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万葉仮名

ジャパンナレッジで閲覧できる『万葉仮名』の国史大辞典・日本国語大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典のサンプルページ

国史大辞典
万葉仮名
まんようがな
日本語を表記するために、漢字の字音や字訓を利用して表音的に用いたもの。用法の上からは仮名の一種であって漢字本来の表意的な使い方とは異なるが、文字の形としては漢字であり、漢字を省画化した片仮名や略草化した平仮名とは異なる。奈良時代以前の漢字専用の時代には、仮名としてはこれに限られた。特に『万葉集』において多種多様に用いられ、用字法として早くから研究されたのでこの名がある。漢字を真名というのに対して真仮名とも称し、平安時代以降にはこの呼び方が普通である。万葉仮名の種類には、漢字の字音を借りた音仮名(字音仮名とも)と、漢字の字訓を借りた訓仮名(字訓仮名とも)とがあり、字訓に基づいて文字遊戯的に漢字を仮名として用いたものを特に戯書(ぎしょ)と呼ぶ。音仮名は万葉仮名の主力であり、それだけを綴って語句や歌謡を表記することができる。漢字の字義を捨て表音的に用いることは、漢字六書(りくしょ)の一つの仮借(かしゃ)によったもので、中国ですでに行われており、外国の固有名詞や漢訳仏典の陀羅尼などがこの方法で表記されている。これに対して訓仮名は、全体として見れば音仮名に比べて用いられる場が限られる。訓仮名は漢字が日本に伝来し、その意味に対応する日本語が訓として定着した後にこれを仮名として用いたものである。音仮名のもととなった字音には、奈良時代以前に一般化した中国南方系の呉音と呼ばれる音、後に入った北方系の漢音と呼ばれる音とがある。『古事記』や平城宮跡出土木簡では呉音、『日本書紀』では漢音を主として用いている。六、七世紀の金石文では、居(ケ)・移(ヤ)など呉音や漢音に合わないものが用いられている。周代の古音もしくは漢・魏時代の音と説かれ、近年は当時の朝鮮漢字音に基づくと説かれている。平仮名や片仮名では一字が一音節に対応するが、万葉仮名では、阿(ア)・伊(イ)・加(カ)・岐(キ)・袁(ヲ)のように一字が一音節を表わすほかに、漢字音では子音で終る三内撥音 -m,-n,-〓や、三内入声音 -p,-t,-kを持つものには、音仮名とする際に母音を添加して二音節を表わすものもある。敢(カム)・君(クニ)・相(サガ)や塔(タフ)・乞(コチ)・落(ラク)のようにである。これらの漢字音は、一方では子音を切り捨てて、甘(カ)・反(ヘ)・香(カ)や甲(カ)・乙(オ)・尺(サ)のように用いる場合もある。一字が二音節以上を表わす仮名を多音節仮名、原音の一部を切り捨てた場合を略音という。多音節仮名は訓仮名にもあり、助動詞の鶴(ツル)・益(マシ)、助詞の鴨(カモ)・社(コソ)・谷(ダニ)・管(ツツ)、接尾語を含む巻(マク)・雲(クモ)などのほか、地名や人名の表記にも多用される。二音節以上の訓を持つ字の訓の一部を利用して、市(チ)・跡(ト)のように用いた場合を略訓という。逆に嗚呼(ア)・石花(セ)のように二字以上で一音節を表す仮名もある。戯書は遊戯的な意図があり、個人的で一回的なものである。擬声に基づく馬声(イ)・蜂音(ブ)・喚鶏(ツツ)・神楽声(ササ)、数字の組合せによる十六(シシ)・八十一(クク)、遊戯の折木四(カリ)、漢字の字形を分析的にとらえた山上復有山(出、イデ)などがある。日本で日本語を表記した最古の遺品は五世紀中葉ないし六世紀初頭の金石文であり、埼玉県稲荷山古墳出土鉄剣銘、熊本県船山古墳出土大刀銘、隅田八幡神社人物画象鏡銘が知られる。そこでは、人名・地名の固有名詞を「意富比〓(オホヒコ)」「斯鬼(シキ)宮」のように音仮名で表わしている。音仮名を固有名詞の表記に用いることは推古朝―天武朝の金石文でも引き続き行われるが、普通語を語の段階で音仮名で表わすことも行われ始めたらしく、七世紀末から八世紀初頭の藤原宮跡出土木簡では、貢進札などに調・贄の普通名詞の物品名を「佐米(鮫)」「須々岐(鱸)」など音仮名で常に表記するばかりでなく、「卿爾(ニ)受給請欲止(ト)申」のように助詞を表わしたり、一般の普通語を音仮名で表わしたりしたものもある。平城宮跡出土木簡でも同様である。この方式は宣命の表記にも見られ、『正倉院文書』の中に「春佐米乃阿波礼(サメノアハレ)」「都我不(ツガフ、番)」など表わされているものに通ずる。音仮名だけで文を綴るのは和歌のような韻文を表記する場合であって、散文においては、正訓字として訓が未だ定着しない語や訓注・音注などの表記に用いられ、しかも音仮名で表わされるのは一文中の語か句の段階にとどまっており、正訓字に支えられ、その中に挾まれて使われていた。『正倉院文書』の天平宝字年間(七五七―六五)の仮名文書二通がほとんど音仮名だけで尺牘(せきとく)らしい散文を綴っているのは、当時としては稀なものである。一方、訓仮名も推古朝―天武朝の金石文に固有名詞を表記するのに見られ、大宝二年(七〇二)の『御野(美濃)国戸籍』をはじめとする『正倉院文書』の戸籍の人名表記に多量多彩に用いられている。奈良時代以前の万葉仮名は上代特殊仮名遣を反映して、エ・キ・ケ・コ・ソ・ト・ノ・ヒ・ヘ・ミ・メ・ヨ・ロおよび『古事記』ではモの仮名に甲乙二種が区別されているが、清音と濁音の区別については『古事記』のように厳密に書き分ける文献と、『正倉院文書』の仮名文書のように全く書き分けない文献とがあり、その間に諸種の文献が存した。平安時代に平仮名・片仮名が成立した後も、万葉仮名は真仮名として使われ、歌謡や記録体の中の歌・唱え言、古辞書・音義の和訓などには真仮名専用文が用いられ、『新撰万葉集』のような特異な歌集や真名本などには正訓字と混用する形で用いられている。→片仮名(かたかな),→上代特殊仮名遣(じょうだいとくしゅかなづかい),→平仮名(ひらがな)
[参考文献]
上代語辞典編修委員会編『時代別国語大辞典』上代編、春登『万葉用字格』、大矢透『仮名源流考及証本写真』、春日政治『仮名発達史序説』(『国語科学講座』)、橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』、大野晋『上代仮名遣の研究』、大野透『万葉仮名の研究』、同『続万葉仮名の研究』、馬淵和夫『上代のことば』、稲岡耕二『万葉表記論』、築島裕『仮名』(『日本語の世界』五)、森本治吉「万葉集の研究―用字法を中心として―」(『(岩波講座)日本文学』所収)、西宮一民「日本書紀の仮名と巻々の成立」(『日本上代の文章と表記』所収)、橋本四郎「多音節仮名」(沢瀉博士喜寿記念論文集刊行会編『(沢瀉博士喜寿記念)万葉学論叢』所収)、同「ことばと字音仮名」(『万葉』三〇)、同「訓仮名をめぐって」(同三三)、犬飼隆「万葉“仮名”から仮名へ」(『国語学』九三)
(小林 芳規)


日本国語大辞典
まんよう‐がな[マンエフ‥]【万葉仮名】

解説・用例

〔名〕

日本語を表記するために表音文字として用いた漢字。「万葉集」に多く用いられているところからいう。漢字の音を用いた音仮名、漢字の訓を借用した訓仮名、戯書などがある。ふつうは、「阿(あ)」(音仮名)「木(き)」(訓仮名)などの一字で一音節を表わすものをいう。六世紀ごろの金石文に既に用いられ、「万葉集」などの上代の文献に広く用いられたが、平安時代以後はこの仮名を草体化した平仮名や略体化した片仮名が主として用いられるようになってあまり使われなくなった。真仮名。

*歌舞伎・名歌徳三舛玉垣〔1801〕五立「平仮名の其内に、『ぞ』といふ文字は万葉仮名で、是でも入筆でござりませぬか」

*日本開化小史〔1877〜82〕〈田口卯吉〉一・二「漢学の渡りし後、直に其音を採りて其言伝を記す、古事記、万葉集の類是なり、之を万葉仮名と言ふ」

*家〔1910〜11〕〈島崎藤村〉下・六「その中には、忠寛の歌集、万葉仮名で書いた短冊、いろいろあるが」

発音

マンヨー〓

〓[ヨ] [0]〓[ー]

辞書

言海

正式名称と詳細

表記

萬葉仮名言海




日本大百科全書
万葉仮名
まんようがな

漢字の音・訓を仮借(かしゃ)して、日本語の音韻表記に用いた表音文字。漢字の音を仮借した「安(あ)、加(か)」などの音仮名と、訓を仮借した「三(み)、女(め)」などの訓仮名とに大きく分類される。漢字の表音的用法は古く中国にみえ、固有の文字がなかった日本でもこの方法を用いたもので、『万葉集』に豊富にみえることから万葉仮名とよぶ。平仮名、片仮名はこれから成立した。漢字と形が同じであることから真仮名(まがな)ともいう。
[沖森卓也]



改訂新版・世界大百科事典
万葉仮名
まんようがな

《万葉集》に用いられた仮名の意。片仮名,平仮名に対して,真仮名(まがな)ともいう。広い意味では,漢字一つ一つを本来の表意文字としてではなく,日本語の表音のために借り用いる用法のすべてを含めていう。狭い意味では,そのうちの漢字1字が日本流の1音節を表す仕組みになっている用法を指す。用法についていうのであって,字形は漢字そのままである。ただ漢字の字形は,印刷活字体と手がき字体とは別であり,また主として手がきではそれぞれに楷,行,草の様式が区別され,さまざまであるから,万葉仮名として用いる漢字の字形も同じくさまざまである。万葉仮名の名称は,その用法が《万葉集》に最も著しいからで,それ以前また同時代の他の文献に見えるものや,《万葉集》以後のものをも指す。古い例は,6世紀ころの金石文,つまり推古朝時代の造像銘記,墓誌銘などの固有名詞の表記に現れる。初めは漢字の字音を応用する音仮名,次いで定着した和訓を応用する訓仮名が生じた。しだいに固有名詞以外の場合にも用い,音仮名,訓仮名を1語について混用するようにもなった。記紀歌謡は字音仮名を用いるが,《万葉集》には自由自在な用法が見られる。これらの古い万葉仮名の1字1音のものでは,清音と濁音を別の字で表した。なお平安時代以後の万葉仮名(たとえば,《新撰万葉集》《日本紀竟宴和歌(にほんぎきようえんわか)》《真名本伊勢物語》あるいは古辞書の和訓などに見えるもの),現代の万葉仮名(女性の人名,商標,雅名などに用いるもの)も含めて指すことができる。

万葉仮名と同じ用法を日本語以外の言語について用いる場合がある。古く中国では,外来の言語を表音的に写すのに仮借(かしや)の方法を多く用いた。ことに日本の万葉仮名に影響があったのは,仏教界で訳経の際にサンスクリットの固有名詞や重要な概念についての仮借であったといわれる。また古代朝鮮の吏読(りとう)(吏吐,吏道とも)もその一つに擬せられる。その方法は,西欧の言語を中国語の文章にとり込むときにも多用される。しかしそれらは日本人の日本語についての万葉仮名とはいちおう区別をして,漢字による写音もしくは音写といわれる。その意味で《魏志倭人伝》に見える日本語と思われる地名,人名などの漢字表記も,中国側の写音であるから,厳密にいえば,万葉仮名の名には含められない。

広義の万葉仮名には,漢字1字が日本語の1音節を表す,いわゆる1字1音式万葉仮名を含めて,さまざまな形式がある。

たとえば1字1音式では,(1)字音仮名 (a)字音全体を借りるもの 阿(あ),伊(い),加(か)。(b)字音の韻尾を省略して借りるもの 安(あ),因(い),甘(か)。(2)字訓仮名 (a)字訓全体を借りるもの 吾(あ),射(い),鹿(か)。(b)字訓の頭音だけを借りるもの 髪(か)。

また2字1音式では,(1)字音仮名 上字が主で,下字はその母音を繰り返すもの(主として地名など) 渭伊(ゐ),斐伊(ひ),紀伊(き),由宇(ゆ)。(2)字訓仮名 (a)下字が主で,上字をそえて2字熟字にしたもの 摂津(つ)。(b)熟字 海藻(め)。などに分けることができるが,音訓両仮名を自在に交えたり,さらに孤悲(こひ),河波(かは),楊奈疑(やなぎ)のように表意的用法と一体になった用法も行われる。この場合の〈悲(ひ)〉〈波(は)〉〈奈疑(なぎ)〉は,送り仮名もしくは捨仮名と同じものともみえる。これらの用法のほかに,文字に関する万般の知識を応用した下記のような遊戯的な表記もある。〈下風(あらし)〉〈馬聲・蜂音・石花・蜘蟵(い・ぶ・せ・くも)〉〈山上復有山(いで)(出)〉〈向南(きた)〉〈八十一(くく)〉〈十六(しし)〉〈重二(し)〉〈並二(し)〉〈喚鶏(つつ)〉〈羲之(てし)〉など,本来中国にも行われた一種の字謎(じなぞ)である。

通常,万葉仮名の分類は,江戸時代末期の僧春登(しゆんとう)の《万葉用字格》のものが著名で,次の8範疇(はんちゆう)に分類する。(1)正音 渡(と),度(ど),土(ど)。(2)略音 騰(と),藤(ど),杼(ど)。(3)正訓 戸(と),門(と),常(とこ),等(ども),地(ところ),比歳(としころ)。(4)義訓 〈鋒心(とごころ)〉の鋒(と),令響(どよむ)。(5)略訓 常(と),十(と),鳥(と)。(6)約訓 跡云(とふ),常磐(ときは)。(7)借訓 〈和須良牟砥(わすらむと)〉の砥(と),〈常念弊利(つねにおもへと)〉の利(と),〈過鞆(すぎぬとも)〉の鞆(とも)。(8)戯書 〈不知・二五・寸許瀬(いざ・とを・きこせ)〉の二五(とを)。

音仮名には,古い呉音(または,それより古い字音)で読むものと,奈良時代においては新しかった漢音で読むものと2種ある(字音)。《古事記》《万葉集》その他は呉音もしくはより古い字音を用い,《日本書紀》は漢音によるといわれている。訓仮名は,新旧の違いをあまり区別することができないが,日本語の歴史全体からみれば,古い定訓によっている。また,1音節にあてる漢字字種は,初めは統一がなく同音の複数の字が採用されたから,1字1音式といっても,その1字は,平仮名,片仮名の組織での1字とは違う。多様な字が,同じ音を表すという点で群を作り,そのメンバーの一つ一つは互いに等価値だから,そのうちのどれをとってもよいという形にまとめられる。同一の音節に,10や20の種類がみられることがある。もっとも,これはそれら多数の字種を一人の書き手が同時に自由に使ったのではなく,多くの別の書き手の残した文献から抽出して並列した姿である。そのなかで,《古事記》の万葉仮名は,少数の字種で意識的に制限して書いてある。その事実に着目したのが本居宣長で,《古事記伝》総論に〈仮字の事〉として万葉仮名を概説するとともに,同じ音と考えられる万葉仮名の使い分けを論じた。それを受けて,石塚竜麿(いしづかたつまろ)の《古言清濁考》《仮字遣奥山路(かなづかいおくのやまみち)》が生じ,橋本進吉に引き継がれて,橋本のいわゆる〈上代特殊仮名遣い〉の事実の発見となった(表を参照されたい)。平安時代を含めて以後の時代の万葉仮名は,奈良時代およびそれ以前の場合とは違って,平仮名と同じく清濁を区別しないものとなり,また音韻組織の変化(甲・乙2類の音の区別の消失)に応じて変貌(へんぼう)した。漢字仮名との併用時代に入ってからは,万葉仮名は,むしろ特殊な表記法となった。
[山田 俊雄]

[索引語]
真仮名 漢字 音仮名 訓仮名 字謎 万葉用字格 古事記 本居宣長 石塚竜麿 上代特殊仮名遣い


万葉仮名の表1
万葉仮名の表2
<表中テキスト>
(1)1字1音式万葉仮名の字母(奈良時代およびそれ以前のもの) (・印以下は字訓仮名を示す)
[表す音節] [用いる字母]
あ 阿安婀鞅英・足吾
い 伊以異已移易怡印壹夷因・射膽
う 宇?于羽有雲烏禹紆・卯菟得鵜?
え 愛亞衣依哀埃・得榎荏(や行のえを参照)
お 意於淤隱憶應飫乙?
か 加迦可訶甲箇架嘉哥汗賀何荷歌介伽哿河軻柯舸珂甘・香蚊鹿髮芳歟
が 我賀何荷河蛾餓俄鵝峨奇宜
き(甲) 伎岐吉棄支企枳妓耆祇祁〓・寸杵來
ぎ(甲) 藝祇〓儀蟻伎
き(乙) 紀幾貴奇寄綺騎基氣〓規己歸記機・木城樹黄
ぎ(乙) 疑宜擬義
く 久玖苦丘九鳩口君群句?倶區矩衢?〓・來
ぐ 具遇求隅愚虞群
け(甲) 祁家計鷄介價谿結奚啓稽係・異
げ(甲) 牙下雅夏霓
け(乙) 氣〓該戒階居開愷凱慨★希擧・毛飼食消笥
げ(乙) 宜?礙皚義
こ(甲) 古故孤姑高庫?枯顧固・粉兒子籠小
ご(甲) 吾呉後胡虞悟誤娯侯
こ(乙) 許去居虚興己忌巨擧★據渠・木
ご(乙) 碁其期凝語御馭
さ 佐左沙作紗酢柴草散積者★差娑磋瑳匝讚尺・狹?羅
ざ 邪奢社射謝奘裝★藏座
し 斯志師新芝紫之子思時旨指司詞事四寺信次此死茲伺璽辭嗣施?詩絶矢始★試資至偲・爲磯
じ 自士仕慈盡貳兒爾珥耳茸餌時・下
す 須周洲州酒珠秀素主蒭輸殊數・渚簀酢栖樔爲
ず 受授聚孺儒殊
せ 勢世西齊施細制是劑栖・背湍瀨迫
ぜ 是筮噬
そ(甲) 蘇素宗祖泝嗽・十麻
ぞ(甲) 俗
そ(乙) 曾則所僧憎諸増賊贈層・背苑衣襲
ぞ(乙) 敍序賊存茹?鋤
た 多他當丹黨???〓大侈太・田手
だ 太陀娜??大?
ち 知智致★笞池馳至恥陳珍直・千乳血茅道路
ぢ 遲治地膩尼泥〓
つ 都川追通菟途屠突徒覩豆頭圖・津
づ 豆頭弩〓逗圖
て ?帝底提天題諦・手價直代
で 傳殿?泥代低涅提弟耐田
と(甲) 斗刀土妬都覩杜圖徒塗屠度渡・利戸速礪聰門砥疾鋭
ど(甲) 度奴怒渡土
と(乙) 登等止得苔騰縢藤〓臺・迹跡鳥常十
ど(乙) 杼騰縢藤特廼耐
な 那奈難南儺乃娜寧・七名菜魚嘗中莫
に 爾邇仁而尼耳日二人柔珥貳?・荷似煮煎丹瓊
ぬ 奴濃農努怒★・宿沼寐渟
ね 禰泥尼年涅?・根宿
の(甲) 怒努弩奴・野
の(乙) 能乃廼・篦笑荷
は 波播破〓幡八半伴方芳泊薄簸巴絆婆防房??・羽葉齒者
ば 婆伐磨魔麼縻
ひ(甲) 比卑臂必賓嬪避譬?・日檜氷
び(甲) 毘鼻婢妣弭寐彌
ひ(乙) 斐肥悲飛非妃彼被祕費・火樋乾干簸
び(乙) 備肥眉媚縻
ふ 布賦敷不否輔赴浮甫府符富負・歴經乾
ぶ 夫扶矛?部父歩
へ(甲) 幣平弊陛覇敝反返遍蔽??俾・隔重部邊
べ(甲) 辨便別謎婢
へ(乙) 閇倍陪背杯沛俳珮拜・?戸經綜
べ(乙) 倍毎陪謎
ほ 富本番蕃菩品保朋抱寶凡褒報譜倍?袍陪方・帆穗火
ぼ 煩
ま 麻摩萬末磨馬滿★魔麼・眞〓目信鬼
み(甲) 美彌民瀰弭寐?・御見三視水參
み(乙) 微味未尾・箕身實
む 牟武无務無鵡模謀夢霧茂?・六
め(甲) 賣咩馬面綿迷謎・女婦
め(乙) 米迷昧梅毎妹・目眼
も 毛母茂望文聞忘蒙畝問門勿木暮謀慕謨梅悶墓★物・裳藻哭喪裙(《古事記》では毛(甲),母(乙))
や 夜移耶野楊也椰〓揶陽〓・八屋矢箭
ゆ 由喩遊?踰臾油愈瑜・湯弓
え 延曳`遙叡・吉枝江兄
よ(甲) 用容欲庸・夜
よ(乙) 余與豫餘預譽已・四世代吉
ら 羅良樂浪邏??★
り 理利梨里隣離?釐
る 留流琉類?樓蘆漏瑠盧婁
れ 禮例列烈連戻黎
ろ(甲) 漏路樓露魯婁盧
ろ(乙) 呂侶盧里稜慮廬
わ 和丸?倭・輪
ゐ 韋位謂爲委萎偉威・井猪居
ゑ 惠回衞隈廻穢慧?畫・咲坐座
を 袁遠乎越呼怨烏弘塢嗚?日・少〓雄男緖尾小麻綬
(2)上代特殊仮名遣いの見られる語
え(あ行のえ.ふつう〈衣〉を代表の字母とする) 得(え),榎(え),荏(え),え見ず(副詞のえ),ええしやこしや(感動詞のええ),可愛男(えをとこ),蘆★(えつり),蒲陶・萄葡(えび・えびかづら),蝦夷(えびす・えみし)
え(や行のえ.ふつう〈江〉を代表の字母とする) 江(え),枝(え),兄(え),消(きえ),稗(ひえ),笛(ふえ),胞(え),父母江(父母え.呼掛けの助詞)
き(甲) 酒(き),杵(き),寸(き),き(過去の助動詞),着(き・きる),聞(きき・きく・きこゆ),雉(きぎし),瘡(きず),穢(きたなし),衣(きぬ),絹(きぬ),昨日(きのふ),際(きは),極(きはまる・きはみ・きはむ),競(きほふ),君(きみ),肝(きも),〓(きよし),秋(あき),商(あきなふ),明(あきらか),息(いき),沖(おき),垣(かき),盃(さかづき),先(さき),椿(つばき),時(とき),錦(にしき),紫(むらさき),雪(ゆき)
ぎ(甲) ?(あぎ),兎(うさぎ),限(かぎり・かぎる),炎(かぎろひ),雉(きぎし),鴫(しぎ),劍(つるぎ),凪(なぎ),渚(なぎさ),握(にぎる),霍公鳥(ほととぎす)
き(乙) 霧(きり),木(き),城(き),奥墓(おくつき),莖(くき),月(つき),調(つき),槇(まき)
ぎ(乙) 杉(すぎ),水葱(なぎ),萩(はぎ),楊(やぎ・やなぎ),荻(をぎ)
け(甲) 異に(けに),無けなくに(なけなくに),今日(けふ),けむ・けり(助動詞),叫(さけぶ),武(たけし)
げ(甲) 海月(くらげ)
け(乙) 池(いけ),誓(うけひ),公(おほやけ),畑(はたけ),肅(かそけし),安(やすらけし),寛(ゆたけし)
げ(乙) 影(かげ),大角豆(ささげ),歎(なげき・なげく),鬚(ひげ)
こ(甲) 粉(こ),子(こ),小(こ),籠(こ),越(こし),戀(こふ),駒(こま),水手(かこ),柔(にこやか・にこよか),都(みやこ),男(をとこ・をのこ)
ご(甲) 砂(いさご),〓(みさご)
こ(乙) 木(こ),心(こころ),九(ここのつ),腰(こし),こそ(助詞)答(こたふ),言・事・異(こと),此(この),好(このむ),乞(こふ),殺(ころす),衣(ころも),聞(きこす・きこゆ),遺(のこす・のこる)
ご(乙) 濁(にごる),拭(のごふ),如(ごと)
そ(甲) 十(そ),麻(そ),袖(そで),杣(そま),空(そら),遊(あそび・あそぶ),爭(あらそふ),石・磯(いそ),裾(すそ)
ぞ(甲) 算(かぞふ)
そ(乙) 背(そ),苑(そ),衣(そ),襲(そ),底(そこ),其(そこ),現(うつそみ),遲(おそし),こそ(助詞)
ぞ(乙) 去年(こぞ),何ぞ(なぞ)
と(甲) 利(と),戸(と),門(と),隣(となり),問(とふ),取(とる),貴(たふとし)
ど(甲) 思ふ共(おもふどち),門(かど),立處(たちど),辿(たどる),集(つどふ),宿(やど)
と(乙) 十(と),跡(と),鳥(と),時(とき),常磐(ときは),常葉(とこは),床(とこ),所(ところ),年(とし),整(ととのふ),殿(との),飛(とぶ),通(とほる),友(とも),厭(いとひ・いとふ),音(おと),弟(おと),言・事・殊(こと),如(ごと),霍公鳥(ほととぎす)
ど(乙) ど(助詞),悒(いきどほる),滯(とどこほる),和(のどに),綠(みどり),宿(やどり・やどる),躍(をどる)
の(甲) 野(の),篠(しの),凌(しのぐ),思(しのふ),樂(たのし・たのしび),角(つの)
の(乙) 篦(の),荷(の),の(助詞),遺(のこす・のこる),拭(のごふ),後(のち),和(のどに),のみ(助詞),飲(のむ),飮(のむ),命(いのち),飲(いのる),己(おのれ),此(この),好(このむ)
ひ(甲) 日(ひ),檜(ひ),氷(ひ),峽(かひ),貝(かひ),匙(かひ),稗(ひえ),光(ひかり・ひかる),引(ひき・ひく),〓(ひこ),久(ひさし),雲雀(ひばり),響(ひびき・ひびく),姫(ひめ),間(あひだ),相(あひ),鶯(うぐひす),乞?(こひのむ)
び(甲) 薄氷(うすらび),背(そびら),旅(たび),遍(たび),?鼠(むささび),蕨(わらび)
ひ(乙) 火(ひ),樋(ひ),干(ひ),簸(ひ),戀(こひ)
び(乙) 葦牙(あしかび),穎(かび),吉備(きび),飛かける(とびかける)
へ(甲) 重(へ),隔(へ),家(へ),へ(助詞),邊(へた),隔(へだたる・へだつ),古(いにしへ),反(かへす・かへり・かへる),蛙(かへる),前(まへ),女郎花(をみなへし)
べ(甲) 便(すべ),壁(かべ),部(べ)
へ(乙) 戸(へ),舳(へ),瓮(へ),竈(へ),上(へ),喘(あへく),上(うへ),永久(とこしへ),苗(なへ),贄(にへ)
べ(乙) 可(べし),諾(うべ),鍋(なべ)
み(甲) 三(み),水(み),御(み),み(接尾語),見(み・みる),命(みこと),岬(みさき),〓(みさご),道(みち),水(みづ),綠(みどり),瑞(みづ),蜷(みな),海(うみ),上(かみ),髪(かみ)
み(乙) 身(み),箕(み),實(み),皆(みな),孤(みなしご),神(かみ),廻(み・みる),のみ(助詞),闇(やみ)
め(甲) 女(め),召(めす),姪(めひ),めり(助動詞),菖蒲(あやめぐさ),恨(うらめし),示(しめす),姫(ひめ)
め(乙) 目(め),芽(め),海藻(め),惠(めぐみ・めぐむ),回(めぐらす・めぐり・めぐる),珍(めづらし),天(あめ),雨(あめ),雀(すずめ),爪(つめ),豆(まめ),夢(ゆめ)
も(甲) 百舌(もず),百(もも),妹(いも),鴨(かも),雲(くも),守(まもる)
も(乙) も(助詞),持(もつ),本(もと),物(もの),思(もふ),衣(ころも)
よ(甲) 夜(よ),よ(〈より〉と同じ意の助詞),宵(よひ),呼(よぶ),いさよふ,通(かよふ),〓(きよし),眉(まよ),紛(まよふ)
よ(乙) 四(よ),世(よ),吉(よ),〓(よ),よ(詠嘆,呼掛けの助詞),強(つよし),橫(よこ),由(よし),吉(よき・よし),寄(よす),外(よそ),淀(よど・よどむ),宜(よろし),萬(よろづ),響(とよむ),及(およぶ)
ろ(甲) 炎(かぎろひ),黑(くろ),白(しろ),袋(ふくろ),室(むろ),天木香(むろのき)
ろ(乙) 色(いろ),兄(いろえ),母(いろは),後(うしろ),愚(おろか),下(おろす),嘶(ころろく),代(しろ),心(こころ),比(ころ),殺(ころす),衣(ころも),所(ところ),神籬(ひもろき),滅(ほろぼす),筵(むしろ),脆(もろし),諸(もろもろ),社(やしろ),慶(よろこび・よろこぶ),宜(よろし),萬(よろづ)
注-(1)の表のうち,〈え〉の2種および〈き〉〈け〉〈こ〉〈そ〉〈と〉〈の〉〈ひ〉〈へ〉〈み〉〈め〉〈よ〉〈ろ〉ならびに〈も〉(《古事記》のみ)と,そのうち濁音の考えられるものに,甲・乙2類の区別が語によって使い分けられている.(2)の表は,甲・乙2類がそれぞれどのような語に用いられたかを例によって示した.とくに乙類オ列音〈こ〉〈そ〉〈と〉〈の〉〈よ〉〈ろ〉〈も〉について,意味単位の音節結合に一定の傾向があることをよみ取ることができる.たとえば,〈心〉の〈こ〉〈こ〉〈ろ〉3音節はいずれも乙類で貫かれている.最近の学説では,さらに古い時代には多くの音節について甲・乙2類の区別が存在したものと推定するが,通説に従った.
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万葉仮名の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 459
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検索コンテンツ
1. 万葉仮名
日本大百科全書
にみえ、固有の文字がなかった日本でもこの方法を用いたもので、『万葉集』に豊富にみえることから万葉仮名とよぶ。平仮名、片仮名はこれから成立した。漢字と形が同じであ ...
2. 万葉仮名
世界大百科事典
,中国側の写音であるから,厳密にいえば,万葉仮名の名には含められない。 広義の万葉仮名には,漢字1字が日本語の1音節を表す,いわゆる1字1音式万葉仮名を含めて, ...
3. まんよう‐がな【万葉仮名】
デジタル大辞泉
漢字の表す意味とは関係なく、漢字の音や訓をかりて国語の音を表記するのに用いた漢字。万葉集に多く用いられているので、この名がある。字音によるものとして、阿米(アメ ...
4. まんよう‐がな[マンエフ:]【万葉仮名】
日本国語大辞典
『ぞ』といふ文字は万葉仮名で、是でも入筆でござりませぬか」*日本開化小史〔1877〜82〕〈田口卯吉〉一・二「漢学の渡りし後、直に其音を採りて其言伝を記す、古事 ...
5. まんようがな【万葉仮名】
国史大辞典
座』)、橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』、大野晋『上代仮名遣の研究』、大野透『万葉仮名の研究』、同『続万葉仮名の研究』、馬淵和夫『上代のことば』、稲岡耕二『万 ...
6. 萬葉假名(まんようがな)
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 11ページ ...
7. まんようがな【万葉仮名】[標準語索引]
日本方言大辞典
じいろは ...
8. 萬葉假名 (見出し語:假名)
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 11ページ ...
9. まんにょう‐がな【万葉仮名】
デジタル大辞泉
《「まんにょう」は「まんよう」の連声(れんじょう)》⇒まんようがな(万葉仮名)  ...
10. 実用万葉仮名一覧[図版]
国史大辞典
(c)Yoshikawa kobunkan Inc.  ...
11. あ
日本大百科全書
平仮名の「あ」は「安」の草体から、また、片仮名の「ア」は「阿」の偏から変化してできたものである。万葉仮名では「阿、安、婀、鞅(以上音仮名)、足(訓仮名)」などが ...
12. 会田誠
日本大百科全書
重ねた四曲一双屏風『題知らず』、グアム、サイパンなど、かつての玉砕の島への観光ちらしの上に座礁したイルカと、万葉仮名で「海ゆかば」の歌詞を描きなぐった四曲一双屏 ...
13. あうら【足占】
国史大辞典
判じたのではないかといっている。『万葉集』四に「月夜には門に出で立ち夕占問ひ足卜をそせし行かまくを欲り」(原万葉仮名)とある。 (大藤 時彦)  ...
14. あお【青】
国史大辞典
青韋という。動物の毛色の青は、黒みがちの緑をいい、『万葉集』二〇に「水鳥の鴨の羽の色の青馬」(原万葉仮名)とみえ、羚羊を「あおしし」「かもしし」と呼ぶのもこれが ...
15. 葵(源氏物語) 64ページ
日本古典文学全集
若いからよく笑いもする。古人の作った詩歌の辞句など。興にまかせて書き散らす意。草書あるいは草仮名(万葉仮名を草体に崩した書体)。漢字。仮名に対して本字の意。ここ ...
16. あおうまのせちえ【白馬節会】
国史大辞典
これに大陸輸入の風俗が習合したものと解される。家持の「水鳥の鴨羽の色の青馬を今日見る人は限りなしといふ」(原万葉仮名、『万葉集』二〇)の歌をはじめ「今日はあを馬 ...
17. あき‐つ‐は【秋葉】
日本国語大辞典
も着るがね〈作者未詳〉」挙例の歌が「万葉集」中の唯一の例である。万葉仮名「都」は清濁両用であり、「あきづは(蜻蛉羽)」と解する説もあるが、「匂へる」に続くことか ...
18. あき‐ぬ【秋野】
日本国語大辞典
〔名〕(現在、「の」の甲類の万葉仮名とされている「怒・努・弩」などを「ぬ」と読んだことからできた語)「あきの(秋野)」に同じ。 ...
19. あきはぎじょう【秋萩帖】
デジタル大辞泉
ぼん)。小野道風筆と伝えられる。万葉集などの和歌48首と王羲之(おうぎし)の手紙を、草書体の万葉仮名で書いたもの。書名は巻頭の歌「あきはぎの…」による。秋萩歌巻 ...
20. あきはぎじょう[あきはぎデフ]【秋萩帖】
日本国語大辞典
小野道風筆と伝える平安中期の書跡。「万葉集」などの歌四八首と王羲之の手紙五七行を万葉仮名の草体で書き写したもの。書名は巻頭の歌「あきはぎの…」に由来する。国宝。 ...
21. あさじぬ‐はら【浅篠原・浅小竹原】
日本国語大辞典
〔名〕(現在、「の」の甲類の万葉仮名とされている「怒」を「ぬ」と読んだことからできた語)「あさじのはら(浅篠原)」に同じ。 ...
22. あさ‐ぬ【浅野】
日本国語大辞典
〔名〕(現在、「の」の甲類の万葉仮名とされている「怒、努、弩」などを「ぬ」と読んだことからできた語)「あさの(浅野)」に同じ。 ...
23. あしがらおぶね【足柄小船】
国史大辞典
古代―中世の造船技術からみて、単材の刳船であろう。『万葉集』三に「とぶさたて足柄山に船木きり」(原万葉仮名)とあり、足柄山の船材の豊富さを思わせるが、『万葉集略 ...
24. 排蘆小船(近世随想集) 261ページ
日本古典文学全集
文字はまつたく仮の物にて、其義をふかくいふにもをよぶまじき事也」。漢字音のこと。『日本書紀』『万葉集』の万葉仮名などによる表記を念頭においている。通常と異なる訓 ...
25. 排蘆小船(近世随想集) 263ページ
日本古典文学全集
契る」では主客転倒になる。遐年は、はるか遠い年のこと。『和歌の浦』二に「万葉摘書」として、「万葉仮名チガヒ」「万葉書」の用例が列挙されており、宣長が早くから『万 ...
26. 排蘆小船(近世随想集) 278ページ
日本古典文学全集
波久とよませたり」。『日本書紀』の神代巻上下のこと。ウタヨミは歌謡の直前に見える語であるが、万葉仮名による訓注は神武紀に所見。宣長の頭書「日本紀第三、神武帝紀、 ...
27. 飛鳥時代
日本大百科全書
儒教など中国の学術、文化の影響にもみるべきものがあった。すでに漢字を用いて国語を表記するいわゆる万葉仮名も考案使用されるようになり、不自由ながら日本語を漢字で表 ...
28. あらたまぐん【麁玉郡】
国史大辞典
。現在はみかん栽培に転換する農家が多い。なお『万葉集』の「あらたまの伎倍(きへ)の林に」(原万葉仮名)などの歌にみえるあらたまは、この麁玉郡と関係があるものとい ...
29. あらぶるひとまつろわぬひと【あらぶるひと・まつろわぬひと】 : 蝦夷
国史大辞典
い。神武紀の歌謡に「えみしをひだり(一人)ももなひと(百人)人はいへども手向かひもせず」(原万葉仮名)とあるのは、それであろう。人名によく「えみし」が用いられた ...
30. い
日本大百科全書
五十音図第1行第2段の仮名。平仮名の「い」は「以」の草体から、片仮名の「イ」は「伊」の偏からできたものである。万葉仮名では「伊、以、異、夷、已(以上音仮名)、射 ...
31. い
日本国語大辞典
っており、主格でないことが明らかである。(3)(3)の第二例「香のい金光有りて」の「のい」は万葉仮名で「乃伊」と記してある。(4)これらの用法について、(イ)主 ...
32. いかるがぐん【何鹿郡】京都府:丹波国
日本歴史地名大系
例ナキニアラズ」としている。また「丹波誌」にも「斑鳩ノ産地ナルヲ以テ古人ガ爾名ヅケタリト云フ(中略)万葉仮名ニテ如何流鹿ト書キ或ハ何如留鹿ナド書キタルヲ国名郡名 ...
33. いしうら【石占】
国史大辞典
古代における占法の一つで、『万葉集』三に、「夕占問ひ石占以ちて(下略)」(原万葉仮名)と歌われているが、その方法はよくわからない。伴信友が『正卜考』に石を持ち ...
34. 石塚龍麿
日本大百科全書
『古言清濁考(こげんせいだくこう)』(1795完稿、1801刊)は宣長の推賞を受けた。本書は上代文献の万葉仮名について調査し、後世と異なるものがあることを明らか ...
35. いしづか‐たつまろ【石塚龍麿】
日本国語大辞典
江戸後期の国学者、国語学者。遠江(静岡県)の人。本居宣長に学び、古代語の語法、特に万葉仮名遣いを研究。著に「仮名遣奥山路」「古言清濁考」など。明和元〜文政六年( ...
36. いしづかたつまろ【石〓竜麿】
国史大辞典
歳の時、本居宣長に入門し、宣長没後は本居春庭に入門した。宣長の古代国語の研究を継承し、上代の万葉仮名の用法を精査して、古語の清濁を正し、後世のそれとの異同を明ら ...
37. いちい[いちひ]
日本国語大辞典
経云櫟子〈上音歴 伊知比〉相似大於椎子者也」(2)イチイガシの実でつくった酒。*正倉院文書‐万葉仮名文〔奈良〕(寧楽遺文)「止毛知宇良波、伊知比爾恵比天、美奈不 ...
38. いなみの【印南野】
国史大辞典
『万葉集』三の柿本人麻呂の歌に「稲日野も行き過ぎかてに思へれば心恋しき可古の島見ゆ(一に云ふ湖見ゆ)」(原万葉仮名)とあり、『枕草子』にも野のうちで有名なものの ...
39. 妹背山婦女庭訓(浄瑠璃集) 363ページ
日本古典文学全集
ひっそりと質素に暮すこと。習字の手本や紙類を入れる手箱。口にくわえて、湿らせる。習字の手本。平仮名・片仮名・万葉仮名(行・草・大篆・小篆・隷書)の七書体のいろは ...
40. いろは歌
日本大百科全書
『金光明最勝王経音義(こんこうみょうさいしょうおうきょうおんぎ)』(1079写)に記載された万葉仮名によるものである。これを含め、古い時代の「いろは歌」は、みな ...
41. いろは歌
世界大百科事典
承暦3年(1079)本の《金光明最勝王経音義(こんこうみようさいしようおうぎようおんぎ)》に万葉仮名で書かれているのが現存最古で,1109年(天仁2)に源信僧都 ...
42. いろはうた【いろは歌】
国史大辞典
知所〓付借字」として、次のように、万葉仮名を用いて、七字ずつに区切って示されている。 [画像]  ...
43. いわたの【石田野】長崎県:壱岐郡/石田町
日本歴史地名大系
人のいづらとわれを問はば如何に言はむ」とある。石田野は壱岐国石田郡内の野という意であろうが、万葉仮名では「伊波多野」であり、石田郡の「和名抄」東急本の訓(以之太 ...
44. いわゆのかりみや【石湯行宮】
国史大辞典
この時中大兄・大海人両皇子もともに訪れたとし、『万葉集』一「熟田津に船乗りせむと月待てば」(原万葉仮名)の歌の左註は、この時の斉明天皇の作としている。宮の所在地 ...
45. いんみょうろんしょみょうとうしょう[インミャウロンショミャウトウセウ]【因明論疏明燈抄】
日本国語大辞典
注釈書とはいえ、日本の著述界における最初の大論述であり、因明の研究者には必読の書とされる。また、万葉仮名による和訓が数条あり、注の部分は書陵部本名義抄に引用され ...
46. う
日本大百科全書
平仮名の「う」は「宇」の草体から、片仮名の「ウ」は「宇」の冠(かんむり)から変化してできたものである。万葉仮名では「于、汗、有、宇、烏、羽(以上音仮名)、卯、兎 ...
47. うかいべ【鵜飼部】
国史大辞典
持統天皇の吉野行幸に、柿本人麻呂が「大御食に仕へ奉ると上つ瀬に鵜川を立ち下つ瀬に小網刺し渡す」(原万葉仮名)と歌い、吉野に鵜飼のあったことを証している。『養老令 ...
48. うこ【痴】
日本国語大辞典
刺しけく知らに 吾が心し いや于古(ウコ)にして」(1)この語は万葉仮名「于古」であるのに対し、「をこ」は「袁許」であり、上代特殊仮名遣いでは「古」(甲類)、「 ...
49. うず【髻華】
国史大辞典
本書紀』景行天皇十七年条の思邦歌(くにしのびうた)には「平群の山の白橿が枝を于受にさせ」(原万葉仮名)とみえ、『万葉集』一九には新嘗会の料として「島山に照れる橘 ...
50. うなみごう【宇納郷】富山県:越中国/射水郡
日本歴史地名大系
「日本地理志料」では「納」の音が「奈布」から「奈比」へ、さらに「奈美」へ転音したものと解する。万葉仮名の「宇奈比」が当初から「宇納」の文字に対する訓であるか否か ...
「万葉仮名」の情報だけではなく、「万葉仮名」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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万葉集(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典・日本古典文学全集)
飛鳥・奈良時代の歌集。二十巻。〔成立〕現在見る形にまとめられたのは何時か不明。制作年代のもっとも新しい歌は天平宝字三年(七五九)正月の大伴家持の作歌だから、最終的編纂はそれ以後になる。最近の伊藤博説によれば、巻一から巻十六まで
柿本人麻呂(改訂新版 世界大百科事典・日本大百科全書)
《万葉集》の歌人。生没年,経歴とも不詳ながら,その主な作品は689-700年(持統3-文武4)の間に作られており,皇子,皇女の死に際しての挽歌や天皇の行幸に供奉しての作が多いところから,歌をもって宮廷に仕えた宮廷詩人であったと考えられる。
額田王(改訂新版・世界大百科事典)
《万葉集》第1期(舒明朝~壬申の乱)の女流歌人。生没年不詳。《日本書紀》天武天皇条に,鏡王の娘で,はじめ大海人皇子(のちの天武天皇)に嫁して十市皇女を生んだとあるほかは,伝もつまびらかでない。父の鏡王に関しても不明。出生地についても大和国,近江国の2説あるが,どちらとも決定しがたい。
万葉仮名(国史大辞典・日本国語大辞典・日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
日本語を表記するために、漢字の字音や字訓を利用して表音的に用いたもの。用法の上からは仮名の一種であって漢字本来の表意的な使い方とは異なるが、文字の形としては漢字であり、漢字を省画化した片仮名や略草化した平仮名とは異なる。奈良時代以前
大伴家持(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典)
『万葉集』末期の代表歌人、官人。旅人の子。少年時の727年(神亀4)ごろ父に伴われ大宰府で生活し、730年(天平2)帰京。737年ごろ内舎人。745年(天平17)従五位下。翌3月宮内少輔。7月越中守として赴任した。751年(天平勝宝3)少納言となって帰京。
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ま‐がな 【真仮名・真仮字】(日本国語大辞典)
漢字を、そのままの字形で国語の音を示すために用いたもの。万葉がな。片仮名。*俚言集覧〔1797頃〕「真仮字とは今いふ万葉仮字にて、真字にて書たるをいふなり。片仮字、平仮字に対へて真仮字といふなり。此真仮字といふ名目は後に出来たる名目にて、古へは但仮字といひし也」
上代特殊仮名遣い(日本大百科全書・世界大百科事典・日本国語大辞典)
7、8世紀の日本語文献には、後世にない仮名の使い分けがあり、それは発音の違いに基づくというもの。キケコソトノヒヘミメモヨロおよびその濁音ギゲゴゾドビベの万葉仮名は、それぞれ二つのグループ(橋本進吉の命名により甲類、乙類とよんでいる)に分類でき、グループ間で
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