1. しゃうてつものがたり【正徹物語】
全文全訳古語辞典
[書名]室町時代の歌論書。二巻。正徹著。上下二巻は別々の成立と見られる。定家崇拝の立場をとり、歌作の心得などを随筆風に記したもの。 ...
2. 『正徹物語』
日本史年表
1448年〈文安5 戊辰〉 この年以降宝徳二年までの間 正徹 『正徹物語』 成る。 ...
3. 正徹物語
日本大百科全書
室町前期の歌僧正徹の歌論書。2巻。2巻のうち上巻を『徹書記物語』、下巻を『清巌茶話(せいがんさわ)』と区別する伝本もある。成立は1448年(文安5)と1450年 ...
4. 正徹物語
世界大百科事典
歌論書。正徹著。2巻。1448-50年(文安5-宝徳2)ころ成立。別名《正徹日記》,また上巻を《徹書記物語》,下巻を《清巌茶話》とするものもある。正徹の自著とも ...
5. しょうてつものがたり[シャウテツものがたり]【正徹物語】
日本国語大辞典
室町時代の歌論書。二巻。正徹著。上巻を「徹書記物語」、下巻を「清巖茶話」とそれぞれ別の書名を持つ伝本もあり、上下成立の事情を異にするという説もある。成立年時は未 ...
6. しょうてつものがたり【正徹物語】
国史大辞典
歌論書。二巻。正徹著。二巻のうち上巻を「徹書記物語」、下巻を「清巌茶話」と称するものもある。下巻は智蘊の聞書と見る説もあるが未詳。成立年時は文安五年(一四四八 ...
7. ありあり‐て【有有─・在在─】
日本国語大辞典
とるべきかな」*宇治拾遺物語〔1221頃〕六・六「所々参りありきつるに、ありありてかく仰せらるるよ」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「了俊音もせずして聞きゐて、 ...
8. いい‐は・る[いひ‥]【言張】
日本国語大辞典
〔他ラ五(四)〕自分の主張を曲げずに述べたてる。主張する。言い通す。言い立てる。*正徹物語〔1448〜50頃〕上「一座ことごとく負のよし申侍りしを、我一人いひは ...
9. いか‐ほど【如何程】
日本国語大辞典
三色の音曲いか程、急に似合ひたる曲風いか程と、音曲の句数を定めて、一番を建立するを、能作るとは申す也」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「詞の用捨もなく、心の善悪 ...
10. いかん とも
日本国語大辞典
方法に困る意を表わす。現代口語では、文語的表現。どうにも…(できない)。何とも…(ない)。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「至極のよき歌は理の外なる事也。いかん ...
11. いし に 立(た)つ矢(や)
日本国語大辞典
岩に立つ矢。*謡曲・恋重荷〔1423頃〕「唐国(からくに)の、虎と思へば石にだに立つ矢のあるぞかし」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「寄虎恋にては〈略〉此題は生 ...
12. いち‐ご【一後】
日本国語大辞典
〔名〕いちばんあと。最後。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「末座の輩は一後に書く也」 ...
13. いち‐ねん【一念】
日本国語大辞典
」*発心集〔1216頃か〕五・母妬女手指成蛇事「一念なり共、くゆる心を発(おこ)すべき也」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「一度に歌をおほく読むには、初一念に取 ...
14. いちや‐ひゃくしゅ【一夜百首】
日本国語大辞典
〔名〕漢詩、和歌などの題を百定めて、一夜のうちに百首詠むこと。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「初心のほどは無尽に稽古すべき也。一夜百首、一日千首など早歌もよみ ...
15. いっ‐こう[‥カウ]【一向】
日本国語大辞典
明らめ得たり」*曾我物語〔南北朝頃〕二・頼朝北条へいで給ふ事「一かう彼れをうち頼み、年月を送り給ふ」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「伏見院は〈略〉仮名は一向に ...
16. いつ の 程(ほど)
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001〜14頃〕宿木「『うちつけに、いつの程なる御契りにかは』とうち笑ひて」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「宮内卿は廿よりうちになくなりしかば、 ...
17. 歌枕
世界大百科事典
読むことゝ思ひ付きて,読み侍る計(ばか)りにて,伊勢の国やらん,日向の国やらんしらずとこたへ侍るべき也〉(《正徹物語》)という正徹の言は,その辺の事情を物語って ...
18. うち‐ぎき【打聞】
日本国語大辞典
「これも続後撰よりうちつづき二たび三たびの家々のうちききにも、歌あまたいり給へる人なれば」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「現葉集は打聞にて侍るか。家々に皆打聞 ...
19. うめただちょう【梅忠町】京都市:中京区/日彰学区地図
日本歴史地名大系
。平安中期以降は三条東洞院大路西。室町時代、禅僧で歌人の正徹の宅があったという。その歌論集「正徹物語」に「我が家は三条東洞院にありしなり。其向ひに奉行の治部と云 ...
20. えん【艷】
日本国語大辞典
後鳥羽院御口伝〔1212〜27頃〕「うるはしくたけある姿あり、或ひはやさしくえむなるあり」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「行雲廻雪の躰とて、雪の風にふかれ行き ...
21. えん‐ぎょうどう[‥ギャウダウ]【縁行道】
日本国語大辞典
*長門本平家物語〔13C前〕九・待宵侍従事「まだ早旦なる心地して、えんぎゃうだうしてましましけるに」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「西行は一期(いちご)行脚に ...
22. えん‐ぎょうどう【縁行道】
仏教語大辞典
縁儀とも。 2 経文や念仏を唱え、あるいは冥想などしながら仏堂や屋敷の縁側、長廊下などを歩くこと。 正徹物語 上 「西行は一期行脚にて、歌を読みしかば、縁行道し ...
23. おい‐すがい[おひすがひ]【追次】
日本国語大辞典
〔名〕追いかけて続くこと。追いすがうこと。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「払ふらんそがひに渡る初雁の涙つらなる峯の松風 そがひはおひすがひ也」 ...
24. おい‐すが・う[おひすがふ]【追次】
日本国語大辞典
〔1001〜14頃〕乙女「かういふ、さいはひ人の腹のきさきがねこそ、また、おひすがひぬれ」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「そがひはおひすがひ也。おひすがひて飛 ...
25. 老のすさみ(連歌論集) 125ページ
日本古典文学全集
故に為に廟を立て、号して朝雲と曰ふと」。この巫山の神女の話は、『愚見抄』、類従本『愚秘抄』、『正徹物語』では、幽玄の別体、行雲・廻雪体を説明するために引用されて ...
26. おだむら【小田村】岡山県:小田郡/矢掛町
日本歴史地名大系
正徹は小田の地頭小松康清の子として生れたといわれる。室町時代の代表的歌人として知られ、歌集「草根集」、歌論書「正徹物語」などを残した。北西には神戸山城跡があり、 ...
27. おも‐ぶり【面振】
日本国語大辞典
いひ出でしといふ面(オモ)ぶりなり」(2)物事のやり方などに現われた様子。その人の持つ、態度や個性。*正徹物語〔1448〜50頃〕上「定家と家隆との本歌の取様、 ...
28. おり‐あ・う[をりあふ]【折合】
日本国語大辞典
〔自ワ五(ハ四)〕(1)重なる。重なりあう。*正徹物語〔1448〜50頃〕上「声韻とて句のはてに同字のおりあひたるをば嫌ふ也」(2)意見の違う者などが、互いに譲 ...
29. おり‐がみ[をり‥]【折紙】
日本国語大辞典
をした短冊。短冊を三つ折りにし、上の部分に歌題を、中の部分に歌を、下の部分に名を書くもの。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「読合する事も、今のやうに面々に折紙を ...
30. かい‐まく・る【掻捲】
日本国語大辞典
待つ人の数もしらぬに心おごりしたる気色にて、袖をかいまくりて」(2)巻いて束ねる。ひとまとめに束ねる。*正徹物語〔1448〜50頃〕上「会などに逢ひても、やがて ...
31. かえし‐うた[かへし‥]【返歌・反歌】
日本国語大辞典
へんか。
懸歌(かけうた)。*
正徹物語〔1448〜50頃〕下「俊成の返哥に、秋になり風の涼しくかはるにも涙の露ぞしのに散りける」*
...32. 花鏡(能楽論集) 317ページ
日本古典文学全集
「南殿の花の盛りに咲き乱れたるを、衣袴着たる女房四五人詠めたらん風情を、幽玄体といふべきか」(正徹物語)など、世阿弥当時の世間一般の認識であり、俊成時代の歌道の ...
33. かけあし を 出(いだ)す
日本国語大辞典
ぼ)かけ、門前より懸足を出して父子主従七騎、播磨路にかかり揉(もみ)にもみてぞ追たりける」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「一夜百首、一日千首などの歌をも詠みた ...
34. かげ【影・景】
日本国語大辞典
れば朝日さすはこやの山のかげとなりにき」(3)和歌、連歌、能などで作品の持つ含蓄、奥深さなどをいう。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「作者の哥は詞の外に、かげが ...
35. かば‐ざくら【樺桜】
日本国語大辞典
14頃〕野分「春のあけぼのの霞の間より、おもしろきかばざくらの咲きみだれたるを見る心地す」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「七七 かば桜は一重桜也」*俳諧・誹諧 ...
36. かみ つ 枝(えだ・え)
日本国語大辞典
(1)上の方の枝。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「閑中雪・花盛・まさか木・上つえ」*藻塩草〔1513頃〕九・枝「かみつ枝〈略〉かみえだ也。又、かみつえとも云」 ...
37. かみ の 句(く)
日本国語大辞典
之声
」*
正徹物語〔1448〜50頃〕上「上句下句の頭の字を、平頭の病といふ也」*ロドリゲス日本大文典〔160
...38. から・びる【涸・枯・嗄】
日本国語大辞典
*無名抄〔1211頃〕「ほそくからびたる哥 宵の間の月の桂の薄紅葉照るとしもなき初秋の空」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「からびてけだかき所及ぶべき物にも非ず ...
39. 歌論
日本大百科全書
通じて深い影響を与え、歌論の京極為兼(きょうごくためかね)『為兼卿(きょう)和歌抄』、正徹(しょうてつ)『正徹物語』、連歌論の心敬(しんけい)『ささめごと』およ ...
40. 歌論
世界大百科事典
くむ歌人であったが,〈歌道において定家を難ぜむ輩(やから)は冥加もあるべからず。罰をかうぶるべきことなり〉と《正徹物語》の冒頭で言っているように,定家に帰れを主 ...
41. かろんしょ【歌論書】
国史大辞典
『近来風体』(二条良基)、『耕雲口伝』(花山院長親)、『了俊一子伝』(今川了俊)、『落書露顕』(同)、『正徹物語』(正徹)、『ささめごと』(心敬)以下きわめて多 ...
42. き【季】
日本国語大辞典
半夏半夏と季をかさね」(ロ)盆、暮などの節季。「盆暮の二季」(5)和歌集の四季による部立ての総称。*正徹物語〔1448〜50頃〕上「季の巻頭を毎度人の辞退ある事 ...
43. きょうくん‐じょう[ケウクンジャウ]【教訓状】
日本国語大辞典
注意、諫言などを内容とした文書。教訓を記した書状。*高野本平家物語〔13C前〕二「教訓状」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「委細教訓状を進ぜられしかば、慈鎮和尚 ...
44. きょく‐しん【極信】
日本国語大辞典
20〕陽貨第一七「盗人が昼は極信さうにして夜は墻をほり塀をのりこして、人をたぶらかす如し」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「歌は極信に読まば、道は違ふまじき也」 ...
45. きら‐きら
日本国語大辞典
001〜14頃〕明石「見あげ給へれば、人もなく、月の顔のみきらきらとして、夢の心ちもせず」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「それを心得ぬ人は、きらきらと晴れて普 ...
46. きり‐ひおけ[‥ひをけ]【桐火桶】
日本国語大辞典
《季・冬》*袋草紙〔1157〜59頃〕上「周防内侍絵書たる小火桶を差出とて かすみこめたるきり火桶哉」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「俊成はいつもすすけたる浄 ...
47. 近世俳句集 62ページ
日本古典文学全集
夜の月。柿本人麻呂の辞世の歌とされる「石見のや高角山の木の間より浮世の月を見果てつるかな」(正徹物語)によるか。余分に見てしまった。西鶴五十二年の生涯のうち最後 ...
48. ぎん【吟】
日本国語大辞典
*新撰朗詠集〔12C前〕上・虫「吟急にしては残灯光正に背け、夢驚いては孤枕涙乾き難し〈大江以言〉」*正徹物語〔1448〜50頃〕下「哥はうち詠むるに、何となく詞 ...
49. く‐だい【句題】
日本国語大辞典
古い詩歌の一句を題に用いたもの。*教長集〔1178〜80頃〕「春歌〈略〉処々立春、句題百首」*正徹物語〔1448〜50頃〕上「戸外桜晩鐘、句題の百首」*中華若木 ...
50. くだ・る【下・降】
日本国語大辞典
一月四日「降りて弘化嘉永の頃より、徳川の幕府其政衰へ」(14)つかえないですらすらと進む。*正徹物語〔1448〜50頃〕下「詞つづきも哥めき、吟のくだりて理をつ ...