(カクダイヨーロッパ)
ジャン=ドミニック・ジュリアーニ 著/本多 力 訳
統合を進めてきた欧州が、いま岐路に立っている。2004年に中東欧など10カ国が加盟し、25カ国体制になった欧州連合。昨年は、その統合の基盤である欧州憲法の批准が、フランスやオランダで相次いで否決された。加えてトルコの加盟問題もあり、規模の拡大にブレーキがかかっている。本書は、EUへの加盟プロセスと基準、その機構などを紹介するとともに、今後の展望と課題を解説する。ヨーロッパの境界を定める地理・歴史・文化的背景や、米国を含めた各国の思惑についての記述からは、20世紀最大の政治構想の理想と現実が浮かびあがってくる。現在の加盟候補国のデータも収録。
(シケイセイドノレキシ)
ジャン=マリ・カルバス 著/吉原達也、波多野 敏 訳
国家は、殺人犯やその他の危険な犯罪者を殺す権利を有するのか否か? この重い問いについて、長きにわたって議論が重ねられてきた。私たちは、犯罪や暴力にどう向き合えばよいのだろうか? 日本でも、3年後に裁判員制度が始まる。凶悪重大な刑事事件について導入され、死刑か無期か、一般市民が量刑の判断を迫られることになる。一人ひとりが、刑罰のありかたについて改めて考えねばならない。本書は、古代から現代までの死刑制度の歴史と現況を解説するとともに、死刑賛成論者と反対論者の議論の道のりをたどってゆく。法学者、哲学者のみならず、作家たちの見解も紹介している。死刑制度存廃問題を考えるための必読書。
(キョウイクノレキシ)
ジャン・ヴィアル 著/高村昌憲 訳
少子化の時代をむかえ、ますます教育の質が問われている。本書は、古代から現代にわたって世界中の様々な地域における教育の歴史を紹介する。インドで始まった「相互教育」、フランスの「職業教育」など、教育の方法や制度が学校の使命と社会の必要性に応えて質的に進歩した事例をもとに、これからの教育を考えるヒントを見出すための一冊。学校関係者をはじめ、教育に携わる人びとや保護者にとって必読の書。
(セカイサイダイデジタルエイゾウアーカイブイナ)
エマニュエル・オーグ 著/西 兼志 訳
INA(フランス国立視聴覚研究所)が進める先端的かつ壮大な事業を紹介。先端的資産管理の全貌――2006年4月、INA(フランス国立視聴覚研究所)が一躍注目を集めた。約10万番組、1万時間に及ぶ放送番組がインターネット上で自由に閲覧できるようになったのである。通常一か月あたりのアクセスが35万件のこのサイトに、開始直後の半日で300万件のアクセスが殺到した。この「万人に開かれたアーカイブ」実現までの道のりと今後の展望を、INAの現所長が解説する。世界中で2億時間分に及ぶ映像・音声資料が消失の危機に瀕していると警告されている今、アーカイブのあり方や公共性というものを問う、放送・映像関係者必読の一冊。
(テロリズム レキシ・ルイケイ・タイサクホウ)
ジャン=フランソワ・ゲイロー/ダヴィド・セナ 共著/私市正年 訳
テロリズムは、つねに変化している。その歴史をたどり、定義づけを試み、類型化することによってテロリズムの正体を見極めるとともに、フランスを中心とした欧米のテロ対策法を紹介。プロフィール: ジャン=フランソワ・ゲイロー Jean-François Gayraud 1964年生まれ。パリ第二大学で法学博士号を取得、その後、国立高等警察研究所(1988〜90年)、警察機動部(1990〜2007年)を経て、現在は国立高等治安研究所所長参与。専門はテロ、犯罪学。プロフィール: ダヴィド・セナ David Sénat パリ政治学院で学び、刑法・犯罪学の学位(DEA)を取得。現在はフランスの司法官で、2006年から防衛大臣の法律顧問も務める。
(ファッションノシャカイガク リュウコウノメカニズムトイメージ)
フレデリック・モネイロン 著/北浦春香 訳
ファッションをめぐる論説を紹介し、その成果と新たな方向性を探る。社会学のみならず、美術史学、記号学、心理学など学際的研究によって、この社会現象を捉えることが可能になる。