1. 井戸茶碗
日本大百科全書
この美意識にふさわしい茶碗の王座を井戸茶碗が占めている。桃山時代の『山上宗二記(やまのうえそうじき)』には「井戸茶碗、是(これ)天下一ノ高麗茶碗」と評されている ...
2. 井戸茶碗
世界大百科事典
かない,抹茶茶碗として珍重された。以来,茶の湯の茶碗の中でももっとも重視されるものとなった。井戸茶碗の産地や名称の起りはつまびらかでない。器形や作風から大井戸( ...
3. いどちゃわん【井戸茶碗】
国史大辞典
見込みが井戸のように深いからだともいわれる。また朝鮮慶尚道の韋度という地名から転じたのだともいわれている。井戸茶碗には、大井戸(名物手)・小井戸(古井戸)・青井 ...
4. 井戸茶碗(いどちゃわん)
古事類苑
遊戲部 洋巻 第1巻 688ページ ...
5. いど‐ぢゃわん[ゐど‥]【井戸茶碗】
日本国語大辞典
〔名〕高麗茶碗の一つ。濁白色の土に、淡い卵色の釉(うわぐすり)のかかっているもの。室町時代以後、茶人に愛用された。その名称の由来については諸説があって定まらない ...
6. あお‐いど[あをゐど]【青井戸】
日本国語大辞典
〔名〕井戸茶碗の一つ。釉(うわぐすり)の色が青めに焼き上がり、厚めで光沢はなく柔らかい。素地は褐色で厚手。朝鮮李朝時代(一三九二〜一九一〇)中期の産。また、それ ...
7. ありまおんせん【有馬温泉】兵庫県:神戸市/北区/湯山町
日本歴史地名大系
とくに同一八年一〇月四日、温泉寺の塔頭阿弥陀堂で催された茶会は、虚堂智愚の墨跡・唐物名物鴫肩衝茶入・井戸茶碗等を飾った草庵の茶でありながら豪華なものであった(「 ...
8. いち 井戸(いど)、二楽(にらく)、三唐津(さんからつ)
日本国語大辞典
(「井戸」は井戸茶碗、「楽」は楽茶碗、「唐津」は唐津焼のこと)茶人に愛用された茶碗のランクをいう。一番が井戸茶碗、二番が楽茶碗、三番が唐津焼。*青井戸〔1972 ...
9. い‐ど[ゐ‥]【井戸】
日本国語大辞典
ヰド)のひとつもない時より此屋敷を求めて二代も手のかからぬやうにとて」(2)「いどぢゃわん(井戸茶碗)」の略。*和漢三才図会〔1712〕三一「割高台与 ...
10. いど‐がた[ゐど‥]【井戸形】
日本国語大辞典
〔名〕
井戸茶碗と同じような作りの物。また、その形。*青井戸〔1972〕〈秦恒平〉「いわゆる井戸形といわれる開いた
形や胴ろくろ、竹節高台
...11. かいらぎ【梅花皮・鰄】
日本国語大辞典
1714頃〕鉢たたき「此方(こち)のうちに置いて来た、かいらぎ欲しい髭欲しい」(3)茶道で、井戸茶碗の特徴の一つ。釉(うわぐすり)の焼成が不充分なために、熔(と ...
12. かいらぎ‐どころ【梅花皮処】
日本国語大辞典
〔名〕井戸茶碗の高台(こうだい)脇のこと。この部分の釉(うわぐすり)は熔(と)けきらないで、かいらぎ状になりやすいのでいう。→かいらぎ(3) ...
13. きざえもん‐いど[キザヱモンゐど]【喜左衛門井戸】
日本国語大辞典
喜左衛門の銘のある井戸茶碗。朝鮮の李朝前期(一五世紀)の作。口造が厚く、竹節高台で上部を支えている。素地は粗く、枇杷(びわ)色の釉(うわぐすり)がかかり、半透明 ...
14. きざえもんいど【喜左衛門井戸】
国史大辞典
高麗茶碗の中でもっとも声価の高い大井戸茶碗の代表作。李朝時代。大坂の町人竹田喜左衛門所持の茶碗であったところから「喜左衛門井戸」と呼ばれたと伝えられている。そ ...
15. こ‐いど[‥ゐど]【小井戸・古井戸】
日本国語大辞典
〔名〕朝鮮で李朝前期に焼かれた井戸茶碗の中で小振りのもの。やや白っぽい素地や淡い釉(うわぐすり)のものもあり、茶人には、釉の白いむらや流れが珍重される。 ...
16. こうだい‐わき[カウダイ‥]【高台脇】
日本国語大辞典
〔名〕茶碗(ちゃわん)の部分の名。底部外側、高台から胴部へ続く間のところ。井戸茶碗では特に梅花皮処(かいらぎどころ)という。 ...
17. 高麗茶碗
世界大百科事典
り江戸時代から付けられるようになったようで,江戸時代後期にほぼ細かい分類も定められている。→井戸茶碗赤沼 多佳 御本(ごほん)茶碗 ...
18. こうらい‐ちゃわん[カウライ‥]【高麗茶碗】
日本国語大辞典
そのほとんどは李朝時代(一三九二〜一九一〇)初・中期のもの。桃山時代後期以降、茶道で抹茶茶碗として用いられた。井戸茶碗など朝鮮の日用雑器を転用したものと、日本の ...
19. 高麗茶碗
日本大百科全書
ちょう)の役)を境にして大きく前期と後期とに二分される。 前期には、技巧に走らぬ素朴な作調の井戸茶碗を中心とした一群がある。これらは、わびの美を演出するために日 ...
20. 孤篷庵
世界大百科事典
忘筌席の露地についてのみ,当時の指図に一致することが確認されている。寺宝では〈喜左衛門〉銘の井戸茶碗が国宝。編集部 ...
21. こほうあん【孤篷庵】 : 大徳寺
国史大辞典
当庵九世寰海のとき松平治郷(不昧)が再興し、所管末寺三、孫末寺二を有した。現在、本堂・書院・茶室が重要文化財、井戸茶碗が国宝、また庭園は国史跡・名勝に指定されて ...
22. こほうあん【孤篷庵】京都市:北区/大宮郷/大徳寺地図
日本歴史地名大系
茶室忘筌は四間三間、一重・切妻造・桟瓦葺の建物で、国指定重要文化財。なお同庵の什物のうち喜左衛門の銘のある井戸茶碗(李朝)は国宝、紙本墨書大燈国師墨蹟(建武三年 ...
23. さかべ‐いど[‥ゐど]【坂部井戸】
日本国語大辞典
茶の湯茶碗の一つ。朝鮮茶碗。名物手(めいぶつで)の井戸茶碗で、大名物(おおめいぶつ)に属するもの。もと、坂部三十郎が所持していたので、この名がある。轆轤目(ろく ...
24. さかもと‐いど[‥ゐど]【坂本井戸】
日本国語大辞典
茶の湯に用いる朝鮮製の井戸茶碗の一つ。名物手井戸(めいぶつでいど)で、大名物(おおめいぶつ)に属する。もと、坂本周斎が所持していたところからいう。薄手で、手取り ...
25. さん‐いど[‥ゐど]【三井戸】
日本国語大辞典
大名物(おおめいぶつ)といわれた三個の
井戸茶碗。すなわち、喜左衛門井戸、加賀井戸、細川井戸の総称。
[イ]
...26. しばた‐いど[‥ゐど]【柴田井戸】
日本国語大辞典
井戸茶碗の一つ。大名物(おおめいぶつ)。青井戸の朝鮮茶碗。柴田勝家が所持したところからの呼称。
[イ]
... 27. しばたいど【柴田井戸】
国史大辞典
茶人の珍重する井戸茶碗のうち青井戸手に属し、古来青井戸第一の名碗とされている。高さ七・一センチ、口径一四・五センチ、高台径四・八センチ。素地は砂まじりの荒い土 ...
28. 新皿屋舗月雨暈
世界大百科事典
主君を酒色におぼれさせ,お家横領を企てる。お蔦に横恋慕する岩上典蔵はお蔦が預かるお家の重宝の井戸茶碗を割り,その罪をお蔦になすり,不義の汚名を着せる。主計之介は ...
29. 醒睡笑 戦国の笑話 254ページ
東洋文庫
15 秀吉公が茶の湯を遊ばされた折、濃茶を飲もう* として、手から手へ引張ったため、御秘蔵の井戸茶碗(朝鮮茶碗のうち最も有名なもの)がわれた。その時、公は少 ...
30. 醒睡笑 戦国の笑話 255ページ
東洋文庫
詠んだとして、第四句を「とがをばたれか」としてある。 『古今夷曲集』では、召使う人が井戸茶碗をわって御気色 が悪かったとき、御前なる人がよんだと、詞 ...
31. 増訂 工芸志料 150ページ
東洋文庫
萩の唐人山窯と考える説、松本萩と深川萩の二種を考える説などある (ラ萩焼と井戸茶碗との近似は一般に論ぜられるところである。井戸茶碗の名がどこから来たかについては ...
32. たけ の 節(ふし)高台(こうだい)
日本国語大辞典
茶碗の見どころの一つ。茶碗の高台の部分が竹の節状になっているもの。井戸茶碗に多い。 ...
33. 大徳寺
世界大百科事典
)(密庵席)をもった書院(江戸初期,国宝),孤篷(こほう)庵には古来より大名物として知られる井戸茶碗(銘喜左衛門。李朝時代,国宝),茶室忘筌(ぼうせん)(忘筌席 ...
34. だいとくじ【大徳寺】
国史大辞典
当庵九世寰海のとき松平治郷(不昧)が再興し、所管末寺三、孫末寺二を有した。現在、本堂・書院・茶室が重要文化財、井戸茶碗が国宝、また庭園は国史跡・名勝に指定されて ...
35. つついじゅんけい【筒井順慶】
国史大辞典
教学に励み、謡曲・茶湯などをも好んだ。刀剣・能面・謡本・茶器などの遺品も多い。「筒井筒」と称せられる井戸茶碗の所持も有名。しょせん、順慶は名族の御曹司的存在であ ...
36. つつい‐づつ[つつゐ‥]【筒井筒】
日本国語大辞典
はかぬつつ井筒(イヅツ)。いつか御身(おんみ)も、のびやかに春の柳生の糸長く」【二】井戸茶碗。名物。井戸茶碗の最高傑作といわれる。筒井順慶が所持していたので、こ ...
37. つついづつ【筒井筒】
国史大辞典
朝鮮で焼成された井戸手の茶碗。喜左衛門井戸・細川井戸・加賀井戸などと並ぶ名物井戸茶碗。高さ九・五~九・八センチ、口径一五・〇~一五・四センチ。高台径五・六セン ...
38. 陶磁器
世界大百科事典
とりわけ珍重された高麗茶碗は16世紀ころ朝鮮半島南部で焼かれた民窯の雑器である。高麗茶碗には井戸茶碗,三島茶碗,熊川(こもがい)茶碗,雨漏茶碗などがあり,今日も ...
39. 日本の茶書 1 168ページ
東洋文庫
ネ 善好 大富善好(一四四頁参照)。井戸茶碗是れ天下一の高麗茶碗。山上宗二見出して、名物二十、関白様に在り。 惣じて茶碗は、唐茶怨すたり、当世は、高麗茶盆、瀬戸 ...
40. 日本の茶書 2 4ページ
東洋文庫
井戸茶碗宗旦を失ってからは、岳父の庸軒を「先生」と仰いで、日頃その語るところを書きとどめておいたのである。したがって、『茶話指月集』は、庸軒の談話を骨子として、 ...
41. ほそかわ‐いど[ほそかはゐど]【細川井戸】
日本国語大辞典
大名物、高麗茶碗。古来二十余点知られている名物手井戸茶碗中でも、姿、釉調ともに屈指のもの。もと細川三斎の所有だったので、この名がある。のち松平不昧の手に入ってか ...
42. ま‐いど[‥ゐど]【真井戸】
日本国語大辞典
〔名〕本物の井戸茶碗。*洒落本・風俗八色談〔1756〕三・艸休茶の湯の事「茶碗を見るに、真井戸(マイド)のころあいよく、深くかかへて香台土を見かいらぎのほどめの ...
43. まつえじょうあと【松江城跡】島根県:松江市/松江城下
日本歴史地名大系
高価な名物道具を買集め始め、丹波は蔵を見せたことを後悔したという。現在大徳寺孤篷庵に伝わる喜左衛門銘の井戸茶碗(国宝、朝鮮李朝時代のもの)は安永年間(一七七二― ...
44. 民芸
世界大百科事典
しかし凡夫にして,なおかつこんな自由な美を生みうることを誇りとすべきだと思うのである。また,ある人から,井戸茶碗を雑器というが,作者の審美眼を疑うのか,という詰 ...
45. 名物
世界大百科事典
など名物の目録),名物裂(めいぶつぎれ)(著名な染織物),名物切(古筆切の名品),名物手(大井戸茶碗など名物に分類される主として陶器に関する呼称)などの成語があ ...
46. 李朝
世界大百科事典
朝鮮からは日本の求めに応じて大量の仏典(大蔵経)や仏像,仏画,梵鐘,高麗青磁,李朝白磁のほか井戸茶碗(高麗茶碗)などがもたらされて貴重品とされ,また,画人(水墨 ...