人気デュオCHAGE and ASKA(以下チャゲアス)のASKA(飛鳥涼、本名=宮崎重明、55)がクスリ漬けだと『週刊文春』(8/8号、以下『文春』)が報じて大きな話題になった。

 チャゲアスは大学在学中に結成され、ヤマハ・ポプコン(ポピュラーソングコンテスト)で入賞した「ひとり咲き」でデビュー。1991年に「SAY YES」が300万枚の大ヒット、93年には「YAH YAH YAH」がダブルミリオンを記録している。

 しかし、デビュー30周年の2009年1月に突然「無期限活動休止」を発表し、事実上解散していたが、今年1月、唐突に復活を宣言してファンを喜ばせた。だが6月になってASKAの事務所の公式ホームページで、ASKAの体調が悪いために延期すると発表していた。

 『文春』によれば ASKAのクスリ漬け疑惑は知る人ぞ知る、だったようだ。

 シャブの運び屋は、札幌に拠点を置く山口組系暴力団の山本(仮名)だという。山本とASKAは中学時代の同級生。ASKAと親しい芸能関係者がこう語る。

 「ASKAは山本にクスリの手配を依頼し、山本は頼まれたブツを持ってわざわざ北海道から東京に来ていました。またASKAは六年前に札幌・円山公園近くのタワーマンションを購入し隠れ家にしていて、山本は頻繁にそこを訪れているのです」

 ASKAはコカインやマリファナも好きで、件の山本によるとシャブをひと月に30グラムも使用しているという。

 麻薬Gメンによれば、ヘビー麻薬常習者でもひと月4~5グラム程度だというから、事実だとすれば相当な末期麻薬中毒者である。

 だが、その山本ともカネのことで揉め、キレた山本はASKAがシャブを吸引している様子を隠し撮りし、そのビデオが「一部の暴力団関係者など、闇ルートに流出している」(文春)そうだ。ビデオは以下のようなものらしい。

 「映像はシンプルな部屋を映し出す。あまり物を置いておらず、掃除が行き届いている清潔そうな室内には、中央に三人掛けの大きなソファが置いてある。

 その真ん中にゆったりと腰掛けるのは大物人気デュオ『CHAGE and ASKA』のASKAだ。(中略)

 ASKAはテレビで見るようなシャープな輪郭ではなく、顔が病的にむくんでいる。そんなASKAに何者か分からない男が、『はい、これ』と言って、小さなビニール袋に入った何かをテーブル越しに手渡す。少し前かがみになって受け取るASKA。白い結晶のようなものが光っている。ASKAは慣れた手つきでビニール袋を指でなぞるように確認し、かたわらにある透明なガラス製のパイプを取り出した。

 その動きに淀みはないが、終始無言でピリピリとした緊張感が漂っている。ビニール袋から白い結晶のようなものをパイプに入れたASKAは、軽くパイプを口にくわえた。その後、右手でライターを取り、おもむろにパイプを下から火であぶると、結晶が気化した白い煙を深く吸い込んだのだった。

 一服するとASKAはソファーの背もたれに深く体を預け、足を大きく開いて座りなおした。その姿勢のまま目を閉じ、まるで霊的な気体を吐くように口をゆるませ、恍惚の表情を浮かべた」

 ASKAの体調を心配したCHAGEがライブの中止を言い出し、ASKAが殴りつけたという情報もある。文春のインタビューに答えるASKAの言葉は支離滅裂で聞き取りにくいが、クスリの件で揉めていることにはこう答えている。

 「──山口組系暴力団員からクスリのことでゆすられていると聞いていますが。

 『(少し間があり)……そうそう、それはね「お金を貸してくれ」って言われたの。それで、俺は「嫌だ」って言ったらね。「嫌だ」って。そうそうそうそう、それで揉めただけでぇ』」

 以前から言われていることだが、芸能界の麻薬汚染が相当に拡がっているのは間違いない。ASKAの所属事務所は8月1日、公式サイトでこう発表した。

 「報道の内容は事実に反しており、大変遺憾です。弊社としてはこれらの報道に対し、厳重に抗議いたします」

 「厳重抗議」ではなく、事実でないのなら『文春』を告訴すべきであろう。ASKAの音楽生命が絶たれるかどうかの瀬戸際である。8月5日時点では「抗議さえ来ていない」と文春は言っている。この事務所の対応からも、この問題の深刻さが窺える。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 女性誌『AneCan』(小学館)の読者には常識的な言葉だが、文で説明しようとするとなんとも難しい。目はナチュラルな上目づかいでパッチリと見開いた感じに。口はキスする直前のように少し開いている(「ちゅん」には「ちゅっ」のニュアンスが入っているかもしれない)。女性には「モデルの押切(おしきり)もえがよくしているキメ顔」で通じる。業界用語の常(つね)で語源が判然としないが、「ちゅんとすました表情」ということから「ちゅん顔」とよく説明される。

 スマイルでないのに女子らしさを感じるところに人気の秘密がある。『AneCan』の読者層は『CanCam』を卒業した20代後半~30代。社会においても、かわいらしい笑顔だけではごまかしがきかない年齢に差し掛かっているといえそう。「お姉さん」になった彼女たちには、少しだけオトナなキメ顔が支持される。しかしそれは、「ツンとすます」冷たさではなく、あくまで柔らかさを残し「ちゅんとすます」ものなのだ。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 東京電力の一般的な電気の契約は「従量電灯B」というもので、アンペア数(A)に応じた基本料金に、電気の使用量に応じた料金が加算される。1か月の基本料金は10Aが273円で、10A大きくなるごとに273円ずつ高くなり、最大の60Aは1638円だ。これに、電力使用量に応じて、1キロワット時(kWh)あたり18.89~29.10円が加算される。

 あまり知られていないが、この従量電灯Bのほかに、「従量電灯A」という契約もある。こちらは基本料金がかからず、電気を使った分だけ料金を支払う契約だ。電気の使用量が8kWhまでは224.45円で、その後は1kWh使うごとに18.89円が加算されていく。ただし、1度に使える電力量は5Aまで。電子レンジや炊飯器を使うには、13~15A必要なので、実質的には一般家庭で使うことはできないとされている。

 しかし、福島原発事故後、この従量電灯Aに切り替える「5アンペア生活」を始める人が少しずつ出てきている。その裏には、「できるだけエネルギーに頼らない生活をしたい」「自らのエネルギーの使い方を見直したい」という思いがあるようだ。

 「5Aでは、とても生活できないのではないか」と思われがちだが、冷蔵庫(450リットル)は2.5A、洗濯機は2A、テレビ(液晶42型)は2.1Aなど、必要な電力量が案外小さいものもある。これらは、ほかの電気器具と併用しなければ使うことは可能だ。

 一度に5A以上必要な電子レンジや炊飯器、ヘアドライヤー、エアコンなどは使えないが、5アンペア生活をしている人は「ごはんは土鍋でガス炊き」「暑さ寒さは着るもので調節」などの工夫をして、電気に頼り過ぎない生活を送っている。

 家族構成やライフスタイルによって電気の使い方は異なるので、誰もが5アンペア生活を送れるわけではない。だが、「炊飯器と電子レンジは同時に使わない」など電気器具の使い方を工夫すれば、5Aは無理でも15~20Aの電気契約でも生活できるのではないだろうか。

 仮に40Aから20Aに変更すれば、基本料金だけでも546円節約できる。一度に使用できる電力が小さくなれば、工夫して電気器具を使わなければいけないので、家庭で使う電気の使用量は減らせるだろう。そうした省エネの意識が広がっていけば、大量消費を前提としたエネルギー政策を転換できる可能性もある。

 電気をたくさん使わなくても、普通に暮らすことはできる。福島原発事故から3年目の夏。我が家のエネルギーの使い方を見直してみてはいかがだろうか。

 

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 オタクの世界には「聖地巡礼」という言葉がある。宗教的な言葉というわけではない。漫画やアニメの舞台、あるいはモデルとなった場所を巡る楽しみのことだ。映画ファンがロケ地となった観光名所を訪れるのは昔からよく行なわれてきた。ところが、アニメの「聖地」は一般的な公共施設であることも多く、それ自体に観光的な見どころが存在しない場合もある。あくまで「作中に出てくる」こと自体に付加価値があるのだ。

 巡礼が流行ると、自治体は気づき始めた。マニアが落としていくお金の経済効果がばかにならないことを。「誰もが知っているヒット作」である必要はないのであった。深夜アニメでも、一定層の支持があれば、来訪者が増える傾向だ。

 とはいえ、自治体の側にファンを受容する体制がないと、せっかくの「お客」も単なる「よそ者」に過ぎず、グッズ販売やイベントなどのビジネスに結びつかない。いち早くこのことを理解した自治体は、積極的に「ご当地アニメ」に協力するようになっている。具体例としては、千葉県鴨川市と『輪廻のラグランジェ』、茨城県大洗町(おおあらいまち)と『ガールズ&パンツァー』などのコラボが挙げられるという。


 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 通常国会で6月、「いじめ防止対策推進法」が成立した。新法は、いじめについて、「児童、生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義。暴力行為やインターネットを通じた中傷もいじめの範疇に入るのがポイントだ。そのうえで、「児童等は、いじめを行ってはならない」と明確にいじめを禁じた。

 具体的な防止策としては、学校や自治体に相談窓口の設置を求めたほか、各学校に複数の教職員、カウンセラーなどの専門家による対策組織を置くことを命じた。防止策の実効的な運用を促すことに狙いがある。

 実際、いじめが起きた場合は、学校に調査組織を設け、調査結果を被害者側や自治体に報告するよう義務づけた。悪質なケース、つまり犯罪行為として判断される場合は、警察署と連携するよう規定。生命や、身体などに重大な被害が生じる恐れがあるときは警察に通報しなければならない。

 新法は、今秋にも施行される。

 いじめはずっと以前から社会問題化しているのに、どうしていままで防止する法律がなかったのか。行政や立法府の怠慢と言わざるを得ない。

 

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 葛切りとは、葛の根の澱粉(でんぷん)からとった葛粉に砂糖と水を加え、塊がなくなるまでこねたら、それを湯煎(ゆせん)しながら流し固めてうどんのように細目に切ったものである。料理にも使われる。和菓子の場合は、氷で冷やしながら、黒蜜か白蜜をかけて食べる。

 暑い盛りである。さすがの甘党もかき氷か葛切りくらいしか、のどを通らなくなってくる。京都で葛粉といえば、和菓子のまんじゅうや料理の葛引きの餡(あん)などに、常日ごろから欠かせない食材である。まして葛切りは、いまでこそ高級和菓子として知られるが、昔はどの家庭でも手づくりしていた手軽なおやつだった。葛切りで名高い祇園の鍵善(かぎぜん)では、日本一といわれる大和吉野の晒し葛(さらしくず)を使った葛切りを、螺鈿(らでん)をはめこんだ漆地の器に入れて出している。これは出前に用いた幕末の岡持(おかもち)で培った趣向ということである。最近は葛粉の生産地であった吉野でも、おいしい葛切りが食べられるようになっている。暑い盛りだからこそ、水を口に含むかのように、するりするりとしたなめらかすぎるほどののど越しが、いつも以上においしく感じられるのである。

 室町中期の教科書の一種である『尺素往来』(せきそおうらい)の点心の一つに「砕蟾糟」とあり、これは現代の葛切りに似た食べ物ではなかったかと考えられている。また、水繊(すいせん)と呼ばれる夏の食べ物もあった。こちらは葛切りのようなものを、酒、醤油(しょうゆ)、酢、鰹節(かつおぶし)、塩などを煮詰めた調味料につけながら食べていたそうである。

 

   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 ロイヤルベビーはウィリアム王子の母・ダイアナ妃と同じ「かに座」生まれである。『週刊新潮』(8/1 号)によれば、何でも賭けの対象にする英国のブックメーカーで、ロイヤルベビーの名前で一番多かったのは、男の子ならジョージ、女の子ならアレクサンドラだったそうだが、見事的中し「ジョージ・アレクサンダー・ルイ」と名付けられた。

 『女性自身』(8/13号、以下『自身』)によれば、キャサリン妃とベビーは9月上旬まで、ウィリアム王子は2週間の育児休暇が切れるまで、ロンドンから80キロ離れたキャサリン妃の両親が住むバックルベリーで暮らす予定だという。

 この前例のない「実家育児」にこだわったのは、ウィリアム王子にダイアナ妃のつらい過去の記憶があったからだと『自身』で王室ジャーナリストが語っている。

 「ダイアナ元妃はウィリアム王子を出産後、極度の産後うつに苦しめられたといいます。原因は、宮殿での閉ざされた生活だったといいます。(中略)追い込まれたダイアナ元妃は体調を崩して、医師の手当てを何度となく受けています。しかし、チャールズ皇太子が妻に寄り添うことはほとんどなかったそうです」

 そのことを後に知ったウィリアム王子はショックを受け、キャサリン妃に同じ思いはさせたくないと、妻の実家での育児を決断したという。

 ウィリアム王子が覚えている母親とのハッピーな思い出の一つはマック・デビューだそうである。現地新聞記者がこう話す。

 「宮殿でランチが用意されていたにもかかわらず、ダイアナ元妃は2人の王子をマクドナルドに連れて行ってランチセットを購入。昼マックを楽しみました」(『自身』)

 キャサリン妃も、子どもには普通の生活をさせたいと、マックでランチや、テスコ(大手スーパー)に買い物にも連れて行きたいと、友人に漏らしているそうである。

 キャサリン妃の実家から帰ってきたロイヤルベビーが暮らすのはケンジントン宮殿。そこには80数万円のベビーベッドや5万円近いベビー服が整えられているという。

 幸せな人生が約束されているようだが、ベビーが生まれてくるまでには曲折があったようだ。在英ジャーナリストは「イギリス国民の多くには『王子のほうが王女よりも未来の国王にふさわしい』といった考えが根強くあった」といっている。

 だが「イギリスでは王位継承はこれまで“男子優先”でしたが、今年4月に“長子優先”に法律を改正しました。キャサリン妃が、男子出産のプレッシャーに苦しむことがないようにという配慮があったのです」(『自身』)

 日本の皇室にこのような“配慮”があれば、雅子妃のプレッシャーはどれほど軽くなっていたことであろう。

 『自身』によれば、雅子妃はキャサリン妃の出産に強い関心をもっていたそうである。東宮関係者がこう話す。

 「雅子さまは、“男の子だったの。本当によかったですね”と、とても喜んでいらしたそうです」

 複雑な思いが錯綜していた。雅子妃の胸の内を忖度(そんたく)すれば、そうなるのではないか。日本と英国の皇室の違いといってしまえばそれまでだが、ロイヤルベビー生誕に沸き返る報に接すると、雅子妃の孤独が一層際立つ気がするのは、私だけであろうか。

 

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   


<<前へ       次へ>>