1. きれ‐じ【切字】
日本国語大辞典
4〕故実「先師曰、『切字に用(もちふ)る時は、四十八字皆切字也。用ひざる時は、一字も切字なしと也』」*俳諧・也哉抄〔1774〕「其てにはの中にて、語意結絶の用を ...
2. 切字
日本大百科全書
いられる切字だが、ほかに「つ」「ぬ」「ず」「らん」なども切字とされる。切字は一句の中に一つなければならないが、二つ以上あってはいけないとされている。ただし、その ...
3. 切字
世界大百科事典
立するように機能する語で,例えば,〈や〉〈かな〉〈けり〉などであるが,句の切れは必ずしも特定の切字のみでなされるわけではない。句が切れることにより,詠嘆の強調や ...
4. 切字(きれじ)[發句]
古事類苑
文學部 洋巻 第1巻 1258ページ ...
5. きれ‐じ【切れ字】
デジタル大辞泉
連歌・俳諧の発句で、句中または句末に用いて、句に曲折をもたせたり、特別に言い切る働きをしたりする語。終助詞や用言の終止形・命令形などが多い。「や」「かな」「けり ...
6. きれじ‐じゅうはちじ[‥ジフハチジ]【切字十八字】
日本国語大辞典
他は助動詞と終助詞である。室町中期に成立し、江戸時代まで秘伝とされた。十八の切れ字。*白髪集〔1563〕「発句切字十八之事 哉、遅く来て見残す花の夕かな。けり、 ...
7. きれじ‐じゅうはちじ【切れ字十八字】
デジタル大辞泉
連歌・俳諧で秘伝とされた18の切れ字。かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・に。このうち、「せ」「れ」「へ」「け」は動詞 ...
8. おまわし の 切字(きれじ)
日本国語大辞典
廻)」に同じ。*俳諧・埋木〔1656〕「をまはしの切字、うぐちさへえくぼにみるを花の顔」*俳諧・をだまき(元祿四年本)〔1691〕をまはしの切字「をまはしの切字 ...
9. あいさつ‐ぎれ【挨拶切】
日本国語大辞典
それにとも、それに是はとも、物に対する差別より、挨拶をもて此名とはなせり」*俳諧・二十五箇条〔1736〕切字に口伝の事「我は家を人に買はせて年忘れ。あいさつ切と ...
10. 東路のつと(中世日記紀行集) 486ページ
日本古典文学全集
表に八句、裏に十四句を記載する。ただし「一折」のこまかな方式は未詳。連歌の最初の十七音句。賦物や季語・切字の約束がある。「葛」はマメ科の多年生つる草。秋風に葉が ...
11. あん・じる【案】
日本国語大辞典
)」に同じ。*俳諧・三冊子〔1702〕白双紙「あこくその心はしらず梅(んめ)の花と云句をして、切字をいるる事を案じられし傍にありて」*咄本・鹿の子餠〔1772〕 ...
12. いしだ-はきょう【石田波郷】
日本人名大辞典
本名は哲大(てつお)。句集に「鶴の眼」「惜命(しゃくみょう)」「酒中花」など。【格言など】霜柱俳句は切字(きれじ)響きけり(「風切」) ...
13. いちじ‐ばね【一字撥】
日本国語大辞典
〔名〕連歌、俳諧の切字(きれじ)の一つ。上の部分に疑問の意の「や」「か」「いつ」「何」などの語がなくて、句の終わりを「む」「ん」で結ぶもの。*至宝抄〔1585〕 ...
14. うき‐かな【浮哉】
日本国語大辞典
〔名〕発句の切字(きれじ)に使った「かな(哉)」の浮き上がって落ち着かないものをいう。*俳諧・古学截断字論〔1834〕上・梧一葉「浮哉とてあしきは、月に柄をさし ...
15. 宇陀法師
世界大百科事典
誹諧撰集法〉では撰者みずからの句を入集させることなどの編集法について,〈当流活法〉では主として切字(きれじ)について,〈巻頭幷俳諧沙汰〉では連句の心得について論 ...
16. う‐む【有無】
日本国語大辞典
だ契の浅深によせて志の有無にまかせたり」*俳諧・去来抄〔1702〜04〕故実「梢・根ある句は、切字の有無によらず、ほ句の体也」*書経‐益稷「曁 ...
17. 埋木
世界大百科事典
俳諧論書。北村季吟著。1655年(明暦1)成立,73年(延宝1)刊。〈俳諧之事〉〈六義〉〈発句之切字〉等15項目にわたり,俳諧の作法・規範を説いた論書。師の貞室 ...
18. えびつたんこう【海老津炭鉱】福岡県:遠賀郡/岡垣町
日本歴史地名大系
事業不振のため同三二年には廃坑となった。同四三年頃には許斐直太郎が周辺鉱区を買収して岡垣村大字戸切字百合野で開坑し、巻揚機や汽缶などを設置したというが、このとき ...
19. お‐まわし[をまはし]【を廻】
日本国語大辞典
〔名〕連俳で切字の特殊用法の一つ。発句の中七の末尾にくる助詞「を」で句が切れるというもので、「焼亡(じょうまう)は水だにあるを花の風」のように下五に名詞がきて逆 ...
20. かい‐ごう[‥ガフ]【開合】
日本国語大辞典
自然と開合にて分るる理あり」*切韻指掌図検例‐弁独韻与開合韻例「総二十図前六図係独韻、応所切字不出本図之内。其後十四図係開合韻、所切字多互見如眉箭切面字。其面字 ...
21. かた‐いなか[‥ゐなか]【片田舎】
日本国語大辞典
六)「片田舎下向仕候折節に親にて候物早世仕候時」*俳諧・古学断字論〔1834〕いろは四十七字皆切字といふ説「初学の人々、天疎(カタヰナカ)のたれかれ、十人に一人 ...
22. かど‐すずみ【門涼】
日本国語大辞典
6〕二「しづのをがふけゆく闇のかとすすみこのもしからぬまとゐ也けり」*俳諧・真木柱〔1697〕切字作例「門涼よくぞおとこに生れける〈松祷〉」 ...
23. かむり‐づけ【冠付】
日本国語大辞典
。*俳諧・真木柱〔1697〕前句付の事「いかに初心をみちびくとて、冠付ゑぼし付などいへる季なし切字なしなどいふ事の侍るとかや」*歌舞伎・信田会稽山〔1702〕三 ...
24. がれきざっこう【瓦礫雑考】
国史大辞典
江戸時代の随筆。二巻二冊。喜多村信節著。巻一には、千字文・哥字切字・いろは・童戯・印地・はま・上下・羽織・十徳・五徳・秀句・重語・御字の十三項、巻二には、俗諺 ...
25. 去来抄(俳論集) 428ページ
日本古典文学全集
る、との意。以下の其角関連の所説は『雑談集』(元禄五年刊)による。本来「かな」などの切字を用うべき発句を切字外の「にて」で留めたことへの非難。芭蕉の高弟。意味上 ...
26. 去来抄(俳論集) 464ページ
日本古典文学全集
た句。自分自身が墓をめぐるのなら、の意。「治定」は意味・内容がはっきりと決まり定まることを示す切字。 ...
27. 去来抄(俳論集) 465ページ
日本古典文学全集
」がある。▼この条は『俳諧問答』「俳諧自讃之論」(元禄十一年三月成)中に許六が「中の七字のやの切字、うたがひ也」とし、これを第三者が北枝のことを想像して詠んだか ...
28. 去来抄(俳論集) 478ページ
日本古典文学全集
ず」。〔二二〕二つの切字 幾年の白髪も神のひかり哉去来太宰府奉納の句なり。許六曰く「発句に切字を二つ用ゆるは、法あり。この句、切字二つの病あり」。去来曰く「予、 ...
29. 去来抄(俳論集) 487ページ
日本古典文学全集
なし。名目を以ていはば、治定の「や」なり。治定にも、嘆息・嘆美あり。『古今集』の和歌にもあり。世話にも「さいたりや虎御前」「切つたりや武蔵坊」といふ。皆、治定・ ...
30. 去来抄(俳論集) 497ページ
日本古典文学全集
年々や猿に着せたる猿の面芭蕉かくのごときなり」。〔四〕切字論 卯七曰く「発句に切字を入るる事はいかに」。去来曰く「故あり。先師曰く「汝、切字を知るや」。去来曰く ...
31. 去来抄(俳論集) 498ページ
日本古典文学全集
(一般には切字がなければ発句ではないとみられるが)一本の木として独立している発句は形式的な切字の有無にかかわりなく、発句としての風体を備えていること。おぼろげな ...
32. 去来抄(俳論集) 499ページ
日本古典文学全集
いろは四十八字がすべて切字となるので、形式的に切字を定める必要はないということ。蕉門独特の切字論である。底本「書せ」。「ず」一字脱落。見当。▼『三冊子』にも、こ ...
33. 去来抄(俳論集) 500ページ
日本古典文学全集
刊)には「嵐雪、翁に切字を問ふ、答へて切字は尽也。野坡問ふ、答へて切字は節也。支考問ふ、答へて一句の成就也。去来問ふ、答へて寄也。惟然問ふ、答へてイロハ四十八 ...
34. 近世俳句集 104ページ
日本古典文学全集
いる。前書〈里家春日〉軽く切れている。「や」のはたらきに近い。「や」とすると、下五の「かな」と切字が重複してしまうので避けた。まだ昼を過ぎていない。午前中である ...
35. 近世俳句集 174ページ
日本古典文学全集
さすがにこの夏着では秋冷が身にしみ、長い旅のあわれが感じられてくる、の意。「越の日数」に「や」の切字を添えたところに作者の感慨がこめられている。季語は「後の月」 ...
36. 近世俳句集 214ページ
日本古典文学全集
も思われる。「いかづちの」の「の」は「や」に近い詠嘆の気持を含むもの。下に「かな」があるので、切字の重複を避けるために「や」を用いない。季語は「柳」で春。むつと ...
37. 近世俳句集 221ページ
日本古典文学全集
。店内にさしこむ朝日をあびて、ひと鉢の福寿草があざやかな光彩を放っている。清らかで美しい情景。切字「や」が効果的で、「福寿草」が生き 雪景色の上の好天気だから ...
38. 近世俳句集 222ページ
日本古典文学全集
木などにとまった鶯が、小さい口を精いっぱいに開き、喉をふるわせながら鳴いている、の意。「や」の切字を受けた後半の声調は「ちひさきくちあいて」とイ列音を並べたため ...
39. 近世俳句集 224ページ
日本古典文学全集
る。「よき…ひく…ま」と配置された濁音の重い響鳴も内容にふさわしい効果をあげているし、「や」の切字のはたらきも力強い。掲出句に劣らない秀吟である。うたた寝。春宵 ...
40. 近世俳句集 232ページ
日本古典文学全集
足でぬぐ夜や朧月」(→)、「大門の重き扉や春の暮」(夜半叟句集)などもそうであるが、中七の終わりに「や」の切字をおく句法は、やはりゆるやかな調べでないといけない ...
41. 近世俳句集 279ページ
日本古典文学全集
山鳩の声によってよく描き出している。涼袋の唱道した片歌形式の作品。季語は「花」で春。ただし、片歌は季語・切字を必要としない。あをやぎのながらふ影にあゆ子さばしる ...
42. 近世俳句集 296ページ
日本古典文学全集
とくに蕪村らの一派と交わった。俳諧関係の編著としては、宗因の発句を集めた『梅翁発句むかし口』や、切字を論じた『也哉抄』などがある。桜〳〵散て佳人の夢に入(続明烏 ...
43. 近世俳文集 528ページ
日本古典文学全集
玉峨と号した)か。人物山水画ををよくした。平句。連句において発句・脇・第三・挙句以外の句。区別。切字はないが、まとまりと品位があるということ。雪の積もった淀の小 ...
44. く‐せい【句勢】
日本国語大辞典
子の勢い。*浪化宛去来書簡‐元祿七年〔1694〕五月一三日「辛崎の松は花よりおぼろにて 此句、切字なき事をくるしみ候て、辛崎の松は花より朧哉 と仕候。〈略〉ばせ ...
45. くだらむら【百済村】奈良県:北葛城郡/広陵町
日本歴史地名大系
(中略)字アタラシノマヘ 弘安五年壬午九月日。尼慈命佐味右馬入道女也」「(上略)十三坪内一段四段切字島田 正応五年九月十五日」とある。小字アタラシノマヘ、島田、 ...
46. くち‐ぐせ【口癖】
日本国語大辞典
せ、気癖(きくせ)いかさま一くせ有物か」*俳諧・雑談集〔1692〕上「我我の口質(くちクセ)に切字を入て、参会を紛らかし侍るも本意なし」*浄瑠璃・山崎与次兵衛寿 ...
47. げ‐じ[‥ヂ]【下知】
日本国語大辞典
下知のそと云ふなり。人なとがめそ、かくなせそ、このたぐひなり」*俳諧・誹道手松明〔1690〕発句切字之事「下知とはつねに下知するごとく物をいひつくる心也〈略〉た ...
48. げじ‐ぎれ[ゲヂ‥]【下知切】
日本国語大辞典
〔名〕俳諧の発句で、切字(きれじ)に命令形を用いる表現形式。「はやく咲け九日も近し菊の花」の「咲け」、「憂き我をさびしがらせよかんこどり」の「さびしがらせよ」、 ...
49. 慊堂日暦 5 313ページ
東洋文庫
春秋左伝(巻七.八)を校す。項背の悪候、殊に甚だし。静海来る。○古韻発明道光癸未、縢陽張畔。発明三冊、切字卑考一冊。』もと魏太武の始光二年三月初、新字千余を造り ...
50. 国文学全史 2 平安朝篇 312ページ
東洋文庫
要はた父和歌の範囲を拡めて、不拘不滞の妙境に達せんとするにあり。されば従来の優麗にして頼柔なるもののほかに、切字を多くして通勤の体を得んとするもの、既に後拾遺に ...