埼玉県秩父市の秩父神社で12月2、3日に行われる例祭の夜間行事。華やかなので夜祭として有名。近世は霜月(旧暦11月)1、2、3日であった。祭りでもっとも盛大で重要なものは、神馬(しんめ)の奉献と、二台の笠鉾(かさぼこ)、四台の屋台が神輿(みこし)に続いて巡行することである。神馬二頭の毛並みによって翌年の天候を占う。笠鉾は屋形の上に真柱(しんばしら)を建てて三層の花笠(はながさ)を飾った依代(よりしろ)である。屋台は歌舞伎(かぶき)上演のため、左右に「張り出し」と称する付舞台の装置をもつ。1906年(明治39)以降は秩父煙火(花火)の打ち上げも行われる。
埼玉県秩父市の秩父神社で12月3日に行われる祭礼。前日に鎌倉時代からの伝承という神馬(しんめ)の奉納があり,古くはその馬の毛色により豊凶を占ったという。祭礼の中心は各町が出す2台の山車と4台の屋台の引回しで,とくに3日夜お花畑と呼ぶ御旅所に全部の山車・屋台が参集するおりのにぎわいや,冬の夜空の花火が知られ,御旅所への坂を登るときの勇壮な秩父屋台囃子が有名。土地の人は神輿(みこし)渡御について,秩父神社妙見の女神と,秩父の名山武甲山の男神が,その夜年一度の出会いをすると伝える。ほかに当番町の屋台では,屋台両脇に張出しをかまえ,付近の地芝居一座が歌舞伎を演じる。なお,秩父神社の例大祭は11月30日の宮司以下の潔斎から始まり,12月6日の新穀感謝祭で終わる。
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