1. 古本説話集
日本大百科全書
一のもので、題簽だいせん、内題ともになく、本来の書名は不明。仮題が定着しているが、『梅沢本古本説話集』などともよばれる。所収説話の伝承関係から推定して1126年
2. 古本説話集
世界大百科事典
説話集。編者,成立時期ともに未詳。平安末期成立,鎌倉初期成立の両説がある。原題は失われており,書名は現代の研究者による仮称。和歌説話46話,仏教説話24話の計7
3. こほん‐せつわしゅう[‥セツワシフ]【古本説話集】
日本国語大辞典
平安後期頃成立の説話集。題名は仮称が通称となったもの。編者も未詳。前半に和歌説話四六話、後半に仏教説話二四話を収める。「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」と共通の説
4. こほんせつわしゅう【古本説話集】
国史大辞典
活字本が『岩波文庫』『日本古典全書』に収められている。 [参考文献]広島大学文学部国語学研究室編『古本説話集総索引』 (西尾 光一)
5. あ
日本国語大辞典
承知しないで不満に思う場合にも用いる。狂言では、多く不承知の場合に言う。→ああ(嗚呼)(3)。*古本説話集〔1130頃か〕六七「いかがはせむとて、ただ『あ』と、
6. あ【吾・我】
日本国語大辞典
笛「二宮見つけ給て、まろも大将にいだかれんとの給を、三宮、あが大将をやとてひかへ給へり」*古本説話集〔1130頃か〕六「あがこひやとてしばしのぼりて、こまやかに
7. あい‐・する【愛】
日本国語大辞典
いづれをも村上のみかど時めかし申させ給ひしに、いますこし六条殿をばあいし申させ給へりけり」*古本説話集〔1130頃か〕五八「えもいはずよき馬に乗りたる人、この馬
8. あおぎ‐おが・む[あふぎをがむ]【仰拝】
日本国語大辞典
〔他マ四〕敬って拝礼する。*古本説話集〔1130頃か〕四七「まいて目に見えぬ御功徳、いかばかりならんと、世の人もあふぎをがみたてまつるなりけり」アオ
9. あお‐さぶらい[あをさぶらひ]【青侍】
日本国語大辞典
*中右記‐永久三年〔1115〕八月一二日「一夜肥後守国資倉中窃盗入。嫌疑者彼家青侍也。則搦取也」*古本説話集〔1130頃か〕五八「いまはむかし、父も、母も、主(
10. あお・む[あをむ]【青】
日本国語大辞典
さすがににほひやかにおはします」*源氏物語〔1001~14頃〕若菜下「げに、いといたく痩せ痩せにあをみて」*古本説話集〔1130頃か〕二八「若き人の痩せさらぼひ
11. あか・い【明】
日本国語大辞典
じうあつければ「うちかすめ、うらみなどするにあかうなりて人の声々し、日もさしいでぬべし」*古本説話集〔1130頃か〕六七「見あげたれば、夜も明けにけり。あかくな
12. あか・い【赤】
日本国語大辞典
〕九「さるをりしも、白き鳥の嘴と脚とあかき、鴨の大きさなる、水のうへに遊びつつ魚をくふ」*古本説話集〔1130頃か〕四八「嬉しくて、よろこびにとらすべきもののな
13. あき‐み・つ【飽満】
日本国語大辞典
がびつ)のものは、みなひと、わらはまでにくれたれば、あきみちて、船子どもは腹鼓をうちて」*古本説話集〔1130頃か〕六一「ただ少しを食ひたるが、あきみちたる心ち
14. あ・く【明・開・空】
日本国語大辞典
すなはちただあきにあきぬ」*源氏物語〔1001~14頃〕野分「かの妻戸のあきたりけるよ」*古本説話集〔1130頃か〕五一「ひる見候ひつれば、神泉(しせん)の北の
15. あけ‐く・れる【明暮】
日本国語大辞典
〔1001~14頃〕明石「雲間なくてあけくるる日数に添へて、京の方もいとどおぼつかなく」*古本説話集〔1130頃か〕六二「あけくるるも静心なきほどに、からうじて
16. あげ‐すぐ・す【上過】
日本国語大辞典
〔他サ四〕必要以上に高く上げる。*古本説話集〔1130頃か〕四七「なかのまのうつばりのうへに、あげすぐして、尺九寸の木の三尺なるをこそ、三すぢあげてさぶらへ」
17. あじ‐わい[あぢはひ]【味─】
日本国語大辞典
、押坂直と、童子と、煮て食(くら)ふ。大(はなは)た気(かうは)しき味(あちハヒ)有り」*古本説話集〔1130頃か〕五三「鍋に入れて煮食ひつ。そのあぢはひのむま
18. あずま‐うど[あづま‥]【東人】
日本国語大辞典
〔名〕(「あずまうと」とも)「あずまひと」の変化した語。*古本説話集〔1130頃か〕二二「今は昔、あづまうどの、歌いみじう好みよみけるが」*あさぢが露〔13C後
19. あぜ‐くら【校倉】
日本国語大辞典
楽記〔1061~65頃〕「御許夫飛騨国人也、位大夫大工〈略〉御厩、叉倉、甲蔵等之上手也」*古本説話集〔1130頃か〕六五「大きなるあぜくらのあるを開けて、物取り
20. あた・る【当・中】
日本国語大辞典
20頃か〕三〇・一「髪を捜(さぐれ)ば凍(こほり)を延べたる様に氷(ひや)やかにて当る」*古本説話集〔1130頃か〕五八「なににまれ、かにまれ、手にあたらん物を
21. あつ‐あつ【厚厚】
日本国語大辞典
〔形動タリ〕(多く「あつあつと」の形で用いる)大そう厚いさま。厚ぼったいさま。こんもりしたさま。あつらか。*古本説話集〔1130頃か〕六五「衲(たひ)といふもの
22. あつか・う[あつかふ]【扱・
・刷】
日本国語大辞典
語〔1069~77頃か〕二「いと苦しげに、暑さをあつかはせ給さまも、うしろめたげなれば」*古本説話集〔1130頃か〕五八「まことに騒ぎまどひて、しあつかうをみて
23. あつ‐げ【暑─・熱─】
日本国語大辞典
4頃〕鈴虫「所せくあつげなるまで、ことごとしくさうぞきたる女房、五六十人ばかり集ひたり」*古本説話集〔1130頃か〕五一「身もかいさぐれば、いみじくあつげなれば
24. あなない[あななひ]
日本国語大辞典
あななひにあげ据ゑられたり」*十巻本和名類聚抄〔934頃〕五「麻柱 弁色立成云麻柱 阿奈々比」*古本説話集〔1130頃か〕四七「ただいま上げば、あなない結ふべし
25. あま‐ぎみ【尼君】
仏教語大辞典
高貴の女性で、尼になった人を敬っていう語。尼上とも。 →尼御前 →尼公 古本説話集 下・六五 「信濃なりし我が姉の尼君なり」
26. あまた‐ところ【数多所】
日本国語大辞典
*源氏物語〔1001~14頃〕紅葉賀「参座(さむざ)しにとても、あまた所もありき給はず」*古本説話集〔1130頃か〕三五「おなじやうに書かせ給ひて、あまた所へ遣
27. あみだ‐きょう[‥キャウ]【阿彌陀経】
日本国語大辞典
語〔1001~14頃〕鈴虫「あみだ経、唐の紙はもろくて、朝夕の御手ならしにもいかがとて」*古本説話集〔1130頃か〕七〇「山、三井寺、ならの僧まゐりあつまりて、
28. あみだ‐ほとけ【阿彌陀仏】
日本国語大辞典
おぼすところやあらむ、とおぼしつつむほどに、あみだほとけを心にかけて念じたてまつり給ふ」*古本説話集〔1130頃か〕一「三尺の阿彌陀ほとけにむかひまゐらせさせた
29. あやし‐が・る【怪─】
日本国語大辞典
筒の中光りたり」*土左日記〔935頃〕承平五年二月五日「いとおもひのほかなる人のいへれば、人々あやしがる」*古本説話集〔1130頃か〕四〇「さて、このさぶらひに
30. あゆみ‐こう・ず【歩困】
日本国語大辞典
〔自サ変〕歩き疲れて、これ以上は歩けない。足が進まない程、苦しい様子になる。*古本説話集〔1130頃か〕五八「あゆみこうぜさせ給て、御のどのかはかせ給て、水めさ
31. あゆみ‐よ・る【歩寄】
日本国語大辞典
001~14頃〕東屋「障子をいとみそかに押しあけ給ひて、やをらあゆみより給ふも人知らず」*古本説話集〔1130頃か〕一「人ふたりばかりあゆみよりて、けしきばめば
32. あらわれ‐いで・く[あらはれ‥]【顕出来】
日本国語大辞典
現わして出る。*源氏物語〔1001~14頃〕柏木「さらに物の怪のあらはれいでくるもなきに」*古本説話集〔1130頃か〕五五「摩訶陀国(まかだこく)に鬼のあらはれ
33. あり‐げ【有気】
日本国語大辞典
~07頃か〕賀・二八四「おほ空にむれたるたづのさしながら思ふ心のありげなるかな〈伊勢〉」*古本説話集〔1130頃か〕五四「みれば、三十よばかりなる五位の、いみじ
34. あり‐つ・く【有付】
日本国語大辞典
0頃か〕一〇・三三「亦、国に大水出でて人を流し里を失ふ。然れば、民有付く事難(かた)し」*古本説話集〔1130頃か〕五八「くひ物ありければ、かたはらなりけるげす
35. あり‐どころ【有所・在処】
日本国語大辞典
〔名〕(1)物のある所。所在。ありか。ありしょ。ありど。ありどこ。*古本説話集〔1130頃か〕五八「ここなる男こそ、水のあり所は知りたるらめ」*虎明本狂言・鶏猫
36. あれ‐まさ・る【荒増】
日本国語大辞典
〔1001~14頃〕須磨「いとどあれまさらむほどおぼしやられて、殿のうちいとかすかなり」*古本説話集〔1130頃か〕二七「そののち、いよいよあれまさりて、松の木
37. あれ‐ゆ・く【荒行】
日本国語大辞典
さる〈福麻呂歌集〉」*源氏物語〔1001~14頃〕須磨「ましていかにあれゆかんとおぼす」*古本説話集〔1130頃か〕二七「かくて院うせさせ給ひてのち、すむ人もな
38. あわせ[あはせ]【合・会】
日本国語大辞典
9頃〕国譲下「山ごもりの御料(みれう)に、粥(かゆ)のれう、あはせ、いときよらに調じて」*古本説話集〔1130頃か〕五六「くだ物、おもの、酒、あはせどもなど、お
39. あわ・せる[あはせる]【合・会・逢・遭】
日本国語大辞典
*枕草子〔10C終〕一四二・なほめでたきこと「いとうるはしう袖をあはせて、二人ばかり出で来て」*古本説話集〔1130頃か〕七〇「左右のたな心をあはせて、ひたひに
40. あわれ‐・む[あはれ‥]【哀・憐】
日本国語大辞典
愛(かな)しぶ心はおほく」*後拾遺和歌集〔1086〕序「花をもてあそび、鳥をあはれまずといふことなし」*古本説話集〔1130頃か〕六〇「ひめ君、あはれみて、藤
41. い[ゐ]【井】
日本国語大辞典
玉の井。走り井は逢坂なるがをかしきなり。山の井、などさしもあさきためしになりはじめけん」*古本説話集〔1130頃か〕四七「異所よりは、地のてい、亀の甲のやうに高
42. い‐あか・す[ゐ‥]【居明】
日本国語大辞典
下「大納言殿御なかたがひにて、日ごろはよごとにおはして、すのこになむ、ゐあかし給ふめる」*古本説話集〔1130頃か〕一「月のあかかりければ、ゐあかさむと思ひてゐ
43. いい‐せた・む[いひ‥]【言責】
日本国語大辞典
〕三「ただ言ひおはさうぜよと、ある限りの人々をいひせたむれば、えも言はぬ誓言どもたてて」*古本説話集〔1130頃か〕六七「かかる言承けし候ひて、いま十九人のひと
44. いい‐つづ・ける[いひ‥]【言続】
日本国語大辞典
14頃〕桐壺「すべて、いひつづけば、ことごとしう、うたてぞなりぬべき人の御さまなりける」*古本説話集〔1130頃か〕一九「め、にくげなる事どもをいひつづくるに、
45. いい‐ののし・る[いひ‥]【言罵】
日本国語大辞典
ののしりけれど」*源氏物語〔1001~14頃〕手習「いよいよいと尊きものにいひののしる」*古本説話集〔1130頃か〕五「そののち、めでたき事に、世にいひののしり
46. いい‐ほら・す[いひ‥]【言惚】
日本国語大辞典
〔他サ四〕(「ほらす」はうっとりさせるの意)うまく相手を言いくるめる。うまいことばで人をだます。*古本説話集〔1130頃か〕二八「このめのと、ひとにいひほらされ
47. いい‐まさぐ・る[いひ‥]【言弄】
日本国語大辞典
言ってからかう。嘲弄する。*宇津保物語〔970~999頃〕菊の宴「われをいひまさぐる公卿たち」*古本説話集〔1130頃か〕四「たけたかく、さしかたにて、みぐるし
48. いい‐わら・う[いひわらふ]【言笑】
日本国語大辞典
」*栄花物語〔1028~92頃〕初花「ゆめゆめ麿がなからん世のおもてぶせ、麿を人にいひわらはせ給なよ」*古本説話集〔1130頃か〕七〇「牛、つゆなづむことなし。
49. いお[いを]【魚】
日本国語大辞典
れでやみぬべらなり」*源氏物語〔1001~14頃〕手習「池に泳ぐいを、山に鳴く鹿をだに」*古本説話集〔1130頃か〕六七「こころえず思へど、いかがはせんとて、よ
50. い‐か【衣架】
日本国語大辞典
*宇津保物語〔970~999頃〕祭の使「色々の御ぞども色をつくし、〈略〉おほいかをならべ」*古本説話集〔1130頃か〕五二「御いかにかかりたる御ぞをめしてかづけ