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デジタル版 集英社世界文学大事典

凡例

外国語のかな表記

全体として、原音を尊重するという原則に立ったうえで、言語ごとに一定の方式を定めた。おおむねこれに拠(よ)ったが、日本においてすでに慣用となっているものは、それに従った場合もある。また[v]音は、日本語化している一般用語を除いて「ヴ」と音写した。
ギリシャ語|ラテン語|中世以降のラテン語|英語|フランス語|ドイツ語|ロシア語|イタリア語|スペイン語|スウェーデン語|デンマーク語|ノルウェー語|フィンランド語|アイスランド語|ハンガリー語|アラビア語|ペルシャ語|トルコ語|ヴェトナム語

■ ギリシャ語

  1. 長音は慣用となっているものを除き、原則として付けない。
    例: ホメロス(←ホメーロス)
    例外: サッポー
  2. ch、ph、thは、それぞれカ行、パ行、タ行とする。
    例: Sophoklēs ソポクレス
  3. ll、pp、rr、ss、ttなど同一の子音字が続く場合は、前の子音字には、ッを当てる。ただし、慣用となっているものはそれを尊重する。
    例: Achilleus アキッレウス
    例外: Apollōn アポロン
  4. ioはヨとする。
    例: Iōannēs ヨアンネス

■ ラテン語

  1. ae、oeはアエ、オエとし、アイ、オイとはしない。
    例: Caesar カエサル
  2. ia、iuは原則的にヤ、ユとする。ただし、i が母音で挟まれた iu、ioはイユ、イヨとする。
    例: Iūlius ユリウス
       Gāius ガイユス
  3. quはクゥとする。
    例: Quīntiliānus クゥインティリアヌス
  4. vはウとし、ヴとはしない。
    例: Vergilius ウェルギリウス

■ 中世以降のラテン語

 古典ラテン語に準じるが、vはヴとする。
例: Averroës アヴェロエス

■ 英語

  1. [ei]音はエイとし、エーとはしない。
    例: Blake ブレイク
       Yeats イェイツ
  2. [ou]音はオーとし、オウとはしない。
    例: Owen オーエン
       Joseph ジョーゼフ
  3. [kæ][gæ]音はキャ、ギャとする。
    例: Caedmon キャドモン
       Campbell キャンベル
       Gascoigne ギャスコイン
  4. 語尾の-y、-ieは長音とする。
    例: Henry ヘンリー
       Mackenzie マッケンジー
      ただし、-dy、-tyは長音としない。
    例: Hardy ハーディ
       Gogarty ゴーガティ
      なお、-vy、-vi、-vieは上記の例外とする。
    例: Ivy アイヴィ
       Levi レヴィ
       Stevie スティーヴィ
  5. 語尾の-sonはソンとし、スンとはしない
    例: Johnson ジョンソン
       Emerson エマソン

■ フランス語

  1. [ɛ̃]音はァンとし、ェンとはしない。
    例: Vincent ヴァンサン
  2. [ja] [jɔ]音などはィヤ、ィヨとし、ィア、ィオとはしない。
    例: Condillac コンディヤック
       Giono ジヨノ
  3. [wa]音などはワとし、アとはしない。
    例: Boileau ボワロー
  4. [aːj] 音などにおける長音はイとし、音引きにはしない。
    例: Bataille バタイユ
  5. [di][dy]音はディ、デュとし、ヂ、ヂュとはしない。
    例: Diderot ディドロ
       Dujardin デュジャルダン
  6. [ti][ty]音はチ、チュとし、ティ、テュとはしない。
    例: Thibaudet チボーデ
       Turlupin チュルリュパン

■ ドイツ語

  1. 語尾の-ich、-igはイヒとし、イッヒとはしない。
    例: Heinrich ハインリヒ
       Ludwig ルートヴィヒ
  2. 語尾の-tzは、ッツとする。
    例: Pannwitz パンヴィッツ
  3. 〈長母音+r〉が語尾または語尾に準ずるところにきたとき、それぞれ -erアー、-eer、-ehrエーア、-orオーアとする。
    例: Walther ヴァルター
       Beer ベーア
       Csokor チョコーア
  4. アクセントのある長母音-erはエーアとする。
    例: Gerhard ゲーアハルト
  5. wはヴとする。
    例: Winckelmann ヴィンケルマン
  6. pfはプフとする。
    例: Wimpfeling ヴィンプフェリング

■ ロシア語

  1. ваはワとし、ヴァとはしない。
    例: Ива́нов イワーノフ
    例外:Вампи́лов ヴァンピーロフ
  2. виはヴィとする。
    例: Виноку́ров ヴィノクーロフ
  3. -вичはヴィチとし、ヴィッチとはしない。
    例: Серафимо́вич セラフィモーヴィチ
  4. ве、воはヴェ、ヴォとする。
    例: Венге́ров ヴェンゲーロフ
       Войно́вич ヴォイノーヴィチ
  5. еは原則としてтеテ、деデ、неネのようにエとし、イェとはしない。
    例: Некра́сов ネクラーソフ
       Держа́вин デルジャーヴィン
    例外:Фаде́ев ファジェーエフ
  6. ду、туはドゥ、トゥとする。
    例: Дуди́нцев ドゥジンツェフ
       Тур トゥール
    例外:Турге́нев ツルゲーネフ
  7. ти、диはチ、ジとし、ティ、ディとはしない。
    例: Ти́хонов チーホノフ
  8. ыはゥイとする。ただし、前の音節がウ段の場合はイとする。
    例: Тыня́нов トゥイニャーノフ
       Бы́ков ブイコフ
  9. шはシとし、シュとはしない。
    例: Пу́шкин プーシキン
  10. ьはиに準じてイとする。
    例: Го́голь ゴーゴリ
  11. 力点のないоもオとする。
    例: Достое́вский ドストエフスキー
  12. -кийはキーとし、キイとはしない。
    例: Не́вский ネフスキー

■ イタリア語

bb、cc、dd、ll、rr、ss、tt、zzなどの同一子音字が続く場合は、前の子音字に、ッを当てる。
例: Boccaccio ボッカッチョ

■ スペイン語

  1. vはbと同じ発音となる。
    例: Cervantes セルバンテス
  2. lla、lle、lloはリャ、リェ、リョと表記する。ただし、アルゼンチン、ウルグアイはジャ、ジェ、ジョと表記。
    例: Castellanos カステリャノス
       Mallea マジェア

■ スウェーデン語

  1. 特有のアルファベット文字のかな表記。
     å オー
    例: Åkesson  オーケソン
     ä エ
    例: Wästberg  ヴェストベリ
    例外: Pär パール
     ö エ
    例: Aspenström アスペンストレム
  2. 特有な発音には以下のようなものがある。
     er ア、エル。アクセントがあるときは長母音。
    例: Krusenstjerna クルーセンシャーナ
       Atterbom アッテルボム
     ar ア、アー。語尾ではアル
    例: Arnér アネール
       Carl カール
       Gunnar グンナル
    例外: Martinson マッティンソン
     g[j] rの後に続くとき イ
    例: Bergman ベリマン
     j[j] イ
    例: Jersild イャシルド
     s rの後に続くとき シュ
    例: Lars ラーシュ
     sj[ʃj] シ
    例: Sjöstrand  シェーストランド
     f 母音の後に続くとき ヴ
    例: Gustafsson グスタヴソン
     o 長音のときは ウー
    例: Moberg ムーベリ

■ デンマーク語

  1. 特有のアルファベット文字のかな表記。
     aa、å オ、オー
    例: Kierkegaard キアケゴー
     Åge オーエ
     æ エ
    例: Jæger イェーアー
     ø エ、オ
    例: Nexø ネクセー
       Bødker ボトカー
  2. 特有な発音は以下のように表記する。
     c e、i、y、ø、öの前ではサ行、他はカ行。
    例: Cecil セシル
       Jacob ヤコブ
       Claussen クラウセン
     d[t] ト、あるいは無音。
    例: Bernhard ベアンハート
       Anders アナース
     dt[t] ト
    例: Brandt ブラント
     ei アイ
    例: Leif ライフ
     er エア、ア
    例: Herman ヘアマン
       Andersen アナセン
     g ガ行、ただし母音やr、lの後では母音化。
    例: Bang バング
       Holberg ホルベア
       Gyllembourg ギューレンブーウ
     ie イ、イー
    例: Wied ウィード
     j[j] ヤ行
    例: Johannes ヨハネス
     oe エ
    例: Oehlenschläger  エーレンシュレーヤー
     sch[ʃ] シュ
    例: Scherfig シェアフィ
     v ウ、ヴ
    例: Gustav グスタウ
       Severin セヴェリン

■ ノルウェー語

  1. 特有のアルファベット文字のかな表記。
     ø[ドイツ語のöに同じ] エ。ただし子音の後に続く場合はヨ
    例: Øverland エーヴェルラン
       Prøysen プリョイセン
     æ エ
    例: Kjærstad ヒェルスタ
     å、aa オー
    例: Aasen オーセン
  2. 特有な発音には以下のようなものがある。
     bs[ps] プス
    例: Ibsen イプセン
     c e、iの前では[s]。他は[k]
    例: Cecilie セシリエ
       Collett コレット
     ch[k]
    例: Christen クリステン
     d nに続く場合は無音。
    例: Undset ウンセット
     dt[t]
    例: Fridtjof フリチョフ
     g  tの前では[k]ク
    例: Vogt フォクト
     j[j]
    例: Jacobsen ヤーコプセン
     ki、kj[ç]  ドイツ語のchと同じ発音。ヒ
    例: Kieland ヒェラン
       Kjartan ヒャルタン
     th[t]
    例: Dorothe ドーロテ
       Bjørnseth ビョルンセット
     w[v]
    例: Wildenvey ヴィルデンヴェイ

■ フィンランド語

  1. 特有のアルファベット文字のかな表記。
     ä[æ] ア
    例: Järnefelt ヤールネフェルト
     ö[ø] オ
    例: Väinö ヴァイノ
  2. 特有な発音は次のように表記する。
     aa[aː] アー
    例: Hellaakoski  ヘッラーコスキ
     ää[æː] アー
    例: Haanpää  ハーンパー
     r[r] ラ行
    例: Martti マルッティ
     j[j] ヤ行
    例: Veijo ヴェイヨ
     erg エリ
    例: Runeberg ルーネベリ

■ アイスランド語

 á  アウ
例: Árnason アウトナソン
 é イェ
例: Pétursson ピェトルソン
 æ ア、アイ
例: Sæmundr サイムンドル
 ö ォ
例: Hjörleifsson ヒョルレイフスソン
 ó オウ
例: Fagraskógi ファグラスコウイ
 ð ザ行
例: Indriði  インドリジ
 Guð…  グヴュズ…
例: Guðmundur  グヴュズムンドル
 Þ[θ] ス
例: Þorgilsson ソルギルソン
 e エ、ただしgiの前ではエイ
例: Egill エイイットル
 au エイ
例: Gunnlaugr グンレイグル
 rn トン
例: Árnason アウトナソン
 gss、lss、mss、nss、rss、tss、ndss
 それぞれgs、ls、ms、ns、rs、ts、nsと同じ。
例: Benediktsson ベネディクトソン
 rl、ll ットル
例: Sturluson スツットルソン
 ただし、lldは、ットルとしない。
例: Halldór ハルドゥル
 g ガ行
例: Gunnar グンナル
  [j]母音と後続のiの間。
例: Egill エイイットル
  [gj] 母音e、i、í、y、ý、æ、ei、ey と半母音jの前。
例: Gestur ギェストゥル
 f フ、ヴ
例: Ólafur オウラヴル
 hv フヴ
例: Hvítadal フヴィータダル
*中世のサガや『エッダ』に関する発音は、再建された中世の発音に従ったので、上記の例とは一致しない場合もある。

■ ハンガリー語

á[aː] アー 例: János ヤーノシュ
c[ts] ツ 例: Ferenc フェレンツ
cs[tʃ] チ 例: Lukács ルカーチ
cz[ts] ツ 例: Móricz モーリツ
é[eː] エー 例: Révai レーヴァイ
gy[dj] ジュ 例: Frigyes フリジェシュ
í[iː] イー 例: Zrínyi ズリーニ
j[j] イ 例: Lajos ラヨシュ
ly[j] イ 例: Erdélyi エルデーイ
ny[nj] ニュ 例: Pázmány パーズマーニュ
ó[oː] オー 例: Miklós ミクローシュ
ö[ø] エ 例: Tömörkény テメルケーニュ
ő[øː] エー 例: Jenő イェネー
s[ʃ] シュ 例: Sándor シャーンドル
sz[s] ス 例: Liszt リスト
th[t] ト 例: Karinthy カリンティ
ts[tʃ] チ 例: Babits バビッチ
ty[tj] ティ 例: Vörösmarty ヴェレシュマルティ
ú[uː] ウー 例: Krúdy クルーディ
ü[y] ユ 例: Füst フュシュト
zs[ʒ] ジュ 例: Kolozsvári コロジュヴァーリ

■ アラビア語

  1. 正則アラビア語(フスハー)を基本とし、方言(アーンミーヤ)は原則として用いない。
  2. 定冠詞al-は翻字(ラテン文字転写)では常に本来の形を示し、先立つ語の語尾音と同化させない。
    例: ͑Abd al-Laṭīf アブド・アル・ラティーフ
    かな表記は、定冠詞 al- の次に月文字がくれば「アル・」、太陽文字がくれば「アッ・/アン・」とするが、先立つ語の語尾音とは同化させない。
    例: アッ・タバリー al-Ṭabarī
  3. 次の語のかな表記は統一した。
    Sayyid サイイド
    Ṭayyib タイイブ
    Najīb ナジーブ
    Ḥusain フセイン
    Maḥfūẓ マハフーズ
    Maḥmūd マフムード
    Yaḥyā ヤハヤー
    Raḥmān ラフマーン

■ ペルシャ語

  1. 原則として、現代ペルシャ語音によって統一した。
  2. 上記によって翻字(ラテン文字転写)、かな表記した。すなわち短母音はア(a)、エ(e)、オ(o)、二重母音はエイ(ei)、オウ(ou)となる。
    例: ハーフェズ(←ハーフィズ)
       オンソリー(←ウンスリー)
       ドウラトシャー(←ダウラトシャー)
    ただし伝統的表記が一般的になっているものは、「見よ項目」を設けた。
    例: ニザーミー(ガンジャの)→ネザーミー
  3. 定冠詞al-は発音されたとおりに表記した。
    例: Nezāmo l‐Molk ネザーモル・モルク
  4. 太陽文字に同化して発音される音は、そのまま表記した。
    例: Abo n‐Nezām アボン・ネザーム

■ トルコ語

  1. オスマン朝・トルコ共和国関係の人名・地名などは、原則として現代トルコ字母(ラテン文字)で表記し、かな表記もこれに従った。
  2. 特殊な文字とかな表記。
    ı 原則として ウ音
    ö 原則として オ音
    ü 原則として ユ音
    ğ イ、ウないし 長音
    c 原則として ジュ音
    ç 原則として チュ音
    ş 原則として シュ音

■ ヴェトナム語

  1. ヴェトナム語の発音をかな表記することはむずかしく、音調のせいと、その音が何番目の音節かで違いを生じ整合性を欠くが、なるべく聴覚印象が日本語の発音に沿うように統一した。
  2. ヴェトナム語表記はアクセントと声調の別は記さなかったが、アルファベットのD(d)、Đ(đ)は区別した。
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