1. 傾城買四十八手
世界大百科事典
洒落本。1冊。山東京伝作画。1790年(寛政2)刊。〈しつぽりとした手〉〈やすひ手〉〈見ぬかれた手〉〈真(しん)の手〉から成る。吉原の大見世・小見世の,さまざま
2. けいせいかいしじゅうはって[ケイセイかひシジフハッて]【傾城買四十八手】
日本国語大辞典
洒落本。一巻一冊。山東京伝作・画。寛政二年(一七九〇)刊。客と遊女との恋の手管を、「しっぽりとした手」「やすい手」「見ぬかれた手」「そはそはする手」「真の手」に
3. けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】
国史大辞典
江戸時代後期の洒落本。山東京伝作。寛政二年(一七九〇)刊。一冊。さまざまのタイプの遊客遊女との会話を四つの場面に描き分け、遊興・恋愛における男女の手くだ・技巧
4. 『傾城買四十八手』
日本史年表
1790年〈寛政2 庚戌〉 この年 山東京伝 『傾城買四十八手』 刊。
5. 傾城買四十八手(著作ID:167486)
新日本古典籍データベース
けいせいかいしじゅうはって 山東京伝(さんとうきょうでん) 作・画 洒落本 寛政二刊
6. あいそう も 小想(こそう)も=尽(つ)きる[=尽(つ)き果(は)てる]
日本国語大辞典
る」に同じ。*雑俳・柳多留‐四〔1769〕「ぶつに買あいそうこそうつきたどら」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「講釈しながら二三枚やれば、たいこ
7. あか‐とび【赤鳶】
日本国語大辞典
〔名〕染色の名。赤みがかったとび色。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「あか鳶の田中八丈、うらゑりなしの、かたのあたりすこし油でよごれた下着ばかり
8. あか‐にし【赤螺】
日本国語大辞典
かうにもり」*俳諧・桜川〔1674〕春・二「赤にしや入日をあらふ春の海〈忠知〉」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「此鮹のあしはくさって居るぜ。栄螺(
9. あく‐えん【悪縁】
日本国語大辞典
0〕油屋「美しい若衆形をふっと見てから、思ひ切るにも切られぬ悪縁(あクヱン)」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「ホンニぬしとわっちは、悪縁(アクヱン)
10. あじ[あぢ]【味】
日本国語大辞典
廿歌仙〔1680〕卜宅独吟「忍山狐があぢに化けをった 向ひの谷の天狗我を折る」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「百介がくこの匂ひ、心をあぢに
11. あすこへ沖山検校(おきやまけんぎょう)
故事俗信ことわざ大辞典
付けて検校名のようにいったしゃれ。「何々山」という言い方は、昔のむだ口の一つ。 洒落本・傾城買四十八手(1790)見ぬかれた手「又あすこへ煙管筒(きせろづつ)を
12. あどけ‐な・い
日本国語大辞典
遊びにうまみ有てよし」*雑俳・柳多留‐二三〔1789〕「あどけない商人筆をおっ付ける」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「とかくけいせいはあど
13. あん‐ま【按摩】画像
日本国語大辞典
と云も按摩して身体を玩弄してととのへしむるぞ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「二朱はかし本やのはらひ、一分はあんまの心づけと心のうちではさん用
14. いい‐かげん【好加減】
日本国語大辞典
までいっているので、もうほどほどにしたいさま。このくらいでおわりにしたいさま。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「しったかいいかげんにしやれや と小声
15. いい‐きぜん【好気前】
日本国語大辞典
〔形動〕(「きぜん」は「気前(きまえ)」の音読)自分勝手でいい気なさま。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「いいきぜんな。色々な事をいってくる」*滑稽本
16. いかり を 下(お)ろす
日本国語大辞典
2〕一・二「此揚屋に碇(イカリ)をおろし、三十年が五十年でも宿へは帰らぬ覚悟」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「客はわが通なるゆへ、たいこ持も心
17. 碇(いかり)を下(お)ろす
故事俗信ことわざ大辞典
32)一・二「此揚屋に碇(イカリ)をおろし、三十年が五十年でも宿へは帰らぬ覚悟」洒落本・傾城買四十八手(1790)見ぬかれた手「客はわが通なるゆへ、たいこ持も心
18. いけ‐そうぞうし・い【─
・─騒騒(サウザウ)】
日本国語大辞典
〔形口〕(「いけ」は接頭語)いやにさわがしい。たいへんやかましい。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「コレ銀治や、いけそふぞふしひ、ぶしゃれめへぞよ」
19. いちざ‐きゃく【一座客】
日本国語大辞典
悩ぬはなし。殊更一座客(キャク)のこなし、調謔(たはぶれ)しめやかに情ふかく」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「〔一座きゃく〕今夜はでへぶは
20. いっ‐せつ【一切】
日本国語大辞典
否定とともに用いる。例、コノホウニ ヲイテixxet (イッセツ) ベチギワ ゴザナイ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「『ときにこんばんはおひ
21. いつか‐じゅう[‥ヂュウ]【何時中】
日本国語大辞典
〔名〕(「いつかちゅう」とも)先ごろうち。この前いつか。せんだって。いつかうち。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすい手「おめへいつかぢう着てきた八丈を」*
22. いつつ‐ぶとん【五蒲団】
日本国語大辞典
樺焼〔1785〕中「五つぶとん、にしきの夜着(よぎ)で寝るだけ、ぢにならねへ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「床おさまって、五つぶとんのう
23. いつづけ‐びより[ゐつづけ‥]【居続日和】
日本国語大辞典
〔名〕帰らないで連日遊興するのに具合がよい天候の状態。雨や雪降りの天候。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「『こまかくふりんすよ』『いい居つづけびより
24. い‐み【意味】
日本国語大辞典
修め家を斉るを推とせんか、されば此里に来ぬが通者なりといひけん金言を意味すべし」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「右のおいらんが煙草の火でむ
25. いやだの鮨(すし)
故事俗信ことわざ大辞典
いやだ。類音で、魚の「こはだ」「いなだ」にかけていうしゃれ。 洒落本・傾城買四十八手(1790)やすひ手「いやならこっちもいやだのすしだ」洒落本・三人酩酊(17
26. いやだ‐の‐すし【嫌鮨】
日本国語大辞典
〔名〕(「いなだの鮨」をもじった語)「嫌だ」と否定の意をあらわす語。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「いやならこっちもいやだのすしだ」*洒落本・三人
27. いる[ゐる]【居】
日本国語大辞典
る)」と同じような活用をさせた例がある。「もししったきゃくがゐらば、をしうりせんと」〔洒落本・傾城買四十八手‐見ぬかれた手〕(3)中古以前にも、〔三〕(イ)と形
28. うそ‐さみし・い【薄寂】
日本国語大辞典
し〔形シク〕(「うそ」は接頭語)「うそさびしい(薄寂)」に同じ。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「すべて女郎やのひるみせ時分は夜ふけよりも、かへって二
29. うまら ぬ
日本国語大辞典
川哉」(2)苦労してもそのかいがない。割に合わない。ひきあわない。つまらない。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「今さらいったとてうまらぬ事だ」*歌舞伎
30. えどえず の 川(かわ)という筋(すじ)
日本国語大辞典
(江戸の絵図には川筋が青く塗ってあったことから)額の青筋をしゃれていう語。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「呑(のみ)ゑゑもしねへ酒をくらって、ひて
31. 江戸絵図(えどえず)の川(かわ)という筋(すじ)
故事俗信ことわざ大辞典
額の青筋。江戸絵図には川筋が青く塗ってあったことからいうしゃれ。 洒落本・傾城買四十八手(1790)やすひ手「呑(のみ)ゑゑもしねへ酒をくらって、ひてへをみや、
32. 江戸繁昌記 1 37ページ
東洋文庫
子供や婦人の白くまるまるとした腕を「繭棒几」という。ここは双のふともも (参考) 本節は、京伝作『傾城買四十八手』に拠っている。析三更を打し、閨楼眠に就ぎ、只聞
33. お‐あし【御足・御銭】
日本国語大辞典
一三・釈教「百のおあしをつかひこそすれ 毘沙門の気にあふ物は蜈蚣にて〈貞徳〉」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「あのね、はかなぎさんがね、どふぞおあ
34. おおち‐ぎり[おほち‥]【大内桐】
日本国語大辞典
〔名〕「おおうちぎり(大内桐)」の変化した語。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「ゑち川が注文ばたにて、おほち桐をおった壁ちょろのひらぐけをし
35. おお‐みせ[おほ‥]【大店】
日本国語大辞典
大みせ小みせ交(まじり)みせ」*雑俳・川傍柳〔1780~83〕四「爰は大見世と四五人すぐ通り」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「内は大見世、客は
36. お‐かか‐さん【御母様】
日本国語大辞典
講釈〔1772〕六「粗相(そそう)云うたら、お母(カカ)さんでも利(き)かぬぞ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕真の手「そしてお母(カカ)さんの病気はどふで
37. おし が 強(つよ)い
日本国語大辞典
*咄本・聞上手〔1773〕幽霊「幽霊に成てとり殺して見せふぞ。ヱヱおしのつよい、よしてくれろ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「てめへたちやァ、くが
38. 押(お)しが強(つよ)い
故事俗信ことわざ大辞典
咄本・聞上手(1773)幽霊「『幽霊に成てとり殺して見せふぞ』『ヱヱおしのつよい、よしてくれろ』」洒落本・傾城買四十八手(1790)やすひ手「てめへたちやァ、く
39. お‐たのしみ【御楽】
日本国語大辞典
のはやりは扇屋のきかふさん、丁子やがはてな、ぶしやれまいぞ、おたのしみざんす」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「『おたのしみざんすね』きこへ
40. おもしろ‐だぬき【面白狸】
日本国語大辞典
よんで上げませふ」*雑俳・柳多留‐二〇〔1785〕「おもしろだぬきよこに来ておこす也」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「『むだをいはずとききなんし。
41. 面白狸(おもしろだぬき)
故事俗信ことわざ大辞典
よんで上げませふ」雑俳・柳多留‐二〇(1785)「おもしろだぬきよこに来ておこす也」洒落本・傾城買四十八手(1790)やすひ手「『むだをいはずとききなんし。その
42. おもた‐まし【重増】
日本国語大辞典
茶屋なぞへいってきいておりひすに。ふりまし。をもたまし。みちまし。あぶれ。なぞといひす」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「年は二十二三とみへ、で
43. おん‐でも‐な・い【恩─無】
日本国語大辞典
1〕五・七「此水海(みづうみ)がとろろ汁ならば、をんでもなふ食いかねはせまひ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「あはれもそっとせい高くあらば昼三
44. かえり‐うま[かへり‥]【帰馬】
日本国語大辞典
運んで行き、空(から)で帰途についた馬。普通より安い値で利用することができる。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「かへり馬のだちんに早く一分くれろ
45. 帰(かえ)り馬(うま)の駄賃(だちん)
故事俗信ことわざ大辞典
すまして空荷(からに)で帰る馬に、他の荷物を安くのせて手間賃を得ること。行き掛けの駄賃。 洒落本・傾城買四十八手(1790)見ぬかれた手「かへり馬のだちんに早く
46. かき‐つけ【書付】
日本国語大辞典
吉原の台の物屋から、毎日遊女屋へ配る料理の献立表。遊女らはこれによって自分の好むものを注文する。*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「ときに是ばかりじゃ
47. 化政文化画像
日本大百科全書
的遊びが横溢おういつしている。これを集大成したのが山東京伝さんとうきょうでんで、洒落本『傾城買四十八手けいせいかいしじゅうはって』はその代表作である。ついで式亭
48. かちゅう‐もの【家中者】
日本国語大辞典
。家中。*雑俳・桜の実〔1767〕四「隣へもひっかけて行家中者(カチウモノ)」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「見ぬかれた手 内は大見世、客は家
49. かっこう‐もの[カッカウ‥]【恰好者・恰好物】
日本国語大辞典
ちょうどよいもの。*雑俳・柳多留‐六〔1771〕「つけ登せかっこうものにくらいこみ」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕見ぬかれた手「目鼻だちよく、あはれもそっ
50. かべ‐チョロ【壁著羅】
日本国語大辞典
〕上「よかるべるかるべくべるさいかべちょろちょろちょろちょろけんあるめんさい」*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕しっぽりとした手「おほち桐をおった、壁ちょろの