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黄表紙

ジャパンナレッジで閲覧できる『黄表紙』の日本国語大辞典・国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集のサンプルページ

日本国語大辞典
き‐びょうし[:べウシ]【黄表紙】

解説・用例

〔名〕

(1)黄色の表紙。

*真俗交談記〔1191〕「七巻抄 黄表紙 水精軸」

*虞美人草〔1907〕〈夏目漱石〉一八「レオパルヂの隣にあった黄表子(キベウシ)の日記を持って」

*太政官〔1915〕〈上司小剣〉一「正面には浅野先生が構へ込んで、手摺れのした黄表紙の日本外史を披いた」

(2)草双紙(くさぞうし)の一つ。江戸後期、安永四年(一七七五)から文化三年(一八〇六)頃にかけて多く刊行され、黄色の表紙で、内容はしゃれ、滑稽、風刺をおりまぜた大人むきの絵入り小説。半紙二つ折本で、一冊五枚から成り、二、三冊で一部とした。代表的な作者として恋川春町、山東京伝らがいる。

*西洋道中膝栗毛〔1870〜76〕〈仮名垣魯文〉三・序「京伝は、骨董集に事実を挙(あげ)典故(もと)を訂せし、其罪至って軽(かろ)からねど、黄巻(キベウシ)茶表紙の功徳により、相半々々(ごぶごぶ)にして帳消なり」

語誌

(1)(2)は、赤本・黒本・青本と同様、表紙の色による命名。子ども向け草双紙青本は、最初萌葱色の表紙であったが、やがて黄色の表紙をつけるようになる。明和(一七六四〜七二)頃から大人を対象としたものも現われはじめ、それを黄表紙と呼ぶが、実際にはかなり後まで青本と呼ばれていたようである。

(2)文化頃から敵討物などの流行による長編化に伴い、何部かを合冊して出版するようになった。文化三年(一八〇六)「雷太郎強悪物語」以降「合巻(ごうかん)」へと移行する。

発音

キビョーシ

〓[ビョ]〓[ビョ]




国史大辞典
黄表紙
きびょうし
江戸時代の小説、草双紙の一種。草双紙は毎頁絵を入れて余白にかな文字の文を書き入れ、五丁(枚)を一冊とするものであるが、享保年代を頂点とする赤本、延享ごろから行われた黒本・青本などが、子供相手の幼稚な絵解きで知識を与え教化を目ざし、また娯楽読物として多数刊行された。やがて当時一方に行われた洒落本の影響などで、青本のなかには当世風の洒落や滑稽を主とし、かなり知識の高い成人を相手とするものがあらわれ、黄色表紙をかけるのを通例として、黄表紙と呼ばれた。安永四年(一七七五)恋川春町(こいかわはるまち)画作『金々先生栄花夢』がその最初とされる。謡曲『邯鄲(かんたん)』を翻案し、遊客の風俗、遊里の描写などに画期的な新しさを見せた。春町は以後黄表紙界の先導者として、作者自身を作中に登場させた『其返報怪談(そのへんぽうばけものばなし)』、浮薄な世相や士人の堕落を諷した『高漫斉行脚日記』や、未来記の趣向で現実をちゃかした『無益委記(むだいき)』など、独創に富む作品を多く出したが、その友人朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)はさらに細かい洗練を加え、また『親敵討腹鞁(おやのかたきうてやはらつづみ)』『桃太郎後日噺』『案内(あな)手本通人蔵』など、民話や演劇の当世風の滑稽化に独自の領域をひらいた。天明年代に入ると、黄表紙の評論が大田南畝(なんぽ)などによって始められ、山東京伝は出版界の情勢を巧みに戯画化した『御存商売物(ごぞんじのしょうばいもの)』で南畝の推賞をうけ、つぎつぎに佳作を出したが、天明五年(一七八五)の『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』はうぬぼれの青年が艶名を立てようと腐心する虚栄心を描いて、黄表紙の代表作ともいわれる。同年の千手観音の手の賃貸し商売を趣向とした芝全交の『大悲千禄本(だいひのせんろっぽん)』や金持の苦悩を誇張した唐来三和(とうらいさんな)の『莫切自根金生木(きるなのねからかねのなるき)』なども、全盛期の代表作である。安永・天明期の黄表紙は、現実をちゃかし、奔放な空想にはしり、わざと常識や道理にそむくふざけ・戯れの中に、写実的な画面や逆説によって、現実感をかもし出すのを特色とする。しかし天明の末から寛政初頭にかけての寛政の改革に取材した喜三二の『文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくとおし)』や春町の『鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち)』などが当局の弾圧を受けると、京伝はいちはやく寛政二年(一七九〇)『心学早染艸(しんがくはやそめぐさ)』で、心学教化の作風を示したが、翌三年に洒落本禁令による処罰を受けてからは、もっぱら理屈っぽい心学的教訓の作風にうつり、新しい作者として、曲亭馬琴・式亭三馬・十返舎一九などを迎えた黄表紙界はすべてこれにならった。やがて南杣笑楚満人(なんせんしょうそまひと)の『敵討義女英(かたきうちぎじょのはなぶさ)』は、滑稽味をすべて払って敵討をきまじめに扱って世の注目をあび、文化元年(一八〇四)ごろにはほとんどすべての黄表紙が敵討物になって、独特の戯謔(ぎぎゃく)に彩られた本質を失い、おのずから説話の筋を重視して長編化せざるを得なくなって、従来の五丁一冊としての二冊物・三冊物では間に合わなくなり、五冊六冊が前編後編と分けて出版せられるようになる。その製本のむだを省くために、何冊分かを合冊する試みも部分的になされていたが、文化三年三馬作の『雷太郎強悪物語(いかずちたろうごうあくものがたり)』以後はこの製本法が通常化し、草双紙形態はこの翌年をもって、黄表紙から合巻(ごうかん)に移ったとされる。それは洒落本や狂歌・川柳などと手をつないでいた黄表紙が、読本(よみほん)の作風に支配されるようになった変質を意味するものであった。黄表紙の作品を活字に翻刻したものとして『黄表紙十種』(『有朋堂文庫』)・『黄表紙廿五種』(『日本名著全集』一一)・『黄表紙洒落本集』(『日本古典文学大系』五九)・『黄表紙川柳狂歌』(『日本古典文学全集』四六)・『黄表紙集』(『古典文庫』二六四・三一三)・『江戸の戯作絵本』(『教養文庫』)などがある。→草双紙(くさぞうし),→合巻(ごうかん)
[参考文献]
潁原退蔵『江戸文芸研究』、『山口剛著作集』三、水野稔『黄表紙・洒落本の世界』(『岩波新書』青九八六)、同「草双紙とその読者」(『講座日本文学』八所収)
(水野 稔)


日本大百科全書
黄表紙
きびょうし

草双紙(くさぞうし)の一態。『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』(恋川春町(こいかわはるまち)作・画)が刊行された1775年(安永4)から、『雷太郎強悪(いかずちたろうごうあく)物語』(式亭三馬(さんば)作、歌川豊国(とよくに)画)の出版された1806年(文化3)までの草双紙約2000種の総称。名称は表紙が黄色であることによるが、前代の青本の表紙と類似するため、江戸時代は青本の名でよばれた。序文などを除き、全丁絵入りで、中本(ちゅうほん)型、5丁(10ページ)を1巻1冊とし、通常2~3巻(冊)よりなる。
当時の知識人たる武家作者によってその形式が確立されたため、知的で徹底したナンセンスな笑いをその生命としながらも、洒落本(しゃれぼん)同様に、江戸市井の現実生活を踏まえ、きわめて写実的であった点に特徴がある。絵は文と不即不離の関係にあり、絵解きも黄表紙理解の重要な鍵(かぎ)で、当代第一級の浮世絵師(鳥居清長、北尾重政(しげまさ)、喜多川歌麿(きたがわうたまろ)、歌川豊国ら)が筆をとっている。最盛期は安永(あんえい)末年から天明(てんめい)年間(1780年代)で、狂歌を中心とする天明文壇をはじめ、劇壇、画壇、吉原などの遊里と密接に関連して、『無益委記(むだいき)』(春町作・画)、『一流万金談』(朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)作、北尾政演(まさのぶ)(山東京伝)画)、『大悲千禄本(せんろっぽん)』(芝全交作、政演画)、『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』(山東京伝作・画)などの傑作を生み出すとともに、全交、京伝らの町人作者を輩出させた。
しかし、田沼意次(おきつぐ)の没落と松平定信(さだのぶ)による寛政(かんせい)の改革政治は、この政変をかっこうの材料として『文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくどおし)』(喜三二作、喜多川行麿画)、『鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち)』(春町作、北尾政美(まさよし)画)を生み出した黄表紙作者に弾圧を加え、武家作者の総退場という結果を招じ、曲亭馬琴(きょくていばきん)、十返舎一九(じっぺんしゃいっく)、三馬らを新しく作者として迎える。こうした出版取締りの強化によって、草双紙の伝統的な一側面であった教訓性が復活するとともに、伝奇的な敵討(かたきうち)物が盛行し、これが長編化して、次代の合巻を誕生させることとなるのである。
[宇田敏彦]


『金々先生栄花夢』[百科マルチメディア]
『金々先生栄花夢』[百科マルチメディア]
恋川春町(こいかわはるまち)著・画 1775年(安永4)刊 国立国会図書館所蔵

『文武二道万石通』[百科マルチメディア]
『文武二道万石通』[百科マルチメディア]
松平定信(さだのぶ)の「寛政の改革」の文武奨励策や田沼意次(おきつぐ)らの失脚をうがち、ちゃかしたもの。朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)著 喜多川行麿(きたがわゆきまろ)画 1788年(天明8)刊 国立国会図書館所蔵

『大悲千禄本』[百科マルチメディア]
『大悲千禄本』[百科マルチメディア]
芝全交(しばぜんこう)著 山東京伝(さんとうきょうでん)(北尾政演(まさのぶ))画 1785年(天明5)刊 国立国会図書館所蔵


改訂新版・世界大百科事典
黄表紙
きびょうし

江戸時代中期以後数多く出版された,絵を主とする小説である〈草双紙(くさぞうし)〉の一様式をいう。草双紙の〈黒本・青本〉のあとを受けて,外形は青本と同じく黄色表紙であるが,内容は当世の世相,風俗,事件などを流行語をまじえて写実的に描写するとともに,ことさらに常識に反し理屈を排除して,荒唐無稽な構想・表現による滑稽をもっぱらねらったもので,1775年(安永4)刊の恋川春町(こいかわはるまち)画作《金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)》から始まるとされる。春町の友人朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)も《親敵討腹鞁(おやのかたきうてやはらつづみ)》(1777)を出し,以後両人の多くの名作によって,“通(つう)”と“むだ”すなわち洒落と機知によるおかしさをねらった成人の漫画ともいうべき作風がうち立てられた。やがて芝全交(しばぜんこう)《大悲千禄本(だいひのせんろつぽん)》(1785),唐来参和(とうらいさんな)《莫切自根金生木(きるなのねからかねのなるき)》(1785),山東京伝《江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)》(1785)などによって,天明年間(1781-89)には黄表紙全盛期を迎えたが,天明末の田沼政権の没落と松平定信の寛政改革に取材した,喜三二《文武二道万石通(ぶんぶにどうまんごくどおし)》(1788)や春町《鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち)》(1789)その他が当局の忌諱に触れ,取締りが厳しくなった。京伝は《心学早染草(しんがくはやそめぐさ)》(1790)で,いちはやく黄表紙が排除してきた理屈臭さを表に掲げて心学教化風の作品を出した。十返舎一九(じつぺんしやいつく),式亭三馬,曲亭馬琴らの新人の登場した改革後の寛政後半の黄表紙は,すべてまじめな教訓を絵画による見立て・比喩・地口・語呂合せのおかしさなどで繕う傾向を示した。やがて早くから敵討に取材していた南仙笑楚満人(なんせんしようそまひと)の《敵討義女英(かたきうちぎじよのはなぶさ)》(1795)などが注目をあび,1804年(文化1)ごろからは敵討物が黄表紙を支配するにいたり,黄表紙の本質的戯謔は完全に失われる。話の複雑な筋を重視しておのずから長編化し,ために1806年(文化3)ごろから新しい製本法による草双紙の〈合巻(ごうかん)〉が生まれて,黄表紙の時期は終わる。
[水野 稔]

[索引語]
恋川春町 朋誠堂喜三二 山東京伝


新編 日本古典文学全集
黄表紙
きびょうし
【閲覧画面サンプル】
黄表紙 全体

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黄表紙 拡大

【目次】
黄表紙(扉)
凡例
金々先生栄花夢(扉)
<上>序 文に曰く、浮世は夢の如し……
<下>〔六〕金々先生傾城かけのに……
桃太郎後日噺
<上>〔一〕桃太郎、鬼が嶋へ渡り……
<下>〔八〕「鬼七めとお福め、不義を……
啌多雁取帳
<上>叙 此草紙の大意は、雁が飛べば……
<中>〔六〕毎日、箍屋殿は昔の奢り……
<下>〔一二〕大人国の明主殿の引窓……
従夫以来記
<上>序 恋川はる町先生の……
<中>〔六〕乞食小屋へ雪駄直しを……
<下>〔一二〕本所に牡丹餅寺建つ……
江戸生艶気樺焼
<上>〔一〕ここに、百万両分限とよばれ……
<中>〔九〕艶二郎、女郎買いに出ても……
<下>〔一七〕艶二郎は望みのとふり……
江戸春一夜千両
<上>序 尻の穴のひろいお江戸の……
<中>〔六〕下女はどうするかと思つたら……
<下>〔一二〕向ふの藪の中より、定九郎……
文武二道万石通
<上>序 質勝文野暮也。文勝質高慢也……
<中>〔六〕ぬらくらの大小名を見分け……
<下>〔一五〕「茶・香・生花・鞠・俳諧は……
鸚鵡返文武二道
<上>叙 曲礼に曰く、鸚鵡よく言ども……
<中>〔六〕義経・小栗の半官が門人……
<下>〔一二〕延喜帝は万機の政事を……
心学早染艸
<上>序 画草紙は、理屈臭さを嫌ふ……
<中>〔六〕人の寝たる時は、魂が……
<下>〔一三〕理太郎は、怪野が手を……
形容化景唇動 鼻下長物語
<上>序 人短勿説、物いへば……
<中>〔六〕さてもつうだ左衛門は……
<下>〔一二〕奥様のお錠口へ来る……
解説
一 草双紙の誕生
二 青本時代、黄表紙登場の前夜
三 黄表紙時代の到来
参考文献

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43. はやみち【早道】[方言]
日本方言大辞典
新潟県佐渡348佐渡方言集(矢田求)1909 岐阜県飛驒502飛驒のことば(土田吉左衛門)1959黄表紙玉磨青砥銭「なめし皮のはやみちから一文の銭を取出し」 ...
44. ひきつりひっぱり【引攣引張】[方言]
日本方言大辞典
信州下伊那郡方言集(井上福美)1936 長崎県対馬913対馬南部方言集(滝山政太郎)1944黄表紙忠臣蔵前世幕無「因縁も色々ひっつりひっぱりのあるものなり」《ひ ...
45. ひとつまなこ【一眼】[方言]
日本方言大辞典
(1)一つ目小僧。 岩手県上閉伊郡098遠野方言誌(伊能嘉矩)1926黄表紙辞闘戦新根「より集まる化物を数ふるに、見越入道にあらず、又一つ眼にあらず」(2)一目 ...
46. ひんそー【貧僧】[方言]
日本方言大辞典
集(竹田秋樓)1914飢えた者が一度に多くの食物にありつく意の「貧僧の重斎かさねどき」の例。黄表紙京伝憂世之酔醒「貧僧の重ね斎とは此の事だ。何から食はうか」 ...
47. ふー【風】[方言]
日本方言大辞典
《ふ》 長野県佐久「いーふに(良いように)」493東信濃方言集(上原邦一)1976(2)の意の例。黄表紙孔子縞于時藍染上「上(かみ)をまなぶ下々しもじもまで善き ...
48. まさげた【柾下駄】[方言]
日本方言大辞典
こまげた。 上方312東京京阪言語違 1886 大阪市637方言と大阪(猪飼九兵衛)1948黄表紙金々先生栄花夢下「やうやくぱっちしりはしょおりに、きりのまさ下 ...
49. まわす【回】[方言]
日本方言大辞典
方言辞典(山中六彦)1967 福岡県朝倉郡882三輪村地方に於ける地方言(田辺敏夫)1932黄表紙八代目桃太郎「頭からしほに、水をまはしたやうな物にて」(2)転 ...
50. めっそー【滅相】[方言]
日本方言大辞典
高知県862土佐方言集(宮地美彦)1937 大分県宇佐郡939大分県方言類集(土肥健之助)1902黄表紙文武二道万石通中「『それ勝ったぞ』『口おしひ。めっそうに ...
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黄表紙(日本国語大辞典・国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集)
黄色の表紙。草双紙(くさぞうし)の一つ。江戸後期、安永四年(一七七五)から文化三年(一八〇六)頃にかけて多く刊行され、黄色の表紙で、内容はしゃれ、滑稽、風刺をおりまぜた大人むきの絵入り小説
山東京伝(国史大辞典・日本国語大辞典・世界大百科事典)
一七六一-一八一六 江戸時代後期の戯作者・浮世絵師。本名岩瀬醒、通称京屋伝蔵、別号醒斎・醒世老人・菊亭・菊軒など、画号北尾政演、狂号身軽折輔。宝暦十一年(一七六一)八月十五日江戸深川の質屋伊勢屋伝左衛門の長子として生まれる
江戸生艶気樺焼(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
江戸時代の小説、黄表紙。山東京伝画作。三冊。天明五年(一七八五)刊。題名は「江戸前うなぎの蒲焼」のもじり。金満家仇気屋の独り息子艶二郎は醜いくせにうぬぼれが強く、悪友北里(きたり)喜之助・悪井志庵などにそそのかされ、情事の浮名を世間にひろめようと
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野白内証鑑一之巻目録自分の行状の弁解をした野郎の話秘密の色遊びはばれたが、始めより末に至って情勢が好転した野郎の大臣。その相手は羽ぶりのよい撞木町の女郎。悪性をささやいてすすめる耳塚の駕籠屋。客に肌を見せない白人の話 外面は菩薩のようだが内情は
豊後国風土記(日本古典文学全集)
豊後の国。郡は八所、〔郷は四十、里は百十〕駅は九所、〔みな小路〕烽は五所、〔みな下国〕寺は二所〔一つは僧の寺、一つは尼の寺〕である。

豊後の国は、本、豊前の国と合わせて一つの国であった。昔、纏向の日代の宮で天下をお治めになった大足彦の天皇
魯迅 その文学と革命(東洋文庫)
中国近代文学の父であり,偉大な思想家でもある魯迅は,知識人としての苦悩のなかで,中国の「寂寞」を見つめ,自らをも傷つける「革命」を志向する。著者会心の魯迅伝。1965年07月刊
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近世和歌集(日本古典文学全集)
年内立春 去年と今年の二本の緒で縒り合わせて掛けて同じ年が一本にまとまらないように、こんがらがってなかなか理解できない春はやって来た。やや趣向倒れの感がある。長嘯子としては機知を働かせたのだろうが。鶯 軒端の梅が咲いていて、一晩中鶯の到来を
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