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カボチャ

ジャパンナレッジで閲覧できる『カボチャ』の日本大百科全書・世界大百科事典のサンプルページ

日本大百科全書(ニッポニカ)
カボチャ
かぼちゃ/南瓜
[学]Cucurbita

ウリ科(APG分類:ウリ科)の一年生つる草。カボチャ属の野生種は新大陸のみに分布し、その多くはメキシコおよび中央アメリカで、11種に及ぶ。栽培種5種のうちニホンカボチャ、クリカボチャ、ペポカボチャは世界で広く栽培されている。このほか、唯一の多年生種であるフィチフォリアC. ficifolia Boucheがキュウリ栽培の台木として利用される。英名は主として利用法の違いによるもので、植物学上の種とはかならずしも対応しない。完熟果をパイに利用するものをパンプキンpumpkinといい、飼料用の品種もある。未熟果を料理用にするものをサマースクワッシュsummer squashという。完熟果を料理用に使うものをウインタースクワッシュwinter squash、クッショウcushow(C. mixtaについた名)、マローmarrow(C. pepo, C. maximaについた名)といい、これにも飼料用がある。以下によく栽培される4種を記す。

ニホンカボチャC. moschata Duch.は一般にカボチャと称され、トウナスともいう。つるは太く、地面をはい、粗い毛があり、稜(りょう)または溝がある。花は濃黄色、雄花と雌花があり、夏の早朝に開く。葉は掌状に浅く5裂し、葉脈に沿って白斑(はくはん)があるものが多い。果柄は木質化して5~8稜があり、果実への付け根が開いていわゆる「座」になるのが特徴である。日本への渡来はカボチャの仲間のうちでもっとも古く、16世紀中ごろポルトガル船によってもたらされた。江戸後期の作物栽培や育種を記した『艸木(そうもく)六部耕種法』(1832)に、「南瓜は最初東印度亜陳坡塞(ひがしいんどあかんぽちあ)国に生じたものであるから『かんぽちゃ』ともいう。このものがわが国に渡来したのは西瓜(すいか)が渡来するよりも100年ほど前、天文(てんぶん)年間(1532~1555)のことで、西洋人が船で豊後(ぶんご)の国にやってきて、国主大友氏に種子を献じた」とある。ニホンカボチャの品種は多く、1921年(大正10)の農事試験場報告には143品種があげられている。これらは品種群として菊座(きくざ)、三毛門(みけかど)、居留木橋(いるきばし)、見付(みつけ)、西京(さいきょう)などに分類される。西京(鹿ヶ谷(ししがたに))は京都産、晩生(おくて)の大果でひょうたん形、茶褐色で白粉をふく。果肉は柿色。白菊座は東京産の古い品種で、果実は中形。Yokohama gourdという名前で欧米に紹介されている。

クリカボチャC. maxima Duch.はセイヨウカボチャともいう。茎の断面は円く、葉は切れ込みが浅く、淡緑色で白斑がない。果柄は円筒状で条線があり、ニホンカボチャと違って成熟しても柔らかい。果実はおもに大形で表面が滑らか。果肉はやや粉質。渡来は1863年(文久3)アメリカから。冷涼地の栽培に適し、北海道、東北地方、長野県などに多い。現代の食の嗜好(しこう)にはニホンカボチャよりクリカボチャが適するので、ニホンカボチャの栽培は減り、クリカボチャのほうが増えている。品種群にはハッバード、デリシャス、ターバン、マンモス、芳香青皮甘栗(東京早生(わせ))などがある。

ペポカボチャC. pepo L.は茎が短く、つるにならないものもある。葉は切れ込みが深く、緑色で白斑はない。品種によって果実の形はさまざま。茎にも果柄にも5稜がある。冷涼地での栽培に適するが、日本での栽培は少ない。品種は、ソウメンカボチャ系、ベジタブル・マロー系、ポンキンに大別される。果実の色と形のおもしろさから装飾用にされる品種もある。

ミクスタC. mixta Pang.は、従来ニホンカボチャのなかに含めて分類されていたものであるが、果柄が果実につく部分は座をつくらず、肥大してコルク化し、いぼ状になるので別種とされた。ニホンカボチャに類似するが、両種間の交雑は困難である。

以上の4種のほかに近年では、クリカボチャとニホンカボチャの一代雑種も栽培されており、代表品種に新土佐がある。

早春、苗床で苗を育て、霜が降りなくなってから本畑に定植し、つるをはわせる。

[星川清親]2020年2月17日

食品・利用

ニホンカボチャは、熟果を煮物、汁の実にする。貯蔵がきき、冬至に食べる風習がある。これは、昔は冬至のころ、野菜がいちばん少なくなるときであったので、健康維持に役だつ有色野菜として、貯蔵のきくカボチャが利用されたのであろう。未熟果は漬物にする。なまの果実100グラム中に、タンパク質1.3グラム、脂質0.1グラム、糖質7.9グラムのほか、カロチン620マイクログラムを含む有色野菜で、ビタミンA効力は340IUである。第二次世界大戦後の食糧不足時代には主食の代用にされた。種子はタンパク質、脂肪を多く含み、煎(い)って間食用のナッツとされる。

クリカボチャの果肉はやや粉質で甘味が多く、煮物、てんぷら、みそ汁の実にする。なまの果実100グラム中、タンパク質1.7グラム、脂質0.2グラム、糖質17.5グラム、カロチン850マイクログラムを含み、ビタミンA効力は470IUである。若い葉も食べられる。また海外では花も食用とされ、市場で売られている。おもな品種はクリカボチャ、芳香青皮、ハッバードなど。

ペポカボチャではソウメンカボチャ(キンシウリ、アダコ瓜(うり)、金冬瓜(きんとうがん))が古くから栽培されており、黄色の中形果で、果実を輪切りにしてゆでてから果肉をほぐすと、そうめんのようになり、これを三杯酢などにすると酒の肴(さかな)に適する。ベジタブル・マロー系は、花が咲いて約1週間目の若果を蒸したりゆでたりするほかフライにし、また肉詰めにして天火で焼いて食べる。

カボチャといえば、アメリカの感謝祭につくるハローウィンパンプキンパイのお化けの面が有名である。パンプキンパイにはクリカボチャとポンキンの系統が使われる。くりぬいてお化けの面をつくるカボチャは、ポンキンの飼料用の品種で、果実は大きく、10キログラムにもなる。ただし繊維が多くて人間の食用には適さないが、貯蔵性があり冬の間の家畜飼料として重要である。

カボチャを多量に食べると、黄色の色素が体内にたまって、白目の部分などに現れることがあるが、健康上の心配はない。

[星川清親]2020年2月17日

文化史

カボチャ類のもっとも古い記録はペポカボチャで、メキシコのタマウリパスの紀元前7000~前5500年の地層からは種子と果皮の一部が出土している。ペポカボチャは考古学的資料からはメキシコとアメリカ西部に限定され、逆にクリカボチャはアンデスの高原地帯しか知られていない。ニホンカボチャはペルーのワカ・プリエタの前4000~前3000年、ついでメキシコのタマウリパスの前1440~前440年の地層から発掘され、有史以前に南北アメリカに広がっていたことが知られる。新大陸の発見後、16世紀前半に世界に伝播(でんぱ)され、日本にもいくつかの経路で渡来したことが異名からわかる。九州の方言ボーブラはポルトガル語のアボーボラに、ナンキン(南京)、トウナス(唐茄子)、カボチャ(カンボジア)はそれぞれ地名に由来する。

[湯浅浩史]2020年2月17日



改訂新版 世界大百科事典
カボチャ
南瓜
Cucurbita Spp.

ウリ科の一年草で重要な野菜である。日本で栽培しているカボチャには植物分類学上次の3種がある。(1)ニホンカボチャC.moschata Duch.(英名pumpkin) トウナス,ボウブラとも呼ばれた。(2)セイヨウカボチャC.maxima Duch.(英名winter squash) クリカボチャともいう。(3)ペポカボチャC.pepo L.(英名summer squash) 観賞用のカザリカボチャ(オモチャカボチャともいう),飼料用のポンキンが含まれる。

原産,分布

(1)ニホンカボチャは原産地が中央アメリカから南アメリカ北部の熱帯地方で,東アジアの多湿地帯から温帯北部に分布している。日本への渡来はニホンカボチャが最も古く,16世紀に豊後国にポルトガル船によって伝えられ,その後各地に栽培が広まった。カボチャと呼ぶようになったのはカンボジアに生じたものと考えて名づけられた。ボウブラはポルトガル人が長崎へカボチャを伝えたとき,ポルトガル語でaboburaといったのがなまったものといわれている。トウナス(唐茄子)は果形がナスに似ているため中国から渡来したナスという意味の名である。(2)セイヨウカボチャは中央アメリカから南アメリカ高原地帯の原産で,分布は原産地を反映して北アメリカ,北ヨーロッパ,シベリア地方に多い。日本へは19世紀の中ごろ,アメリカから伝えられたが普及せず,明治に入って多くの品種を導入し,北海道,東北,長野の高冷地方で栽培された。(3)ペポカボチャは北アメリカ南部の原産で,南ヨーロッパ,アメリカなどで野菜用,飼料用として栽培が多い。日本への渡来はセイヨウカボチャよりさらにおくれて導入されたが,飼料用栽培以外は少なく,自家用程度である。

形状

草姿はつる性で地上をはうが,ペポカボチャ,セイヨウカボチャの中には矮性でつるにならないものもある。葉形はペポカボチャが切れ込みが深く三角形に近い。他の2種は切れ込みがないかあるいは少ない。しかしニホンカボチャは葉片が角ばり,セイヨウカボチャは丸みを帯びる。また,ニホンカボチャの果柄は果実に接する部分が五角形に拡大,ペポカボチャは果実に接する部分が多少広がる程度,セイヨウカボチャは果柄が丸く膨大する,といった果柄接着部の形状の違いで3種をはっきり区別できる。

品種

日本各地に土着したニホンカボチャは改良が加えられ,特色ある品種が多数育成された。1921年の調査で143の品種が数えられ,果形,果皮色,果面のこぶ状隆起の有無などで六つの品種群に分けられた。その後しだいに地方品種は姿を消したが,その中から居留木橋(いるきばし)カボチャ型に属する品種が発達し,主要品種の大部分がこの型に属する。一方セイヨウカボチャは食味のよいデリシャス系を中心に多くの系統,品種が育成され,かつて生産の大半を占めていたニホンカボチャに代わって最近ではセイヨウカボチャが生産の主流を占めている。そのほか種間雑種としてセイヨウカボチャとニホンカボチャの1代雑種も育成,利用されている。またこの種間雑種は暑さ,寒さによく耐え,生育も旺盛でキュウリ,メロンなどの耐病性台木として利用されている。

栽培

カボチャはウリ科のなかでも作りやすい野菜で,なかでもセイヨウカボチャはニホンカボチャより低温でもよく生育する。しかし,高温になると発育や着果が悪くなり,食味も落ちる。栽培は10月まき1~3月収穫の促成,12月まき4~5月収穫の半促成,2月まき6~7月収穫の早熟,4~5月まき7~8月収穫の露地,8月まき10~11月収穫の抑制栽培がある。カボチャは一般に吸肥力が強く,生育旺盛になりやすいため着果が悪い。自然放任では雌花開花数の20%程度の結実である。したがって雌花開花中は午前9時ころまでに人工交配をする。開花後30日前後で収穫する。カボチャは病虫害の少ない作物で,防除の必要も少ない。主産地は北海道,茨城,鹿児島などである。

利用

カボチャは果菜として最もデンプンに富み,イモ類,マメ類についでカロリー価も高く,第2次大戦中は代用食として使用されたが,戦後は再び調理用として利用されている。また多量のビタミンAと若干のBおよびCを含み,ビタミン源としても重要な野菜である。調理用としては煮物,汁の実,てんぷら,裏ごししてポタージュやパイに用いるほか,加工用原料としても利用される。また家畜の飼料用に,品種によっては観賞用とする。そのほか,土壌伝染性のつる割れ病に強く,キュウリ,メロン,スイカなどの耐病性台木として利用している。
[金目 武男]

観賞カボチャ Cucurbita pepo L.var. ovifera Alef.

食用にはならないが,果実が小型で形や色彩がおもしろいので装飾用に用いるペポカボチャ。オモチャカボチャ,カザリカボチャとも称する。原産地は北アメリカ南部で,性状はセイヨウカボチャとほぼ同じであるが,つるにならないものもある。果実の形は球形,とくり形,洋梨形などさまざま。果皮は堅く,白色,橙色,緑色,下半分が黄橙色,下半分が緑色,条斑など変化に富み,平滑なものやいぼ状突起のあるものがある。種まきは5月に直まきとするか3月にフレームや温室でまき,苗を5月に元肥を十分に入れた土壌に植える。栽培中,高温と乾燥にあうとウイルス病に侵される傾向が強いから,十分灌水につとめる。収穫は果皮が堅くなってからがよく,そのまま装飾に用いる。貯蔵中1~2月の低温にあうと果皮や果肉が腐るから高温を保つ。
[浅山 英一]

民俗

カボチャはボウブラ,ナンキン,トウナスとも呼ばれ,冬至に食べると中風や風邪を患わないという。冬至にカボチャを食べる風習は江戸時代に広まったと考えられる。冬至は太陽が最も衰える日であり,太陽を象徴した野菜や果物を食べるようになったとも考えられる。カボチャは冬至を過ぎてから食べるものでないとか,年を越させると腐るともいい,冬至に食べるカボチャをあらかじめ定めておく所もある。カボチャはつる状の茎をもち,唐津市神田では,領主が攻められて逃げたときにこのつるに足をかけて殺されたのでカボチャを作らないといい,宮城県角田市郡山では,昔カボチャを作ったところヘビが中に入っていたので,それ以来作らないと伝えている。アメリカではハローウィーンにカボチャの提灯jack-o'-lanternを戸口に立てる風習が盛んである。
[飯島 吉晴]

[索引語]
Cucurbita ニホンカボチャ Cucurbita moschata pumpkin ボウブラ セイヨウカボチャ Cucurbita maxima winter squash クリカボチャ ペポカボチャ Cucurbita pepo summer squash カザリカボチャ オモチャカボチャ セイヨウカボチャ ペポカボチャ 居留木橋 観賞カボチャ オモチャカボチャ カザリカボチャ 冬至
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検索コンテンツ
1. カボチャ画像
日本大百科全書
科)の一年生つる草。カボチャ属の野生種は新大陸のみに分布し、その多くはメキシコおよび中央アメリカで、11種に及ぶ。栽培種5種のうちニホンカボチャ、クリカボチャ
2. カボチャ画像
世界大百科事典
pepo summer squash カザリカボチャ オモチャカボチャ セイヨウカボチャ ペポカボチャ 居留木橋 観賞カボチャ オモチャカボチャ カザリカボチャ
3. カボチャ画像
日本国語大辞典
オロシャ、オランダ、シャムロ、カボチャ等の国に至るまで」【二】〔名〕(南瓜)(1)ウリ科のつる性一年草。アメリカ大陸原産で、植物学上ニッポンカボチャ、クリカボチ
4. かぼちゃ
日本史年表
1576年〈天正4 丙子〉 この年 南京芋 (じゃが芋)が長崎に渡来.この頃, とうもろこし ・ すいか ・ かぼちゃ の種子,渡来。
5. かぼちや(かぼちゃ)[南瓜]
古事類苑
植物部 洋巻 第2巻 628ページ
6. カボチャ(南瓜)[方言の地図帳]
日本方言大辞典
」とある。この記述はカボチャカボチャウリの下略形である可能性をもうかがわせる。なお、『本草綱目啓蒙』(1806)に「南瓜 ボウブラ」の見出しで、「京師ニテハ誤
7. カボチャ【南瓜】[頭見出し]
故事俗信ことわざ大辞典
南瓜(かぼちゃ)が嚔(くさめ)をする・南瓜(かぼちゃ)が雪隠(せっちん)へ絡(から)む・南瓜(かぼちゃ)が唐茄子(とうなす)・南瓜(かぼちゃ)がなっているのを指
8. かぼちゃ【南瓜】
数え方の辞典
▲個、●玉、▲本、●株 丸い実は「個」「玉」で数えます。植物としては「本」「株」で数えます。
9. カボチャ[標準語索引]
日本方言大辞典
盆に新夫婦で仲人に小麦粉やカボチャや砂糖などを持って行くことぼんこカボチャなどの枝から出る蔓まごずるカボチャや甘藷などのうまみごカボチャや瓜などの皮が、固くなっ
10. カボチャ【南瓜】[標準語索引]
日本方言大辞典
あばちゃ / あぶちゃ / あぶっちゃ / あぶらしめ / あぼちゃ / おかぶ / おかぼ / おさつ / おちょーせん / おぼら / おんぞ / かぶす
11. カボチャ‐あさがお[‥あさがほ]【南瓜朝顔】
日本国語大辞典
葵)」の古名。*随筆・本朝世事談綺〔1733〕二・生植門「柬蒲塞牽牛花(カボチャアサガホ) 寛永年中、柬蒲塞(カボチャ)より長崎へ渡る。葉は豌豆に似て、七八月紅
12. カボチャ‐あたま【南瓜頭】
日本国語大辞典
〔名〕カボチャを思わせるようなみにくい形の頭をいう語。カボあたま。*洒落本・松登妓話〔1800〕二「こしゃくな小坊主め、わるくあぎとをならしゃアがると、かぼちゃ
13. カボチャ‐いし【南瓜石】
日本国語大辞典
〔名〕「アンモナイト」に同じ。*英和和英地学字彙〔1914〕「Kabochaishi. Pachydiscus 南瓜石」
14. カボチャ‐うり【南瓜瓜】
日本国語大辞典
〔名〕「カボチャ【二】(1)」の異名。*和漢三才図会〔1712〕一〇〇「南京(なんきん)瓜 柬埔寨(カボチャ)瓜、唐茄子共俗称」*読本・椿説弓張月〔1807~1
15. カボチャ‐おどり[‥をどり]【南瓜踊】
日本国語大辞典
〔名〕南瓜節(ぶし)に合わせて踊った踊り。*歌舞伎・幼稚子敵討〔1753〕三「イヤ、まだ大橋様は、かぼ茶おどりがきつい好きじゃげな」*洒落本・和唐珍解〔1785
16. カボチャ‐か[‥クヮ]【南瓜科】
日本国語大辞典
〔名〕「うりか(瓜科)」の異称。〓[0]
17. カボチャ‐しきぶ【南瓜式部】
日本国語大辞典
〔名〕(女学生の意の「えびちゃ式部」のもじり)容貌のみにくい女学生をさしていう俗語。明治時代用いられた。〔秘密辞典{1920}〕
18. カボチャ‐だな【南瓜棚】
日本国語大辞典
〔名〕カボチャの栽培をするとき、よく蔓(つる)が伸びるように作った棚。*家〔1910~11〕〈島崎藤村〉上・一「青い暗い南瓜棚の下を通って、二人は百姓の隠居の働
19. カボチャ に 目鼻(めはな)
日本国語大辞典
8〕七・九段「下女は皆南瓜(カボチャ)に目鼻(メハナ)、蕃南瓜(たうなす)に鉄漿(おはぐろ)なるゆゑ」*歌舞伎・綴合新著膝栗毛〔1863~80〕二幕「南瓜(カボ
20. カボチャ の 当(あ)たり年(どし)
日本国語大辞典
(1)容貌のみにくい男や女の縁談がまとまること。*歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)〔1873〕序「しかし南瓜(カボチャ)の当(アタ)り年(ドシ)で、あのお熊さ
21. カボチャの雄花[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
花冠が5裂する濃黄色の花。雌雄異花で、雄花と雌花が同じつるに咲く。花の中心に大きな葯(やく)がみえる ©Shogakukan
22. カボチャのおもな品種〔標本画〕[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©大多和鐘三
23. カボチャの果実[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
日本で多く栽培・利用されているクリカボチャ(セイヨウカボチャ)の果実。ニホンカボチャに比べ、表面の凸凹が少ない ©Shogakukan
24. カボチャの子房[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
雌花の萼筒(がくとう)の下にある球形の子房。この子房が大きくなって果実となる ©Shogakukan
25. カボチャの種子[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
右は種皮がついたままのもの ©Shogakukan
26. カボチャ の 唐茄子(とうなす)
日本国語大辞典
カボチャも唐茄子も同じで、カボチャのようにみにくい人をののしっていう言葉。カボチャやろう。とうなすやろう。*洒落本・自惚鏡〔1789〕きをい「七ばんめかまだ人間
27. カボチャの発祥地と伝播経路[百科マルチメディア]画像
日本大百科全書
©Shogakukan
28. カボチャ‐ぶし【南瓜節】
日本国語大辞典
〔名〕江戸時代、宝暦二年(一七五二)頃から流行した小唄。江戸新吉原の妓楼、大文字屋の初代、市兵衛は容貌がカボチャに似ていたところから、それをおもしろおかしく歌っ
29. カボチャ‐ボーブラ
日本国語大辞典
〔名〕(ボーブラは{ポルトガル}abóbora から)植物「カボチャ(南瓜)」の古名。*重訂本草綱目啓蒙〔1847〕二四・菜「南瓜〈略〉一種形長くくびありて壺の
30. カボチャミバエ
日本大百科全書
扁平(へんぺい)で、その前の2節の長さの和よりも短い。本州以南、台湾に産する普通種で、幼虫はカボチャ、スイカ、トマト、キカラスウリの果実に食入して加害する。伊藤
31. カボチャ‐やろう[‥ヤラウ]【南瓜野郎】
日本国語大辞典
何だ、此の柬埔寨野郎(カボチャヤラウ)。此の自己(おれ)を誰だと思ふ」*西洋道中膝栗毛〔1870~76〕〈仮名垣魯文〉五・上「ぶらさげてもふりまはしても南瓜野郎
32. 南瓜(かぼちゃ)、人参(にんじん)を好(す)くは助平(すけべえ)〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
〔周防山口付近の俗諺〕
33. 南瓜(かぼちゃ)が嚔(くさめ)をする
故事俗信ことわざ大辞典
狆(ちん)が嚔(くしゃみ)をしたよう。 人情本・春色江戸紫(1864~68頃)二・一二回「ナンノあんな南瓜(カボチャ)がくさめをしたやうな奴」
34. 南瓜(かぼちゃ)が雪隠(せっちん)へ絡(から)む
故事俗信ことわざ大辞典
1 坊主頭で背の低い人。 洒落本・南極駅路雀(1789)「久は坊主にてせいがひくいゆへかぼちゃせつゐんをからむとあてこすられて大にせき込こわ高に成」2 からむ。
35. 南瓜(かぼちゃ)が唐茄子(とうなす)
故事俗信ことわざ大辞典
「道理で南瓜が唐茄子だ」に同じ。 洒落本・擲銭青楼占(1771)序「東埔塞瓜(カボチャ)がとうなすと成れば茶釜が飛んで薬鑵と化(ばけ)る」
36. 南瓜(かぼちゃ)がなっているのを指差(ゆびさ)すと南瓜(かぼちゃ)が落(お)ちる
故事俗信ことわざ大辞典
「南瓜に手を着くれは南瓜は腐れ落る」〔俚諺調(1906頃)二戸郡(岩手県)〕などとも。
37. 南瓜(かぼちゃ)と薩摩芋(さつまいも)は表(おもて)の閾(しきい)を越(こ)されぬ
故事俗信ことわざ大辞典
れるものでなく、台所からそっと買い入れるものである。 日本俚諺大全(1906~08)「南瓜(カボチャ)と甘藷(サツマイモ)は表(オモテ)の閾(シキヰ)を越(コ)
38. 南瓜(かぼちゃ)と坊主(ぼうず)はひねねばいかぬ
故事俗信ことわざ大辞典
積んだものがありがたい。ともに老熟したほうがよいことをいう。 日本俚諺大全(1906~08)「南瓜(カボチャ)と坊主(バウズ)はひねな行(イ)かぬ」
39. 南瓜(かぼちゃ)に宝丹(ほうたん)〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
食い合わせが悪いとされる。「宝丹」は、江戸時代の気付け薬の名。〔日用同食養生心得〕
40. 南瓜(かぼちゃ)に目鼻(めはな)
故事俗信ことわざ大辞典
8)七・九段「下女は皆南瓜(カボチャ)に目鼻(メハナ)、蕃南瓜(たうなす)に鉄漿(おはぐろ)なるゆゑ」歌舞伎・綴合新著膝栗毛(1863~80)二幕「南瓜(カボチ
41. 南瓜(かぼちゃ)の当(あ)たり年(どし)
故事俗信ことわざ大辞典
どうも、いつもの年とは違うことが起こる。カボチャの出来と直接の関係はないが、カボチャから連想される容貌のぱっとしない男女の縁談がまとまることや、愚鈍な男が功成る
42. 南瓜(かぼちゃ)の蔓(つる)が多(おお)いとその年(とし)は大風(おおかぜ)が吹(ふ)く〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
〔播州赤穂地方の俗信及び俚諺〕
43. 南瓜(かぼちゃ)の唐茄子(とうなす)
故事俗信ことわざ大辞典
「南瓜」も「唐茄子」も同じもので、醜い人をいう。かぼちゃやろう。とうなすやろう。 洒落本・自惚鏡(1789)きをい「七ばんめかまだ人間らしいからあげて見たところ
44. 南瓜(かぼちゃ)のなりの悪(わる)い年(とし)は豊年(ほうねん)〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
〔播州赤穂地方の俗信及び俚諺〕
45. 南瓜(かぼちゃ)の臍(へそ)を乾(かわ)かして切(き)れば、死人(しにん)が出(で)る〈俗信・俗説〉
故事俗信ことわざ大辞典
〔福岡県俚諺集(1906頃)久留米〕
46. かぼちゃの-もとなり【加保茶元成】
日本人名大辞典
1754−1828 江戸時代中期-後期の狂歌師。宝暦4年生まれ。江戸新吉原の妓楼大文字屋の初代村田市兵衛の養子となる。天明狂歌壇の一翼として活躍し,吉原連を主宰
47. 南瓜(かぼちゃ)は唐茄子(とうなす)
故事俗信ことわざ大辞典
結局は同じ事である。別の語であっても、同じ物をさすところからいう。 日本俚諺大全(1906~08)「南瓜(カボチャ)は唐茄(タウナス)、頰(ホホ)は面(ツラ)」
48. 南瓜(かぼちゃ)を売(う)ってぼうぶらを買(か)う
故事俗信ことわざ大辞典
同じことでかわらないことのたとえ。「ぼうぶら」も南瓜のこと。
49. 加保茶唐茄出世寿(著作ID:138498)
新日本古典籍データベース
かぼちゃとうなすしゅっせのことぶき 富川吟雪(とみかわぎんせつ) 画 黒本 明和七刊
50. カボチャばち【―蜂】[標準語索引]
日本方言大辞典
あまのばち / あまんばち / あめんばち / ぶんぶんばち
「カボチャ」の情報だけではなく、「カボチャ」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
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ピーマン(日本大百科全書・世界大百科事典)
トウガラシのうちで、果実に辛味がない甘いトウガラシの1変種。明治時代にアメリカから導入されたイスパニア種といわれる品種がもとになり、今日までに日本人の嗜好(しこう)に適合した多くの品種が作出されて、第二次世界大戦後急速に普及した
レタス(日本大百科全書・世界大百科事典)
キク科の一、二年草。和名をチシャ(萵苣)という。ヨーロッパで古くから葉菜として利用され、いろいろな系統、品種群に分化している。葉は楕円形ないし長形で、生育中期までは茎はほとんど伸びず、葉は重なり合い結球するものと、結球しないものとがある
ニンニク(日本大百科全書・世界大百科事典)
ユリ科(APG分類:ヒガンバナ科)の多年草。ガーリックの名でよばれることもある。鱗茎(りんけい)は強い辛味と特有の臭気があり、香辛料としまた強壮薬とするために栽培される。原生野生種は未発見であるが、キルギス砂漠地帯が原生地とみられている
カボチャ(日本大百科全書・世界大百科事典)
ウリ科(APG分類:ウリ科)の一年生つる草。カボチャ属の野生種は新大陸のみに分布し、その多くはメキシコおよび中央アメリカで、11種に及ぶ。栽培種5種のうちニホンカボチャ、クリカボチャ、ペポカボチャは世界で広く栽培されている
ショウガ(日本大百科全書・世界大百科事典)
ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の多年草。ハジカミ(薑)ともいう。地下茎を食用とする。茎は地中にあり、節くれだって肥大し、塊茎となる。節から地上に伸び出る茎状のものは、鱗片(りんぺん)状の葉や葉鞘(ようしょう)部が重なった偽茎で
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タケノコ(日本大百科全書・世界大百科事典・平成ニッポン生活便利帳・日本国語大辞典)
タケの、地下茎から稈 (かん)が枝分れした当初の若い時代のもの。節間がごく短く、そのため各節に1枚ずつ左右交互についている竹の皮は2列に固く巻いている。先端部の組織は髄 (ずい)組織と横隔壁の組織が交互に密に上下に重なって続いているが、節間の成長
(日本大百科全書・世界大百科事典)
バラ科(APG分類:バラ科)サクラ属モモ亜属(バラ科スモモ属とする説もある)の落葉性小高木。中国原産。高さは5~6メートルで、枝や幹に樹脂があり、傷がつくと分泌する。葉は互生し、基部に蜜腺 (みつせん)をもつ短い葉柄がある。葉身は5~12センチメートル
大根(日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
解説・用例【一】〔名〕〔一〕(「おおね」に当てた漢字を音読したもの)(1)アブラナ科の一年草または二年草。中央アジア原産とみられ、重要な蔬菜として古くから広く栽培されている。高さ約一メートル。地下に多汁・多肉質で長大な白い根がある。葉は群がって生え
トチノキ(世界大百科事典・日本大百科全書・日本国語大辞典)
7枚の小葉からなる大型の掌状複葉と白い大きな円錐花序をつけるトチノキ科の落葉高木で,庭園樹,街路樹として植えられる。ときに高さ35m,直径4mにも達し,幹の樹皮は黒紫褐色で外層がはがれると波状の紋様が現れる。枝は太く張って広い樹冠をなし
ザクロ(世界大百科事典・日本国語大辞典・日本大百科全書)
観賞用,食用,薬用に栽培されるザクロ科の落葉樹。地中海東岸から北西インドに至る地方に分布し,西南アジア地域でもっとも古くから栽培された果樹の一つである。ヨーロッパにはギリシア時代,中国には3世紀終りごろ,日本へは平安期以前に渡来している
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