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  11. 好色五人女

好色五人女

ジャパンナレッジで閲覧できる『好色五人女』の日本古典文学全集・世界大百科事典・日本大百科全書のサンプルページ

新編 日本古典文学全集
好色五人女(井原西鶴集)
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好色五人女(井原西鶴集)全体

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【現代語訳】
恋は闇夜を昼の国
春の海は静かに、宝船が碇をおろす、室津という所は、繁盛の大港である。
ここに酒造りを家業とする和泉清左衛門という商人があった。家は栄え、万事に不足なく、その上、息子に清十郎といって、その生れつきはおのずから業平の姿絵よりも美しく、女好きのするスタイルであった。十四の秋のころから女遊びに身を打ち込んで、この港町に遊女が八十七人いたのだが、一人として関係しないものはない有様であった。女たちから贈られた誓紙は千束ほどたまり、剥がした爪は手箱にあふれ、切らせた黒髪は大綱になわせたほどで、この綱ならどんな嫉妬深い女でもつながれることだろう。毎日、遊女たちが届ける文は山が一つできるくらい、贈物の紋付小袖はそのまま重ねて捨てておくのだが、三途の川の奪衣婆もこれを見たら欲心をなくし、高麗橋筋の古着屋も値段のつけようがあるまい。浮世蔵と戸前に書き付けて、それらいっさいを詰め込んでおいたことであった。
「こんなものをため込んでおいても、いつ得をすることがあろう。今に勘当帳に

【目次】
好色五人女(扉)
ひめぢ ニ すげがさ 好色五人女 ゑ入 一(扉)
巻一 あらまし
好色五人女 巻一 姿姫路清十郎物語
恋は闇夜を昼の国
くけ帯よりあらはるる文
太鼓による獅子舞
状箱は宿に置いて来た男
命のうちの七百両のかね
てんま ニ たる 好色五人女 ゑ入 二(扉)
巻二 あらまし
好色五人女 巻二 情けを入れし樽屋物がたり
恋に泣輪の井戸替
踊はくづれ桶夜更けて化物
京の水もらさぬ中忍びてあひ釘
こけらは胸の焼付さら世帯
木屑の杉やうじ一寸先の命
みやこ ニ こよみ 好色五人女 ゑ入 三(扉)
巻三 あらまし
好色五人女 巻三 中段に見る暦屋物語
姿の関守
してやられた枕の夢
人をはめたる湖
小判しらぬ休み茶屋
身の上の立聞き
江戸 ニ あを物 好色五人女 ゑ入 四(扉)
巻四 あらまし
好色五人女 巻四 恋草からげし八百屋物語
大節季はおもひの闇
虫出しの神鳴もふんどしかきたる君さま
雪の夜の情宿
世に見をさめの桜
様子あつての俄坊主
さつま ニ さらし 好色五人女 ゑ入 五(扉)
巻五 あらまし
好色五人女 巻五 恋の山源五兵衛物語
連吹きの笛竹息の哀れや
もろきは命の鳥さし
衆道は両の手に散る花
情はあちらこちらの違ひ
金銀も持ちあまつて迷惑



改訂新版 世界大百科事典
好色五人女
こうしょくごにんおんな

浮世草子。井原西鶴作。1686年(貞享3)刊。5巻25章。各巻すべて当時の歌謡,演劇,歌祭文などで喧伝された著名な事件をとりあげたモデル小説。巻一〈姿姫路清十郎物語〉は,手代清十郎と主家の娘お夏との恋をとりあげ,その駆落ち,清十郎の冤罪(えんざい)による処刑,お夏の出家を描いている。巻二〈情を入れし樽屋物語〉は,樽屋の女房おせんと麴屋(こうじや)長左衛門との姦通が樽屋によって発見され,おせんは自害し,長左衛門は処刑される。巻三〈中段に見る暦屋物語〉は,京の暦屋の手代茂右衛門と暦屋の女房おさんの姦通,駆落ち,発見された後の2人の処刑を描く。巻四〈恋草からげし八百屋物語〉は,江戸本郷の八百屋の娘お七と寺小姓吉三郎との恋をとりあげ,吉三郎に会いたさゆえに放火したお七は火刑に処せられ,吉三郎は出家する。巻五〈恋の山源五兵衛物語〉は,琉球屋の娘おまんと源五兵衛との恋をとりあげるが,本巻のみ,当時の草子の常套を守り,モデルの心中事件を変更してハッピー・エンドに終わらせている。このように本書は,当時著名な5組の男女の恋愛・姦通とその破綻とを主要なストーリーとしているが,恋に殉じた男女は,その悲劇的な枠の中で,はつらつと生きた人間として形象され,作中には笑いがはんらんしている。西鶴好色物の中ではもっとも親しみやすい作品であり,後世の小説や演劇に多くの影響を与えた。
[谷脇 理史]

[索引語]
西鶴 清十郎 お夏 樽屋の女房おせん おさん 八百屋お七 吉三郎 おまん 源五兵衛


日本大百科全書(ニッポニカ)
好色五人女
こうしょくごにんおんな

井原西鶴(さいかく)の浮世草子。1686年(貞享3)2月、大坂・森田庄太郎、江戸・万屋(よろずや)清兵衛より刊行。5巻5冊。巻1「姿姫路清十郎物語」は、1662年(寛文2)の姫路の商家の娘と手代との密通事件、巻2「情(なさけ)を入し樽屋(たるや)物語」は、1685年(貞享2)大坂・天満(てんま)での人妻の密通事件、巻3「中段に見る暦屋物語」は、1683年(天和3)京都の大経師(だいきょうじ)の妻女が奉公人と駆け落ちした事件、巻4「恋草からげし八百屋(やおや)物語」は、1682年(天和2)江戸で起きた娘の放火事件、巻5「恋の山源五兵衛物語」は、1660年代(寛文年間)薩摩(さつま)で起きた心中事件を、それぞれ題材としている。俗説巷談(こうだん)や流行歌謡によって広まっていた悲恋物語をもとにして、自ら犯罪の渦中に身を投ずる元禄(げんろく)女性の激しさを描いた作品である。大経師の妻おさんの新婚生活は幸福そのものであったが、たまたま手代茂右衛門をひそかに恋い慕っている下女りんの思いをかなえてやろうとした、ふとした戯れ心から、一転して不義密通の大罪を犯してしまう。その後、大胆にも変貌(へんぼう)し、擬装心中まで計画して逃亡を続けるおさんの激しい情念を、小説的虚構を設定して描いている。ついには粟田口(あわたぐち)の刑場の露と消えるおさん、幼い恋に殉じて鈴ヶ森の煙と化した八百屋お七、また、無実の疑いをかけられた報復として、麹屋(こうじや)長左衛門を誘惑し、そのために自害する樽屋の女房おせん。この作品のヒロインを通して、転変たる運命に翻弄(ほんろう)されながら犯罪の渦中に入る女性の激しさ、あわれさを浮き彫りにした西鶴初期の傑作である。

[浅野 晃]

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1. 好色五人女(井原西鶴集)
日本古典文学全集
大阪の商人の出で俳人でもあった井原西鶴は、庶民文学ともいえる浮世草子の傑作を数多く残した。西鶴の作品の中から、好色物の『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』
2. かうしょくごにんをんな【好色五人女】
全文全訳古語辞典
[書名]江戸前期の浮世草子。井原西鶴作。一六八六年(貞享三)刊。当時話題になった実際の姦通・恋愛事件に取材し、封建道徳と対決して恋に生きた女性達を描く。お夏清十
3. 好色五人女画像
日本大百科全書
井原西鶴(さいかく)の浮世草子。1686年(貞享3)2月、大坂・森田庄太郎、江戸・万屋(よろずや)清兵衛より刊行。5巻5冊。巻1「姿姫路清十郎物語」は、1662
4. 好色五人女
世界大百科事典
浮世草子。井原西鶴作。1686年(貞享3)刊。5巻25章。各巻すべて当時の歌謡,演劇,歌祭文などで喧伝された著名な事件をとりあげたモデル小説。巻一〈姿姫路清十郎
5. こうしょくごにんおんな[カウショクゴニンをんな]【好色五人女】
日本国語大辞典
江戸時代の浮世草子。五巻五冊。井原西鶴作。貞享三年(一六八六)刊。当時著名な巷説に取材し、お夏清十郎、樽屋おせん、おさん茂右衛門、八百屋お七、おまん源五兵衛の五
6. こうしょくごにんおんな【好色五人女】
国史大辞典
な資料である。テキストには『岩波文庫』、『日本古典文学大系』四七のほか、『西鶴輪講』一、『好色五人女評釈』、『日本古典文学全集』三八などがある。 [参考文献]島
7. 『好色五人女』
日本史年表
1686年〈貞享3 丙寅③〉 2・‐ 井原西鶴 『好色五人女』 刊。
8. 好色五人女(著作ID:979317)
新日本古典籍データベース
こうしょくごにんおんな 井原西鶴(いはらさいかく) 浮世草子 貞享三刊
9. 蔵開[図版]画像
国史大辞典
好色五人女 (c)Yoshikawa kobunkan Inc. 
10. 『好色五人女』[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
巻1 井原西鶴さいかく著 1686年(貞享3)刊国立国会図書館所蔵
11. あい‐くぎ[あひ‥]【間釘・合釘】
日本国語大辞典
る。*俳諧・口真似草〔1656〕四・冬氷「箱樋のあい釘となるつらら哉〈昌次〉」*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・一「湧水(わきみづ)近く根輪(ねがわ)の時、
12. あい‐つるべ[あひ‥]【相釣瓶】
日本国語大辞典
〔名〕共同で用いるつるべ。共同井戸についているつるべ。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・目録「恋に泣輪の井戸替 あい釣瓶(ツルベ)もおもひに乱るる縄有」
13. あい‐な・る[あひ‥]【相馴】
日本国語大辞典
同じ流れを汲むも、皆是多生の縁浅からず。況や相馴(ナレ)奉りて已に三年に余れり」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・一「みな川といへる女郎に相馴(アイナレ)」
14. あい‐は・つ[あひ‥]【相果】
日本国語大辞典
~04〕「Aifate, tçuru, eta (アイハツル)」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・二「米屋の八左衛門長病なりしが、今宵相果(アヒハテ)申され
15. あお‐とかげ[あを‥]【青蜥蜴】
日本国語大辞典
体色(褐色)になる。古来有毒で食べると死ぬといわれていたが毒はない。《季・夏》*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・四「それがしは、好みて青(アヲ)どかけを喰ふ
16. あかがね‐こしらえ[‥こしらへ]【銅拵】
日本国語大辞典
〔名〕目貫(めぬき)など、刀剣の装飾品を銅で作ること。また、そのもの。*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・三「さし馴し壱尺七寸の大脇差、関和泉守、銅(アカガネ
17. あか‐すじ[‥すぢ]【赤筋】
日本国語大辞典
ひしょの事「めのいろをかへたきときは、いけめば、めのうちに、あかすぢはるなり」*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・四「其様すさまじや〈略〉髭は熊のまぎれて、眼
18. あかね‐べり【茜縁】
日本国語大辞典
〔名〕茜染めの木綿のへり。また、そのへりでふちどったもの。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・四「奥様着おろしの小袖二つ、夜着ふとん、赤ね縁(ベリ)の蚊屋、む
19. あかり‐まど【明窓】
日本国語大辞典
*俳諧・若狐〔1652〕上・一「ひらき置たる箒木の巻 はれやかに月もさし入あかり窓〈友直〉」*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・三「南のかたに明り窓有て」*破
20. あがり‐かみなり【上雷】
日本国語大辞典
〔名〕雨の上がりぎわに鳴る雷。*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・二「後はふたりながら涙をこぼし不埒(ふらち)なりしに、又雨のあがり神鳴(カミナリ)あらけなく
21. あき の 初(はじ)めの七日(なぬか)
日本国語大辞典
「あき(秋)の七日(なぬか)」に同じ。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・一「折ふしは秋(アキ)のはじめの七日、織女(たなばた)に借小袖とて、いまだ仕立てより
22. あく‐しん【悪心】
日本国語大辞典
5頃〕「さてもわれ悪心外道の変化(へんげ)となって、仏法王法の障りとならんと」*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・四「二人別々(わかれわかれ)に住(すみ)て、
23. あげは‐の‐ちょう[‥テフ]【揚羽蝶】画像
日本国語大辞典
ハノテフ)となる。翅に網の紋あり」(2)紋所の名。アゲハチョウの側面の図案化。*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・二「此まへ嶋原に上羽(アケハ)の蝶(テウ)を
24. あげ‐ふ【揚麩】
日本国語大辞典
様々勧て霊山に誘引(さそひ)、稽古能過て人の帰しあとは、暮の松風、あげ麩(ブ)の音」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・二「つぶやく片手に椎茸のにしめ、あげ麺
25. あさ‐がら【麻幹・麻殻】
日本国語大辞典
〔1633〕一七「白き物こそ黒くなりけれ 麻からは皆鉄炮のはいにやき〈徳元〉」*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・一「むかひ火に麻(アサ)がらの影きへて」和
26. あさぎ‐ぬめ【浅葱絖・浅黄絖】
日本国語大辞典
〔名〕あさぎ色に染めたぬめ。ぬめは地が薄く、表面が滑らかで光沢に富む絹織物。*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・一「下に白ぬめのひっかへし、中に浅黄(アサギ)
27. あさぎ‐はぶたえ[‥はぶたへ]【浅葱羽二重・浅黄羽二重】
日本国語大辞典
〔名〕(1)あさぎ染めの羽二重。*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・三「その人の年比(としころ)におもひいたして、袖に手をさし入て見るに、浅黄(アサギ)はぶた
28. あさ‐くさ【浅草】
日本国語大辞典
若宮営作〓」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・二「銭八十と松葉屋のかるたと浅草(アサクサ)の米まんぢう五つと、世に是よりほ
29. あさ‐ながめ【朝眺】
日本国語大辞典
もしろさ、西行は何しって松島の曙、蚶潟(きさかた)のゆふべを誉(ほめ)つるぞ」*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・三「朝〓(あさかほ)のさかり
30. あさまし・い【浅】
日本国語大辞典
頃〕三・藤衣「院の御悩み重くならせ給ひて、八月六日いとあさましうならせ給ひぬ」*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・五「あたら浮世に親はあさましく、其身は恋より
31. あ〓し【悪】
日本国語大辞典
170〕二・紅葉の御狩「宿世(すくせ)かしこければ、あしき日も障りなかるべし」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・四「『けふの首途(かどで)あしや』と、皆々腹
32. あして‐そくさい【足手息災】
日本国語大辞典
「誠に、加様に足手息災に、旦那廻りを致すと申も、ひとへに太神宮の御影で御座る」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・四「高砂の炭屋の下女、何心もなく、『足手(ア
33. あすかがわ の 茶(ちゃ)入(い)れ
日本国語大辞典
川の茶(チャ)入を、妹が轆轤(ろくろ)引にしづめ、定家の三首物の表具はづして」*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・五「飛鳥(アスカ)川の茶入かやうの類ごろつき
34. あずかり‐てがた[あづかり‥]【預手形】
日本国語大辞典
返済期日を明記しないで、貸し主の請求があればいつでも返済しなければならない約束のもの。*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・五「おのれには預(アツカ)り手形(テ
35. あずけ‐お・く[あづけ‥]【預置】
日本国語大辞典
苅萱〔1631〕上「三月たつて、みもふたつになるならは、めのとにあつけをき申」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・五「子細はそなたの兄弟契約の御かたより当寺へ
36. あそび‐どころ【遊所】
日本国語大辞典
本蒙求抄〔1529頃〕二「上林苑の奉行が雑掌を構へ、遊ひ処をこしらゆるを云ぞ」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・三「曲太鞁(きょくだいこ)大神楽(だいかぐら
37. あたま‐つき【頭付】
日本国語大辞典
〔名〕(1)頭のかたち。かしらつき。(2)髪の結い具合。かみかたち。*浮世草子・好色五人女〔1686〕三・五「若ひもの集て頭(アタマ)つきの吟味、
38. あてど も 無(な)い
日本国語大辞典
めあてもない。心あたりもない。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・二「薬代の当所(アテト)もなく、手づからやく〓んにてかしらせん
39. あて‐な【宛名・当名】
日本国語大辞典
〔名〕(1)手紙や書類などに書く先方の氏名、または住所氏名。宛先の名。*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・二「当名(アテナ)皆清さまと有て、うら書は違ひて」*
40. あとさす【跡差】[方言]
日本方言大辞典
雑誌(雑誌)日葡辞書「アトヲ ツガウ、またはatouo sasu(アトヲ サス)」浮世草子好色五人女四・二「吉三郎様の事か、おれと今迄跡あとさして臥ける」《あと
41. あと 知(し)る
日本国語大辞典
(「知る」は、領有するの意)家督、財産を相続する。*浮世草子・好色五人女〔1686〕五・三「其死人の弟をすぐに跡しらすなど、又は一門より似合(にあは)しき入縁(
42. あと を 差(さ)す
日本国語大辞典
*日葡辞書〔1603~04〕「アトヲ ツガウ、または、atouo sasu (アトヲ サス)」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・二「吉三郎様の事か、おれと今
43. あな‐ぐら【穴蔵・穴倉】
日本国語大辞典
納穴蔵〓畢」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・一「穴蔵(アナグラ)の蓋とりあへずかる物をなげ込しに、時の間の煙となって」*
44. あに‐ぶん【兄分】
日本国語大辞典
*俳諧・貝おほひ〔1672〕二番「兄分に梅をたのむや児桜(ちござくら)〈蛇足〉」*浮世草子・好色五人女〔1686〕四・五「さしあたっての迷惑我ぞかし。兄分(アニ
45. あめ が 降(ふ)る
日本国語大辞典
雨の降るのにたとえた言い方)(1)雨の降るように流れる。雨の降るように見える。*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・五「間もなく泪(なみだ)雨ふりて」*俳諧・続
46. あやか・る【肖】
日本国語大辞典
に、三人の者共に、名を付て下されひ」*易林本節用集〔1597〕「似 アヤカル」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・二「お子を清十郎にいだかせ、膝へ小便(しし)
47. あら‐た【新】
日本国語大辞典
大菩薩と申すは、応神天皇の応化(おうげ)、百王鎮護の御誓ひ新(アラタ)なれば」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・四「夜半とおもふ時、老翁枕神に立せ給ひ、あら
48. あらた・める【改・革】
日本国語大辞典
しないように監督する。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・一「此女もとは夫婦池のこさんとて、子おろしなりしが、此身すぎ世にあらためられて、今は其むごき事をやめ
49. あり‐あり【有有・在在】
日本国語大辞典
〕上「裾の蹴廻(けまは)しには〈略〉ただよふ浜千鳥、げにありありと縫はれける」*浮世草子・好色五人女〔1686〕一・四「『〈略〉汝おしまぬ命はながく、命をおしむ
50. あり‐あわ・せる[‥あはせる]【有合】
日本国語大辞典
下二〕(1)ものがちょうどよくその場にある。たまたまそこにある。持ち合わせる。*浮世草子・好色五人女〔1686〕二・三「幸(さいわひ)遣銀(つかひぎん)は有合す
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