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  10. 海神祭

海神祭

ジャパンナレッジで閲覧できる『海神祭』の日本大百科全書(ニッポニカ)のサンプルページ

海神祭
うみがみまつり

鹿児島県奄美(あまみ)諸島与論島、沖縄県国頭(くにがみ)郡一帯、島尻(しまじり)郡伊平屋(いへや)諸島などで行われる村の行事。地元では海神(うみがみ)(ウンガミ、ウンジャミなど)という。『琉球国(りゅうきゅうこく)由来記』(1713)には「海神折目(うみがみおりめ)」とある。折目は節日の意である。国頭郡本部(もとぶ)半島地方では大折目(おおおりめ)(ウフウンミ)ともいう。
旧暦7月の行事で、盆行事後の亥(い)の日とする所が多い。穀物の収穫を終えた、農耕暦の1年の境目の時期で、そのときにあたり、祝女(のろ)を司祭者として、海神を迎え、豊作と豊漁を祈願する。シヌグと対(つい)をなしている村も多い。国頭郡北部には、シヌグと隔年に行う村もあり、海神祭を女の節供、シヌグを男の節供と説明したり、シヌグを大(ウフ)シヌグ、海神祭をシヌグ小(グワー)と規模により呼び分けたりしている。シヌグが、成人儀礼的な男子を中心とする村落組織による祓(はらえ)の行事であるのに対して、海神祭は、与論島で祝女海神(のろうみがみ)(ヌルウンジャミ)というように、成巫(せいふ)儀礼を伴う、祝女が率いる女子中心の祭祀(さいし)組織による祈願の神事の色彩が濃い。
神事は、村による変化も大きいが、海に突き出た土地から海神を迎え、村の祭場で神歌を歌って踊り、魚の網漁、イルカ漁、船漕(こ)ぎなどの所作事をするのが普通である。競漕(きょうそう)を実演する村もある。イノシシを弓矢で射る所作事をし、イノシシの模擬品を、山の神の土産(みやげ)として、海神に供える神事もある。イノシシ狩はシヌグで行う村もあり、海神祭とシヌグは内容にも交錯しているところがある。国頭郡では、シヌグとともに、もっとも大掛りな村の行事になっている。
[小島瓔〓]



海神祭[百科マルチメディア]
海神祭[百科マルチメディア]
塩屋湾のウンガミ(国指定重要無形民俗文化財)。沖縄県国頭(くにがみ)郡大宜味(おおぎみ)村 ©沖縄観光コンベンションビューロー
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1. 海神祭
日本大百科全書
なしている村も多い。国頭郡北部には、シヌグと隔年に行う村もあり、海神祭を女の節供、シヌグを男の節供と説明したり、シヌグを大(ウフ)シヌグ、海神祭をシヌグ小(グワ ...
2. 海神祭[百科マルチメディア]
日本大百科全書
塩屋湾のウンガミ(国指定重要無形民俗文化財)。沖縄県国頭(くにがみ)郡大宜味(おおぎみ)村 〓沖縄観光コンベンションビューロ ...
3. うみがみまつり【海神祭】
国史大辞典
海から訪れる神を饗応するという性格を含んでいると考えられる。 [参考文献]宮本演彦「沖縄国頭村比地の海神祭」(馬淵東一・小川徹編『沖縄文化論叢』三所収) (萩原 ...
4. うんじゃみ‐まつり【海神祭】
デジタル大辞泉
沖縄北部の国頭(くにがみ)地方で、陰暦7月初めの亥(い)の日(または盆後の亥の日)に行う海の神の祭り。うんじゃみ。  ...
5. うんじゃみ‐まつり【海神祭】
日本国語大辞典
〔名〕沖縄本島の国頭(くにがみ)村比地の祭。七月初亥の日、スゲの葉のかぶりものを着けた神々(あまんがみ)が七人、カズラとデエタの葉のかぶりものを着けた山の神が四 ...
6. アカマタ・クロマタ
日本大百科全書
石垣市川平(かびら)のマユンガナシ、伊平屋(いへや)諸島のテルコガミも同系統の行事であるが、海神祭(うみがみまつり)とも通じるところがある。小島瓔 ...
7. あだむら【安田村】沖縄県:沖縄島北部/国頭村
日本歴史地名大系
女性による群舞「ウスデーク」が広場で演じられる。山登りは隔年で行われ、その合間の年はウンジャミ(海神祭)とよばれ、女性によるウスデーク踊が行われる。なお現在はシ ...
8. 糸満[市]
世界大百科事典
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9. うえーがーむら【親川村】沖縄県:沖縄島北部/名護市
日本歴史地名大系
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10. 海
日本大百科全書
し)儀礼のなかにこの他界の観念が象徴されているし、沖縄本島中・北部の村落では海神を迎えて行う海神祭(ウンジャミ)が営まれている所もある。 ところで「板子一枚、下 ...
11. ウンジャミ
日本大百科全書
海神祭 ...
12. 大宜味(村)
日本大百科全書
村立の芭蕉布会館がある。琉球(りゅうきゅう)古典劇『花売りの縁』の舞台。旧暦7月の塩屋湾のウンガミ(海神祭)は国指定重要無形民俗文化財。面積63.44平方キロメ ...
13. 大宜味[村]
世界大百科事典
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14. 沖縄[県]
世界大百科事典
迎えまつって海の幸を祈る祭りである。また7月の盆の前後の亥の日には豊作豊猟の予祝祭である〈シヌグ祭〉が行われ,海神祭と隔年で交互に行っている所が多い。7月7日に ...
15. かいじん【海神】[標準語索引]
日本方言大辞典
かいじん:海神の住んでいる所りゅーぐんかんかいじん:海神祭り(りゅーぐー(竜宮))ずんぐ ぬ祭り ...
16. かいじん【海神】[標準語索引]
日本方言大辞典
かいじん:海神の住んでいる所りゅーぐんかんかいじん:海神祭り(りゅーぐー(竜宮))ずんぐ ぬ祭り ...
17. 海神
世界大百科事典
なかた)大社,住吉神社,大山祇(おおやまづみ)神社,金毘羅社などが全国的に勧請流布している。海神祭は神霊を奉安した御輿を海中渡御(とぎよ)するものをはじめ,御旅 ...
18. きただいとうじま【北大東島】沖縄県:大東諸島/北大東村
日本歴史地名大系
一二月の鬼餅、フトゥチウガン(解御願)などがあり、大宜味村出身者を中心にして、旧暦七月の亥の日に海神祭が大宜味村の方向に向かって遥拝するかたちで行われているのも ...
19. くにがみそん【国頭村】沖縄県:沖縄島北部
日本歴史地名大系
栽培を行っているが、近年はサトウキビに代わって花卉栽培が盛んとなっている。現在もウンジャミ(海神祭)、安田のシヌグ(国指定重要無形民俗文化財)などの伝統行事や伝 ...
20. こうりじま・ふいむら【古宇利島・古宇利村】沖縄県:沖縄島北部/今帰仁村
日本歴史地名大系
年浴・大折目・柴指・芋折目などの祭祀が行われていた。七月の大折目は現在も七月に行われているウンジャミ(海神祭)のことであろう。現在ナナタキ(七嶽)あるいはナナム ...
21. しおやわん【塩屋湾】沖縄県:沖縄島北部/大宜味村
日本歴史地名大系
る行事。国指定重要無形民俗文化財。田港・屋古・塩屋・白浜の四集落を中心に催される。ウンガミを海神祭とする向きが多いが、豊漁ばかりでなく豊作をも願い、害鼠・害虫・ ...
22. 塩屋湾のウンガミ
デジタル大辞泉プラス
田港・屋古・塩屋・白浜の4地区で、旧盆明けの最初の亥の日を中心とする3日間行われる。「ウンガミ」には「海神祭」の表記をあてることもある。一年おきに「ウグァンマー ...
23. シヌグ
日本大百科全書
中心にした祈願の神事である海神祭(うみがみまつり)と一対をなし、隔年に行う村もある。『琉球国由来記』(1713)には「シノゴ折目」などとみえ、国頭郡北部では、海 ...
24. せりふね【競舟】
国史大辞典
、五月五日の行事である。沖縄本島北部で旧七月十五日の前後の亥の日に海山の幸を祈るウンジャミ(海神祭)や、八重山で旧八月・九月に豊作を祈る節祭にも舟漕ぎがある。九 ...
25. つうしんし【通信使】
国史大辞典
所司代らにも持参した。通信使の日本使行は、王城を出発し、陸路、ときに江路を利して釜山に至り、海神祭ののちに騎船三隻・卜船三隻に分乗して、対馬藩よりの迎聘参判使( ...
26. 今帰仁(村)
日本大百科全書
国の天然記念物に指定されている。古宇利島には人類発祥の古宇利島伝説(沖縄版アダムとイブ)や、海神祭(ウンジャミ)の古式ゆかしい行事が残っている。面積39.89平 ...
27. 日東壮遊歌 ハングルでつづる朝鮮通信使の記録 64ページ
東洋文庫
この様子を 逐一従事官に報告したらしく (1)永嘉台 使節が出航を前に海神祭を行う所であり、日本に向けてともづなを解く所でも ある。 (2)倭館 ...
28. 日東壮遊歌 ハングルでつづる朝鮮通信使の記録 76ページ
東洋文庫
ごま油とはちみつを塗った菓子。 (9)統制使 三道の水軍の将。 九月六日 釜山(↓永嘉台)九月八日に海神祭の儀礼を 序列に従って習儀するにあたり烏角帯と ...
29. 日東壮遊歌 ハングルでつづる朝鮮通信使の記録 77ページ
東洋文庫
正使が取り出され数十字を消してしまわれ 書ぎ改めよと命じておられる宿所に戻って眠る (1)海神祭 出航に際して永嘉台で執り行う儀式。内容は九月八日条参照。 ...
30. ねじやめぐすく【根謝銘グスク】沖縄県:沖縄島北部/大宜味村/城村
日本歴史地名大系
中グスクの隣には木造瓦葺の神アシャギが建てられている。神アシャギの庭では毎年旧暦七月にウンガミ(海神祭)が行われる。このほかグスク内には拝泉と火の神があり、堀切 ...
31. のみむら【野見村】高知県:須崎市
日本歴史地名大系
なお当地では旧正月一四日に「野見の潮ばかり」という行事(県指定無形民俗文化財)が行われる。夜潮祭・竜神祭・海神祭などともいう。「潮ばかり」とは根付きの孟宗竹に無 ...
32. ふいじむら【比地村】沖縄県:沖縄島北部/国頭村
日本歴史地名大系
兼久が二〇戸・八〇人(沖縄県旧地名)。旧暦七月の盆明けの亥の日に比地アサギで行われるウンジャミ(海神祭)には、幾首かのクェーナ(ウムイ)が謡われる。その最後に「 ...
33. ふいんとなむら【辺土名村】沖縄県:沖縄島北部/国頭村
日本歴史地名大系
久が二一戸・一〇五人、上島が三〇戸・一五〇人(沖縄県旧地名)。旧暦七月に行われるウンジャミ(海神祭)には、ウンジャミの行事とともにアラハンサガ(新たな神女の就任 ...
34. 風浪宮
日本大百科全書
例祭1月29日、ほかに旧3月28日より5日間の火清鳴弦祈祷(ひきめごきとう)、旧暦4月3日の海神祭(おきまいり)などがある。当社神主家阿曇(あずみ)氏は神功皇后 ...
35. へどだけ・あすむい【辺戸岳・安須森】沖縄県:沖縄島北部/国頭村/辺戸村
日本歴史地名大系
安全などを祈願している(前掲由来記)。シヌグと一年交替で旧暦七月に行われる辺戸のウンジャミ(海神祭)には「あさぎじぬウムイ」が謡われた。ウムイは神々の道行きを内 ...
36. ゆなむら【与那村】沖縄県:沖縄島北部/国頭村
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37. りゅーぐー【竜宮】[方言]
日本方言大辞典
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38. をなり神の島 1 267ページ
東洋文庫
れていることです。わけてもこの古い信仰は南島に多く遺っているが、なかんずく著しいのは、山原の海神祭です。(島袋源七氏著『山原の土俗』参照)これはもと海部の民の間 ...
39. をなり神の島 1 285ページ
東洋文庫
用いられている)に蒔いた(その田を三穂田ともいっている)、といったように見えている。大宜味の海神祭のオモリ(田港あしやげで謡う)には、「にらいから、あまちゃね・ ...
40. をなり神の島 1 287ページ
東洋文庫
であろう。(五)「あぶしかたやにて」は、神田を造っての意。「あぶしかた」は畦形で、前出塩屋の海神祭のオモリに、「しらちゃね(米)……畦かた蒔散らす」とあるのを見 ...
41. をなり神の島 1 306ページ
東洋文庫
のろ火の神と神あしやげ(国つ神の側に火の神も祀る)とで行われた。辺戸巫火神の「しのぐ折目」には、特に「海神祭祀也」と註してあるから、「にらい・かない」関係の祭祀 ...
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43. をなり神の島 1 310ページ
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44. をなり神の島 2 32ページ
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46. をなり神の島 2 44ページ
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期待したことは、古琉球人の信仰生活の上から見ても、この辺から以北の沿岸地方にかけて、いまだに海神祭の盛んに行われている事実から推しても、十分考えられ得ることであ ...
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49. をなり神の島 2 329ページ
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約束するなどして、最終的に自分の属する世界(異界)に戻っていく神を来訪神とよぶ。沖縄島北部のウンジャミ(海神祭)とよばれる旧暦七月の祭は、ニライカナイから村にや ...
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