説明
1 基礎的な語と考えられるものには、特に詳しい説明を加えた。
2 その語の現象的な意味をいちいち細かく分けて説明するよりも、基本的な意味を明らかにするようにした。
3 一語に幾つかの意味を立てた場合には、時代的に古い意味から始めることなく、出来るだけ現代語として最も普通に行われている意味から始める方針を採った。
4 意味を分類して記述する場合には、次のような語義区分を立てた。
ア 123 …… 最も普通の分類。
イ アイウ …… 右の内部を更に細分するとき。
更に小さな区分としてiiiも採用した所がある。
ウ 一二三 …… アよりも大きな分類が必要なとき。 これらの語義番号を説明文中もしくは他の項目から参照のために使う場合には、それぞれ(1)・(ア)・(i)・(一)のように括弧付きの形とした。
5 その見出しの語が、常に一定の成句の中に現れるようなものは、その成句の形を、説明の初めに『 』に包んで掲げ、その成句全体についての意味を説明した。
あげあし【揚(げ)足】
―を取る人の言葉じりや言い誤りをとらえて、なじったり皮肉を言ったりする。
6 語の接続の仕方などの文法的な説明は、≪ ≫に包んで、その項の説明の最初に置いた。
いっさい【
一切】
……。……
≪下に打消しを伴って、副詞的に≫全く。全然。
7 その意味が特殊な範囲で使われるものであって、理解のために必要と認められるものは、〔 〕に包んで、その語の分類を示した。例えば、
〔仏〕(=仏教用語) 〔俗〕(=俗語) 〔宗教〕 〔哲学〕 〔法律〕 〔経済〕 〔取引〕 〔言語〕 〔数学〕 〔物理〕 〔化学〕 〔天文〕 〔音楽〕 〔美術〕
8 意味の理解を助けるため必要な場合、⇔を付けて対義語を示した。
9 他の項目を参照すべきものは、→を付けて、その項目を示した。
かでん【×瓜田】
―の履(くつ)嫌疑を受ける行為は避けた方がよいというたとえ。▷……→りか(李下)
10 意味の理解を助け、また実際の使い方が分かるように、つとめて用例を「 」に包んで掲げた。また、用例のうち、意味の分かりにくいものや、ことわざ・成句などについては、その解釈を( )に包んで掲げた。
あら= 【新】
……。
「年寄りに―湯(=まだだれも入っていない湯)は毒」
あく【
〈灰汁〉】
……。
……。
……。
……。「―の強い文章」「―の抜けた人」(俗気がない、または粋(いき)な人)
11 文学作品などから用例を引いた場合は、その書名・作者名・作品名などを、用例のあとに( )に包んで小さく示した。例えば、
(古今集) (方丈記)
(松尾芭蕉) 松尾芭蕉の俳句
(青砥稿花紅彩画)
読みは「あおとぞうしはなのにしきえ」
(与話情浮名横櫛)
読みは「よわなさけうきなのよこぐし」
(上田敏訳『海潮音』山のあなた)
(夏目漱石「草枕」)
12 用例中の、見出し語に当たる部分は―で略した。ただし、活用語で見出しの形と違う活用形が使われている場合は、語幹を―で表し、・を付けて語尾を添えた。また、語形全体が違う形の場合は、略さないでこれを太字で示した。複数の助詞が使われうる場合は、/で区切って小字で示した。
まな-ぶ 【学ぶ】
〘五他〙
……。……「先人に―」
……。「よく―・びよく遊べ」
……。
た
……。
……。「見つけ―ぞ」「勝負あっ―」……「雨が降ったら延期する」
か-つ【
勝つ】
〘五自〙
……。……「裁判に/で―」
13 意味によって複数の漢字表記を使い分ける場合は、その意味説明のあとに最も普通の漢字を【 】に包んで示した。
つと-める
【努める・
務める・
勤める・
△勉める・
△力める】
〘下一他〙
力を尽くす。……。【努・勉・力】「完成に―」……
役目を受け持つ。……【務】「案内役を―」
(役所・会社などに通って)仕事につく。……。【勤】「会社に―」
仏道修行をする。【勤】
14 ▷を付けて、語源・原義、故事、類義語との区別、用法上の注意、語形のゆれ、外来語の原つづりなど、多角的な補足説明を加えた。▷による注記は、特定の語義区分に関するものはその直後に、見出し語全体にかかわるものは原則として項目の末尾に置いた。
15 外来語の原つづりは、日本語に直接はいったと思われる言語をあげた。また、同時にその言語名を記した。ただし、英語の場合は原則として省略した。
サイドビジネス
……。▷sideとbusinessとによる和製英語。