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レタス

ジャパンナレッジで閲覧できる『レタス』の世界大百科事典のサンプルページ

改訂新版 世界大百科事典
レタス
lettuce
Lactuca sativa L.

チシャ,チサともいい,葉または茎を生食するキク科の一・二年草。一般に呼ばれている結球性のものだけでなく,日本で古くから栽培されていたものなども含めた総称名で,その利用部分や形態から立レタス,茎レタス,葉レタス,玉レタスに分類される。このうち日本で最近多く栽培されているのは玉レタスである。また近年,栽培出荷されるようになったサニーレタスは葉レタスの仲間である。以前から農家の庭などで栽培されていた,葉をかきとって食用にしたカキレタスは立レタスに,根生葉を利用した小型のレタスは葉レタスに所属する。玉レタスはさらにかたく結球し頭部が完全に抱合するクリスプヘッド型,結球が弱く頭部が完全に抱合しないバターヘッド型に分けられ,前者を一般には玉チシャ,玉レタス,結球レタス,あるいは単にレタスと呼び,広い意味のレタスの主体をなしている。後者はサラダナと呼ばれている。

レタスの原種は地中海東部沿岸から小アジアにかけて分布するL.serriola L.と考えられている。それはレタスに近縁な数種の野生種のうち,この種だけ自由にレタスと交配し種子をつくるからである。レタスはすでに前4500年ごろエジプトで利用されていたことが壁画から知られている。さらにギリシアやイタリアに導入され重要な野菜となった。しかし,これらはいずれも非結球性のレタスであった。ヨーロッパで結球性のレタスが知られるのは16世紀の中ごろになってからである。中国へは西暦600~900年ごろに入り,肥大した茎を食用にする変わった品種群である茎レタスが育成されている。日本には中国を通して導入され,広く栽培されていた。現在日本では〈レタス〉というと玉レタスをさすほど普通な野菜になった結球性のレタスは,明治になって西洋野菜として導入栽培が始まった。また完全に結球するクリスプヘッド型が栽培されるようになったのは第2次大戦後であり,まったく新しい野菜である。今日利用されている結球レタスは16世紀以降ヨーロッパとアメリカで品種改良されたもので,かつての形態からは想像もつかないほど変化してしまっている。

玉レタスは在来の品種群と異なり,冷涼な気候を好み,種子の発芽は15~20℃が適温であるが,25℃を過ぎると発芽率は著しく落ちる。また高温になると種子は休眠に入る。結球は播種(はしゆ)後40~50日ごろから始まり,結球葉数は約60枚が標準である。葉は円形で光沢があり,葉縁部に欠刻やしわが多い。外葉は緑色であるが結球部分の葉は淡緑色となる。花芽分化後の抽だい(とうだち)は高温長日下で促進される。開花時の草丈は90~120cmとなる。花は頭状花序で,十数個の舌状花をつけ,舌状弁は黄色である。品種改良と栽培地や栽培法によって出荷は年間を通じて行われている。主として都市近郊の平たん地で行われる春まき栽培および秋まき栽培,標高1000m前後の高冷地(長野県,群馬県,岩手県など)を利用する夏まき栽培,温暖地(静岡県,千葉県,和歌山県など)で行われる冬まき栽培などがあり,いずれの作型もビニルなどの保温資材を利用することによって,播種期や収穫期の幅を広げている。食生活の洋風化,消費水準の上昇はレタスの消費を著しく伸ばしている。レタスはサラダとして生食に利用され,食塩かマヨネーズをつけて簡単に食べられ便利である。葉を切るときは金物のにおいが移らないように手でちぎるか木製のナイフを利用するのがよい。
[高橋 文次郎]

[索引語]
lettuce Lactuca sativa チサ
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検索ヒット数 556
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検索コンテンツ
1. レタス画像
日本大百科全書
別名アスパラガスレタスasparagus lettuce)var. asparagina Baileyがある。 タマヂシャはヘッドレタスhead lettuce
2. レタス
世界大百科事典
分や形態から立レタス,茎レタス,葉レタス,玉レタスに分類される。このうち日本で最近多く栽培されているのは玉レタスである。また近年,栽培出荷されるようになったサニ
3. レタス画像
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1936〕四月一四日「にはとりのトサカの料理が出た。レタスとパイとコーヒー」*ボロ家の春秋〔1954〕〈梅崎春生〉「つひに野呂菜園のレタスに人肥を使ひ始めたので
4. レタス【lettuce】
数え方の辞典
▲枚 植物としては「株」で数えます。「玉」は球状の野菜や果物を数える語です。レタスの葉はそれぞれ「枚」で数えます。 ⇒野菜
5. レタス[標準語索引]
日本方言大辞典
きしゃな / せーよーちしゃ / よーちさ
6. レタス(れ足す)言葉[新語流行語]
イミダス 2018
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7. レタスの栽培[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
ヨーロッパで古くから葉菜として利用され、日本へは明治時代に導入された。夏は高冷地、冬は温暖地などで周年生産供給されている。生食野菜の代表とされる ©Shogak
8. アレタス(Arethas)
世界大百科事典
ン写本はアレタスの命により能筆家ヨハネスが895年11月に完成したものであるが,これを1801年クラークE.D.Clarkeがパトモスの僧院で発見してイギリスに
9. アレタス(Arethas)
世界人名大辞典
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10. カールレタス(プリーツレタス)[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
11. コスレタス[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
ローメインレタスともいう ©Shogakukan
12. サニー‐レタス
日本国語大辞典
〔名〕({洋語}sunny lettuce )レタスの一つ。やわらかく、紅色がかったちりめん状の広葉で、結球しない。
13. ステムレタス[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
14. ステムレタス[カタカナ語]
イミダス 2018
[stemlettuce]【植物・園芸】クキチシャ.レタスの一種.茎と若い葉を食用にする.セルタスともいう.
15. ステムレタス(山くらげ)[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
ステムレタスの青茎品種の干物 ©Shogakukan
16. セレタス
日本国語大辞典
〔名〕({洋語}celettuce セロリとレタスのイメージを盛り込んだ名)カンランとハクサイの雑種であるハクランを雌性親、ハクサイを花粉親として交雑し得られた
17. タレタス(Thalētas)
世界人名大辞典
前7世紀のギリシアの音楽家,詩人.クレタ島に生まれ,スパルタで活動した.主としてパイアン(paian; アポロン讃歌)を作ったというが,作品は現存しない.
18. タレタス
世界文学大事典
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19. ピレタス
世界文学大事典
古代ギリシャの詩人,文法家。より正しくはピリタスPhilītās。コス島生まれのギリシャの詩人,文法家。同郷出身のプトレマイオス2世の教育係を務めた。またゼノド
20. フィレタス(Philētas)
世界人名大辞典
前4世紀末から前3世紀初め頃のギリシアの詩人,文法学者.フィリタス(Philitas)ともいう.コス島に生まれる.プトレマイオス2世やテオクリトス,ゼノドトス
21. ヘッドレタス(クリスプ型)[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
22. ヘッドレタス(サラダナ)[百科マルチメディア]画像
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©Shogakukan
23. ロメインレタス(← romaine lettuce)[外来語・カタカナ語]
現代用語の基礎知識 2019
非結球型レタス
24. 皇天(こうてん)親(しん)無(な)く惟(ただ)徳(とく)を是(これ)輔(たす)く
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29. 朝日[村]
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32. 天草下島
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34. アリゾナ画像
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電に利用されている。 農業は、フェニックス、トゥーソン、ユマなどの地域を中心に行われ、綿花、レタス、トウモロコシ、牧草、畜産物が主要生産物である。鉱業も重要な産
35. 阿波[市]
世界大百科事典
農業は古くから畑作中心であったが,大正用水,板名用水が大正期に完成してからは水田中心となった。近年はレタスの栽培が盛んで,イチゴの栽培も行われている。赤池 享一
36. 淡路島画像
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県下の90%以上を占め、レタス、ハクサイ、キャベツも県下最大の生産地となり、ピーマン、イチゴ、ネギの生産も増大している。これは昭和50年代から始まった三毛作(水
37. 淡路平野
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淡路島における農牧業の中心地として発達している。ことに出荷量が全国有数のタマネギの栽培を中心として、レタス、ハクサイの生産が多く、乳牛、ブタの飼育も県下最大規模
38. 萎黄病(作物)
日本大百科全書
シによって伝搬される。 ファイトプラズマによっておこるものは、野菜類や草花類に多く、トマト、レタス、ニンジン、パセリ、ホウレンソウ、アスター、キンセンカ、コスモ
39. 移植
日本大百科全書
が行われるようになった。たとえば、イネの移植には田植機が広く利用され、サツマイモ、キャベツ、レタス、タマネギ、トマト(加工用)などの苗の移植にも、各種の移植機が
40. 移植
世界大百科事典
自動的に移植する自動式とがある。ペーパーポット移植機はすでにテンサイで実用化され,キャベツ,レタスでも実用化が試みられている。移植と同時にビニルマルチを行ってい
41. いたのぐん【板野郡】徳島県
日本歴史地名大系
なお第二次世界大戦後、吉野川流域の畑地では阪神市場向けの蔬菜や果実が栽培され、藍住町のニンジン、吉野町のレタス、松茂町のサツマイモ、レンコン、ナシ、上板町のカキ
42. 一戸[町]
世界大百科事典
酪農,畜産,畑作を中心とする農業が主要産業で,山麓丘陵地では酪農の育成団地化や搾乳加工団地化が進められ,またレタス,アスパラガスなど高冷地野菜が栽培されている。
43. 茨城(県)画像
日本大百科全書
得て全国第1位を保つほか、ピーマン、露地メロン、トマト、ナスやミツバ、ニラなども第1、第2位。近年冬、春のレタスやカリフラワーなどの洋菜も第1位となった。それぞ
44. 岩井(茨城県)
日本大百科全書
明治時代の鉄道計画が実らず、ようやく1958年芽吹大橋の完成で、京浜地方と結ばれ近代化を始めた。農業はレタス、夏ネギ、トマトなど野菜が多く、茶は現在も名産品。工
45. 岩手(町)画像
日本大百科全書
中心の沼宮内は奥州街道の宿駅として栄えた。かつては南部馬、キャベツの産地であったが、近年はアスパラガス、レタス、葉タバコ栽培などが盛ん。御堂観音付近に北上川の源
46. イング【John Ing】
国史大辞典
、八年十一月の弘前基督公会創立に功があった。また自然科学の知識に富み、トマト・アスパラガス・レタス・リンゴなどの種子や苗木をアメリカから移植した。日本語は話せな
47. 雲仙[市]
世界大百科事典
主産業は農漁業で,第2次大戦前はタバコとユリ根を特産とし,ユリ根の輸出も行われた。現在はジャガイモ,タマネギ,レタスが中心で,段々畑が発達している。いりこの特産
48. エスカルゴ
日本大百科全書
日本へは、主として殻を別添した水煮缶詰が輸入されている。なお、食用にするカタツムリは、普通キャベツやレタス、ブドウの葉などを餌料(じりょう)にして飼育する。河野
49. 園芸
世界大百科事典
様,生育の速い一年草的なものが多いが(アブラナ類,ダイコン,ネギ類,ニンジン,ホウレンソウ,レタスなど),果実を食用とする果樹のほとんどは木本か,多年草である(
50. 大野原
日本大百科全書
築造され、溜池灌漑(ためいけかんがい)による豊かな農地に生まれ変わった。稲作のほか、タバコ、レタスを栽培し、ミカンの栽培面積も多い。1987年、雲辺寺ロープウェ
「レタス」の情報だけではなく、「レタス」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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