4-1 品詞名
品詞名は,性別などの表示で兼ねてある.
4-1-1 名詞は [男性名詞] [女性名詞] [中性名詞] とし,性に揺れがあるものは併記した.また一方がまれなとき,限定があるときは( )で示した:
Drit・tel [drÍtəl]
[中性名詞] (スイス: [男性名詞]) -s/- ...
略語についても,つとめて性別を明示した:
D. P. [díːpíː]
[略語] [女性名詞] --/-- =Displaced person
4-1-2 名詞の複数形は [複数名詞] とした:
Fe・ri・en [féːriən] [複数名詞]...
4-1-3 [人名・神名] は特定の人物名・神名を示し,必要に応じてフルネームを注記した:
Hei・ne [háInə]
[人名・神名] Heinrich ~ ハインリヒ ハイネ...
女性扱いのものは,補足説明で示唆してある:
De・me・ter [deméːtər; オーストリア: déːmetər]
人名・神名 【ギリシア神話】 デメーテル(農産の女神...)
4-1-4 [男子名][女子名]は姓名の名に当たる:
Bea・ta
[女子名] (<Beatus) ベアータ.
4-1-5 [地名]は山・川などを含む地名で,性が示されていなければ中性であり,単独では無冠詞で用いる:
Mün・chen [mÝnçən]
[地名]ミュンヒェン...
その他の地名には性・変化を示した.つねに必要な定冠詞は,見出し語に添えておいた:
der Rhein [raIn]
[地名] [男性名詞] -[e]s / ライン...
4-2 語形変化
語形変化の斜線 / は,前後にそれぞれ単数2格・複数1格を示す:
斜線の右側が空白のときは,複数形を欠く:
複合語では一般に変化指示を省略したが,複数形が普通なとき,基礎語からの類推が困難なときなど,必要に応じて明示してある.
4-2-1 コンマで並記した変化形は,それぞれの形がありうることを示すが,希形とされるとき,限定のあるときは( )で囲んだ:
Kli・ma [klíːmaˑ] [中性名詞] -s/-s, -te [klimáːtə]
Kind [kInt]1 [中性名詞] -es(-s)/-er ...
Bo・gen [bóːɡən] [男性名詞] -s/- (南部:Bögen [bǿːɡən])...
変化形の中の [ ] は省略可能を示す:
部分省略符..は語幹の一部を含むことを示す:
..loge に終わる名詞の(→..loge)という注記は,古くは..log に終わる形があり,その場合は -en/-en となることを表す.
4-2-2 ((形容詞変化))は形容詞変化の名詞(形容詞・分詞の名詞的用法)で,見出し語は弱変化単数1格の形である:
Be•am・te [bə|ámtə] [男性名詞] ((形容詞変化))...
中性のものは,単数形だけを用いる.
4-2-3 注記 (単位: -/-)は,単位として数詞とともに用いるときは無変化であることを示す:
Grad [ɡraːt]1 [男性名詞] -es(-s)/-e(単位:-/-)
注記 (種類: )は,種類を言うときの複数形を示す:
Sand [zant]1 [男性名詞] -es(-s)/(種類:-e)
4-2-4 (縮小形) (女性形) に続くボールド体は,それぞれ縮小形・女性形を示し,原則として発音・性・変化を示した:
女性形は性の表示を省略した.
まれに (男性形) によって男性形を示した.
これらの形の語としての独立性が強いときは,特に独立の見出し語とし,そこに記事を掲げた.