漢字母項目
漢字が日本語の中で単独で使われる場合には普通の見出し語と同列に扱うことが出来るが、熟語の中で働く主なものを個々ばらばらにしておくより、漢字ごとに取り出して造語法を中心に据えて解説する意義は大きい。こういう観点に重点を置いて選んだ漢字を、その字の代表音に従って、本文中に排列した。
1 表記形
ア 一般項目と区別するため〖 〗の中に漢字を示し、上に 漢字母項目 のラベルを置いた。
イ 漢字には、次のような記号を左上に付けた。
印なし 次項*以外の常用漢字
* 常用漢字のうち、巻末の「学年別漢字配当表」にある字、いわゆる教育漢字
人 人名用漢字
× 常用漢字・人名用漢字以外の漢字
ウ 〖 〗の次に[ ]に包んで旧字体を示した。その字体が人名用漢字の時は前項にならって記号を付けた。異体字が人名用漢字の時は( )に包んで示した。
エ 常用漢字表で許容字体として示されている字体は、〖 〗の次に〈 〉に包んで示した。
そ〖遡〗〈
〉
2 音訓
ア 一般に使われる音を片仮名で、訓を平仮名で示した。
イ 音は現代仮名遣いで示し、字音仮名遣いが現代仮名遣いと違う場合は、その右に( )に包んで示した。
ウ 音・訓のうち、常用漢字表に取り上げられているものは太字で示し、
マークを付けた。
かい〖*回〗
カイ(クワイ)エ(ヱ)まわるまわすめぐるかえる
3 その他
ア 単独で語としての用法がある場合には、品詞その他の文法上の性質を〘 〙に包んで示した。ただし、〘 〙の表示がない時は原則では造語成分を表す。
みょう〖妙〗
ミョウ(メウ)たえ
〘名・造〙……。
……
〘ダナ・造〙……。
イ 意味説明のあとに、その用例を「 」に包んで掲げた。
さ〖*差〗
サシシャさす
〘名・造〙……。
「差がある」
「差異・差違・差等・……・千差万別」
ウ その字の比較的よく使用される古字・正字・同字などを、意味説明のあとに▷を付けて注したものもある。
か〖*歌〗
カうたうたう
……。
……。
▷「哥」は古字、「謌」は同字。