ころからは、漢字の書状と仮名の消息が相互に入り交じって
5. 書状(しょじょう)
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 364ページ
6. 【書状(狀)】しょじょう(じゃう)
新選漢和辞典Web版
《国》手紙。
7. 書状(著作ID:328949)
新日本古典籍データベース
しょじょう 書簡 
8. 書状(著作ID:2437765)
新日本古典籍データベース
しょじょう 書簡 
9. 書状(著作ID:3142301)
新日本古典籍データベース
しょじょう 
10. 書状(著作ID:4365094)
新日本古典籍データベース
しょじょう 書簡 
11. 書状(著作ID:4375559)
新日本古典籍データベース
しょじょう 書簡 
12. しょじょう【書状】[標準語索引]
日本方言大辞典
じょーがみ / はがち
13. 納書状於文箱 (見出し語:書状)
古事類苑
文學部 洋巻 第3巻 1431ページ
14. しょじょう‐さし[ショジャウ‥]【書状差】
日本国語大辞典
〔名〕「じょうさし(状差)」に同じ。*俳諧・夜半亭発句帖〔1755〕「常盤木の藤やむなしき書状さし」*黄表紙・此奴和日本〔1784〕「書状(ショジャウ)さしを柱
15. しょじょう‐じしゃ[ショジャウ‥]【書状侍者】
日本国語大辞典
つかさどるもの。書状。*異制庭訓往来〔14C中〕「焼香侍者、書状侍者、請客侍者、湯薬侍者、衣鉢侍者、已上頭首方也」*庭訓往来〔1394~1428頃〕「禅家者〈略
16. 書状侍者(しょじょうじしゃ)
古事類苑
宗教部 洋巻 第2巻 1056ページ
17. しょじょう‐じしゃ【書状侍者】
仏教語大辞典
禅宗で、住持のための文書を扱う僧。一寺の文章を扱う書記と区別する。 塵添壒囊鈔 四・二一 「書状侍者は方丈に居して長老の文章を助くる者也」
18. 書状取遣金(しょじょうとりやりきん)
古事類苑
封祿部 洋巻 第1巻 505ページ
19. しょじょう‐ばこ[ショジャウ‥]【書状箱】
日本国語大辞典
〔名〕書状を入れる箱。*大正増補和訳英辞林〔1871〕「Drop〓letter 飛脚屋ノ書状箱(ショジョウバコ)ニ入レアル手帋」
20. 書状案(著作ID:4375561)
新日本古典籍データベース
しょじょうあん 
21. 書状案文大全(著作ID:1271461)
新日本古典籍データベース
しょじょうあんもんたいぜん 宮南耕斎(みやなみこうさい) 書 往来物 寛政八
22. 書状記(著作ID:4374711)
新日本古典籍データベース
しょじょうき 
23. 書状切(著作ID:4387587)
新日本古典籍データベース
しょじょうきれ 
24. 書状言葉遣(著作ID:299638)
新日本古典籍データベース
しょじょうことばづかい 新選日用/書状言葉遣 往来物 
25. 書状指(著作ID:469170)
新日本古典籍データベース
しょじょうさし 往来物 
26. 書状指南(著作ID:460548)
新日本古典籍データベース
しょじょうしなん 往来物 
27. 書状揃(著作ID:4411382)
新日本古典籍データベース
しょじょうぞろえ 往来物 
28. 書状揃え(著作ID:4385991)
新日本古典籍データベース
しょじょうぞろえ 
29. 書状大全(著作ID:1032684)
新日本古典籍データベース
しょじょうたいぜん 戸田正陰(とだまさかげ) 往来物 
30. 書状手習鏡(著作ID:299978)
新日本古典籍データベース
しょじょうてならいかがみ 往来物 
31. 書状等雑記(著作ID:252346)
新日本古典籍データベース
しょじょうとうざっき 雑記 
32. 書状留(著作ID:4370552)
新日本古典籍データベース
しょじょうとめ 書簡 寛政一一
33. 書状日記(著作ID:2455074)
新日本古典籍データベース
しょじょうにっき 
34. 書状早指南(著作ID:1271643)
新日本古典籍データベース
しょじょうはやしなん 往来物 文化一〇刊
35. 書状独稽古(著作ID:1032708)
新日本古典籍データベース
しょじょうひとりげいこ 往来物 嘉永四刊
36. 書状文手本断簡(著作ID:4364670)
新日本古典籍データベース
しょじょうぶんてほんだんかん 
37. 書状文字自在引(著作ID:1342570)
新日本古典籍データベース
しょじょうもじじざいびき 池田東籬(いけだとうり) 編・書 辞書 節用集 天保一三刊
38. 日本用文章(著作ID:1045529)
新日本古典籍データベース
にほんようぶんしょう 書状日本用文章 西川竜章堂(にしかわりゅうしょうどう) 書 往来物 
39. 年中案文/諸用文集(著作ID:1549753)
新日本古典籍データベース
ねんじゅうあんもん/しょようぶんしゅう 書状便覧 往来物 天保一四刊
40. しょじょうじしゃ【書状侍者】
国史大辞典
⇒書記(しょき)
41. あっしょ‐じょう[‥ジャウ]【押書状】
日本国語大辞典
〔名〕「あっしょ(押書)(2)」に同じ。
42. おしがき‐じょう[‥ジャウ]【押書状】
日本国語大辞典
〔名〕「あっしょ(押書)(2)」に同じ。
43. 「弘安書札礼」による書状の書止め文言一覧(1)[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
44. 「弘安書札礼」による書状の書止め文言一覧(2)[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
45. さいそく‐しょじょう[‥ショジャウ]【催促書状】
日本国語大辞典
提出しない時、原告から裁判所に、その提出または出頭すべき命令を発するように請求する書状。*沙汰未練書〔14C初〕「催促書状書様事」
46. しゃしょ‐じょう[‥ジャウ]【赦書状】
日本国語大辞典
〔名〕赦免の書状。赦書。赦状。*正倉院文書‐天平六年〔734〕出雲国計会帳(寧楽遺文)「天平五年〈略〉十月〈略〉廿六日進上返抄二道〈一赦書付領状 一太政官赦書状
47. 赦書状(しゃしょじょう)
古事類苑
法律部 洋巻 第1巻 508ページ
48. じ‐しょじょう【侍書状】
仏教語大辞典
「 じじょう【侍状】 」に同じ。 日用工夫略集 一・観応二・九・晦 「命侍書状
49. 常赦赦書状(じょうしゃしゃしょじょう)
古事類苑
法律部 洋巻 第1巻 508ページ
50. 相澤恒蔵書状(著作ID:4402359)
新日本古典籍データベース
あいざわこうぞうしょじょう 会沢正志斎(あいざわせいしさい) 書簡 
「書状」の情報だけではなく、「書状」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

書状と同じ書状・手紙カテゴリの記事
書状(国史大辞典)
書状とは手紙のことであって、用件・意志・感情などを書き記して相手方に伝える私的な文書のことである。書簡・書翰・書札・尺牘(せきとく)・消息(しょうそく・しょうそこ)・消息文などと呼ばれる。これらのうち漢文体のものを尺牘といい、仮名書きのものを消息とい
書状・手紙と同じカテゴリの記事をもっと見る


「書状」は文化に関連のある記事です。
その他の文化に関連する記事
コロボックル(日本大百科全書・世界大百科事典)
アイヌの小人説話。コロボックルともいう。コロポックルは穴の中に住んでいる小さな人であったと伝える。1枚のフキの葉の下に10人入れるほどであった。ササの葉を縫い合わせてつくった小船で漁に出る。ニシンが釣り針にかかると、5艘(そう)、10艘の船が力を
エープリル‐フール(日本国語大辞典)
〔名〕({英}Aprilfool)《エイプリルフール》四月馬鹿。四月一日は嘘をついてもよいという、いたずら御免の日。本来はだまされる人のことで、フランスではpoissond’avril(四月の魚)という。キリストがユダヤ人に愚弄されたのを忘れないためとも、キリストの命日ともいい
上巳(日本国語大辞典)
解説・用例〔名〕五節供の一つ。三月三日の称。古く中国で、はじめ三月の初めの巳(み)の日を上巳とよび、魏晉以後は三月三日を上巳として、みそぎをして不祥を払う行事が行なわれたのにならって、日本でも朝廷・貴族の行事として三月三日に川辺に出て、はらえを行ない
鏡餅(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例〔名〕円形で平らな、鏡の形のように作った餠。正月または祝いのときに大小二個を重ねて神仏に供える。かがみ。かがみのもち。かがみのもちい。かがみもちい。ぐそくもち。そなえもち。おそなえ。すわりもち。もちいかがみ。《季・新年》*類聚雑要抄〔室町〕
(新選漢和辞典・日本国語大辞典)
①〈つつし・む〉うやまう。「寅畏(いんい)」②寅車(いんしゃ)は、兵車の名。③〈とら〉十二支の第三位。(ア)時刻では、午前四時ごろ。また、午前三時から五時。(イ)方角では、東北東。(ウ)動物では、虎(とら)。(エ)陰暦正月。
文化に関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1500冊以上(総額600万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶