べったら市
べったらいち
10月19日(もとは旧暦)東京・日本橋の大伝馬町と小伝馬町を結ぶ街路で開かれる浅漬け大根(べったら漬け)の市。本来は恵比寿講 (えびすこう)(20日)のための道具、供え物の塩鯛 (だい)、恵比寿大黒 (だいこく)の神像などを売る市であったが、のちにべったら漬けを売る市に変わった。盛んなころには「ホラべったら、べったら。買わないで素通りすると着物につくよ」と、人ごみのなかで振り回したり、粕 (かす)のついた手で袖 (そで)を引いたりした。元来は浅漬けといったが、呼び声からべったら漬けとよぶようになったといわれる。
©Shogakukan Inc.